節目を迎えた夏見と福田=クロスカントリー女子リレー

高野祐太

入賞の目標には届かず

 ノルディックスキー距離(クロスカントリー)の女子20キロリレーは、日本が1走夏見円、2走石田正子(ともにJR北海道)、3走福田修子(岐阜日野自動車)、4走柏原理子(早大)で臨み、トップから2分20秒9遅れの合計57分40秒4で9位となり、世界選手権7位に続く入賞の目標をあと一歩で逃した。8位との差は39秒5だった。

 レースは悪くない形でスタートする。夏見はスプリント2種目のときとは打って変わって良い動きを見せる。「(団体スプリントでは)動きがどうしても重くて、気持ちの面でもマイナスになったり。きょうは長めにアップして、不安な気持ちを取り除くようにしました。また、スタートするに当たっては、あきらめないこと一つに気をつけていきました」。途中のチェックポイントでは9位、7位と順位を上げ、結局トップと15秒9差の6位で石田へバトンタッチ。「順位より、トップから15秒差でタッチできたのは初めてで、いい内容だったと思う」と笑顔を見せた。

福田「最後は足にきた」

 石田は序盤で順位を1つ上げた後、そのまま5位をキープ。だが、自身の手応えは今一つだったようで、「最初に行き過ぎました。夏見さんにいい位置でつないでもらって、トップ集団に早く追いつかないと、という気持ちで行ってしまいました。2周目も1周目の勢いを維持していければ先頭集団で帰って来られた。そこが不本意です」と厳しく振り返った。だが、最大のターゲットである2日後の30キロクラシカルに向けては「ようやく体が動いてきたので、あとはバテないように、最初行き過ぎないように、一番自分がいいタイムを稼げるような走りができればいいかな」と意欲を見せた。

 前半は粘るも後半に入って順位を3つ落とした福田は、8位でタッチ。「1周目で帰ってくる下りのカーブで差が開いてしまってからは、自分で追い上げても前もスピードが上がっていて、追いつけませんでした。日本の応援団もいて頑張れましたが、最後は本当に足にきてしまいました」と厳しい表情を見せた。

 柏原は、順位を1つ落とした。だが、各チームのエースが並ぶアンカーの4走で健闘した。「(高校3年で出場した)去年の世界選手権から、大学生になったので少し考えも変わって、滑り自体は良かったかなと思います」と、明るい表情だった。

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著者プロフィール

1969年北海道生まれ。業界紙記者などを経てフリーライター。ノンジャンルのテーマに当たっている。スポーツでは陸上競技やテニスなど一般スポーツを中心に取材し、五輪は北京大会から。著書に、『カーリングガールズ―2010年バンクーバーへ、新生チーム青森の第一歩―』(エムジーコーポレーション)、『〈10秒00の壁〉を破れ!陸上男子100m 若きアスリートたちの挑戦(世の中への扉)』(講談社)。

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