10年前とは全然違う!? プロ野球自主トレ今昔物語=大塚光二が語る自主トレの狙いから笑撃の伝説まで
自主トレで一番大事なことはストレスをためないこと
ここで一番大事なのはストレスをためないことですね。体を動かさないことでストレスを感じる選手は動いた方がいいし、ケガの不安などがあって、動くことがストレスになる選手は休んだ方がいい。一番ダメなのはオフの間にストレスをためてしまうことなんです。
昔の選手はオフになると「休みだ!」という意識があって、ゴルフをして、家族孝行して、というのが一般的な過ごし方でしたけど、今の選手はそれをやると逆にストレスがたまるんだと思います。また、近代的なトレーニング方法が入ってきて、完全に休むより「ある程度体を動かして筋肉をキープした方がいい」という考えが広がっているのも大きいでしょうね。
WBC組にとっては難しい自主トレになる
たとえば涌井(秀章)はWBCではあまり投げませんでした。そしてシーズンでは故障もなく突っ走って沢村賞を取りました。彼にとっては早い時期に肩をつくって、3月に少し休めてシーズンに向かうという調整が合っているのかもしれません。岩隈(久志)は6月あたりで一度離脱しましたから、彼には合っていないのかもしれません。今は情報がたくさん入ってきますから、何を選ぶのかが大変だと思います。
伝説の「凍傷ボーイ」
僕も4年目は失敗でした。キヨ(清原和博)と一緒に「今年は真剣にやるぞ」と。毎日ロードワークして食生活も全部管理して、飲みにも行かず、遊びもゴルフも行かずストイックにやった。
自主トレが終わったときは「やったなー」って充実感があって、キャンプもうまくいったけど、シーズンに入ったらダメだった……。ただ、それだけ鍛えていなかったらケガをしていたかもしれないですから難しいところですけど。