史上初の沖縄勢2校出場は有力=センバツ出場校予想・九州地区編
嘉手納高を初出場初優勝に導いたエース・池原 【写真提供:高校野球ドットコム】
嘉手納高、初出場初優勝でセンバツ切符を確実に
九州大会初出場でいきなり頂点まで登りつめた嘉手納高。初戦は地元・宮崎の1位校である日南学園高が相手と、完全アウェーの厳しい戦いだったが、これを逆転勝ちして勢いに乗った。準々決勝ではエース・池原有(2年)が終盤の佐世保実高(長崎)の追い上げをしのぐと、準決勝では左サイドハンドの山城星也(2年)が踊るようなピッチングで自由ヶ丘高(福岡)を3安打完封。決勝では中2日で休養十分の池原が宮崎工高(宮崎)を2点に抑えた。
打線は2死からでも連打で得点でき、守備もキャッチャーで主将の眞謝博哉(2年)、ショートの吉田俊紀(2年)らセンターラインが安定。眞玉橋元博監督は、「九州という大きな舞台でも、普段通りの野球ができるか不安だったが、私の杞憂(きゆう)だった」と選手を讃えた。ただ明治神宮大会では、都会の空気と慣れない人工芝に戸惑い、自慢の堅守が乱れた。初の甲子園で独特の空気にいかに早く馴染めるかかがポイントになりそうだ。
興南高・島袋は文句なしの内容
名将・末次監督引き入る自由ヶ丘高も選出確実
4強に残った自由ヶ丘高は初の甲子園が確実。かつて柳川高(福岡)を9度甲子園に導いた末次秀樹監督がチームを率いる。エース左腕・小野剛貴(2年)は福岡で注目された好投手で、初戦の鹿児島城西高(鹿児島)を完封、準々決勝では夏の甲子園を経験した明豊高(大分)・山野との投げ合いを制した。嘉手納高戦でリリーフした右本格派の行弘剛(2年)も将来が楽しみな投手だ。反面、課題になったのが打線。初戦では4番の古賀翔太(2年)が3ランを放ったが、敗れた嘉手納高の山城に対してはほとんど何もできなかった。
4強以外では明豊高の山野、宮崎商高(宮崎)の1年生エース・吉田奈緒貴、145キロ右腕・東海大五高の寺岡寛治(2年)らことしも九州には好投手が多い。そして注目が21世紀枠候補になった長崎商高(長崎)の145キロ右腕・竹野裕貴(2年)。準々決勝で島袋に投げ負けたが、2試合でわずか5安打しか浴びなかった。同校は最後の甲子園出場から23年。「選考が難しい場合は甲子園未経験か30年以上遠ざかっている学校」のルールに照らし合わせれば選出は微妙だが、九州地区の候補になるのは2回目。センバツに限れば58年出ておらず、サプライズ選出の可能性も十分考えられる。
<了>
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