内村が逆転V「3連覇はファンのおかげ」=全日本体操

高野祐太

男子個人総合決勝の最後の演技を終え、ガッツポーズする逆転優勝の内村航平=国立代々木競技場 【共同】

 体操個人総合の全日本選手権は9日、東京・国立代々木競技場で決勝が行われ、男子は前日4位と出遅れた内村航平(日体大)が合計182.200点で逆転し3連覇を達成した。予選トップだった中瀬卓也(徳洲会体操ク)は、178.700点で4位に終わった。

 女子は、鶴見虹子(朝日生命体操ク)が合計116.000点で大会5連覇を達成。2位は、合計113.950点で笹田夏実(OSTC大泉スワロー体育ク)が入った。この結果、笹田は8月にシンガポールで行われるユース五輪代表に決定した。

 以下、上位選手のコメント。

内村航平「体力的にしんどい部分があった」

 3連覇しましたが、(今は)疲れたとしか考えられません。今日良かったのは、あん馬で落下してから立て直せたこと。それが3連覇につながったと思います。昨日、鉄棒で2回落下して、まだ不安が取り除けていませんでしたが、練習通り演技することを考えました。(鉄棒の演技中)離れ技が決まった後は、着地を決めることだけを考えていました。あん馬とつり輪で少し難度を上げたことで、体力的にしんどい部分があったので、今後はいったん(難度を)下げてから、ゆっくり(レベルを)上げていきたいと思います。
 (6月の)NHK杯に向けて、Dスコア(演技価値点)の見直しと、しっかり体力的に余裕で2日間こなせるようにしたいです。3連覇できたのはファンの応援のおかげ。落下はありましたが、応えられる演技ができてよかったです。

鶴見虹子「これからも美しい体操を目指す」

女子個人総合で優勝した鶴見虹子(右)と2位の笹田夏実=国立代々木競技場 【共同】

 今日は平均台ですごい緊張していたけど、優勝したい気持ちもあったので、(最終種目の)ゆかは落ち着いて演技しようと思っていました。(5連覇については)うれしい気持ちとホッとした気持ちがあります。平行棒がまあまあ良くできたのが今日一番良かった点です。昨日より角度よく倒立できました。ゆかは、今日の方が良くて、平均台は昨日の方が良くて。(全体的に)細かい所で安定していないのが、今回の反省点です。
 来月のNHK杯に向けては、少しでも難度を上げて、跳馬にひねりを加えられるようにしたいです。平行棒と平均台は1つくらいは難しい技を入れられれば。これからも美しい体操を目指します。2位と3位に若手が入りましたが、2人ともゆかと跳馬が強くてすごいと思うのと、負けたくない気持ちがあります。

笹田夏実「夢はロンドン五輪でメダルを取ること」

 今日は最初からノーミスで演技したいと臨みました。ユース五輪の代表を決めて、すごく安心しているのと、うれしい気持ちでいっぱいです。全体的に失敗がなかったのが大きかったです。昨日よりもゆかの技1つ1つができ、着地が(しっかり)止まりました。
 ユース五輪までの3カ月は、できれば、また新しい技を使いたいですが、今の構成も不安定なので、まずは正確にできるようにしたいです。出られなかった選手のためにも、自分の役目を果たしたい。夢はロンドン五輪でメダルを取ることです。そのためには、バレエなどを取り入れて、きれいなポーズや姿勢を作っていきます。

<了>
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著者プロフィール

1969年北海道生まれ。業界紙記者などを経てフリーライター。ノンジャンルのテーマに当たっている。スポーツでは陸上競技やテニスなど一般スポーツを中心に取材し、五輪は北京大会から。著書に、『カーリングガールズ―2010年バンクーバーへ、新生チーム青森の第一歩―』(エムジーコーポレーション)、『〈10秒00の壁〉を破れ!陸上男子100m 若きアスリートたちの挑戦(世の中への扉)』(講談社)。

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