杉本、鮫島らプロ注目選手がそろう=JFAプリンスリーグU−18 2010 西日本編

安藤隆人

C大阪U−18の杉本は昨年のU−17W杯にも出場した長身ストライカー。今年は関西得点王を狙う 【Photo:MEXSPORT/アフロ】

 西日本ではすでに全地区で開幕している「JFAプリンスリーグU−18 2010」。秋に行われる高円宮杯全日本ユースU−18の出場権を懸けて、高校生たちが熱い戦いを繰り広げている。東日本に引き続き、西日本の注目選手を見ていこう。

ブラジルからゴールを奪ったC大阪ユースの杉本

 関西で注目はセレッソ大阪U−18だろう。昨年は日本クラブユース選手権で優勝を果たすも、最後のJユースカップでは、2回戦で名古屋グランパスU18にまさかの敗戦を喫し、涙をのんだ。昨年の悔しさも喜びも知っているメンバーが中心となった今年は、ヴィッセル神戸ユースと並んで優勝候補であることは間違いない。

 U−17ワールドカップ(W杯)ではブラジルからゴールを奪い、U−19日本代表でもストライカーとして存在感を発揮しているFW杉本健勇に注目だ。187センチの杉本は、長身選手にありがちな線の細さもなく、強烈なフィジカルコンタクトと優れたボディーバランスで、前線でどんなボールでもキープし、タメを作ることができる。加えてスピードもあり、裏への飛び出しはピカイチ。一昨年、昨年と本来はFWだが、チーム事情でセンターバックをこなすことが多かったが、今年はFWとしてプレーしており、関西得点王を狙う。

 今年のC大阪U−18は彼だけではない。同じく昨年のU−17W杯に出場したMF夛田凌輔、岐阜からやってきた2年生ストライカーの風間健治、開幕戦でいきなりハットトリックを達成した期待のルーキーMF南野拓実らが、エースを強力に援護射撃し、大熊裕司新監督の下、快進撃を続けている。

 昨年のチャンピオンである神戸ユースは、エースの小川慶治朗がトップチームですでにデビューを果たしており、なかなかチームに参加できないことは痛いが、1年生は昨年の高円宮杯全日本ユースU−15優勝メンバーが加入し、チームにさらなる底上げが図れている。第2節でライバルのC大阪U−18との直接対決に0−3で敗れてしまったが、名将・黒田和生監督の手腕で、しっかりと立て直してくるだろう。

 京都サンガF.C.ユースも面白い。U−16日本代表でも主軸を張る2年生FW久保裕也を中心に、右に伊藤優汰、左に駒井善成と、両サイドに能力の高いドリブラーを配置。ここにドリブルとパスで起点となれるMF山下嗣紋が絡んで、個人技とパスを融合させた攻撃を見せられれば、初のプリンス関西制覇も十分にあり得るだろう。

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著者プロフィール

1978年2月9日生まれ、岐阜県出身。5年半勤めていた銀行を辞め単身上京してフリーの道へ。高校、大学、Jリーグ、日本代表、海外サッカーと幅広く取材し、これまで取材で訪問した国は35を超える。2013年5月から2014年5月まで週刊少年ジャンプで『蹴ジャン!』を1年連載。2015年12月からNumberWebで『ユース教授のサッカージャーナル』を連載中。他多数媒体に寄稿し、全国の高校、大学で年10回近くの講演活動も行っている。本の著作・共同制作は12作、代表作は『走り続ける才能たち』(実業之日本社)、『15歳』、『そして歩き出す サッカーと白血病と僕の日常』、『ムサシと武蔵』、『ドーハの歓喜』(4作とも徳間書店)。東海学生サッカーリーグ2部の名城大学体育会蹴球部フットボールダイレクター

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