山梨学院大附・横森監督「優勝なんて考えていなかった」=高校サッカー決勝
両サイドが勝負になると思っていた
4度目の高校選手権決勝で初優勝を飾った横森巧監督 【写真は共同】
――青森山田のトリッキーなセットプレーに対して対処できていたが、どのようなスカウティングをしたのか?
今までのゲームをみんな見ました。どちららかといえば高さについてはわたしたちは自信を持っています。(青森山田は)トリッキーなFKもあるので、人につくということを基本として、あとはポジショニングをしっかり取ると。それとボールがいったサイドの、ボール際に対する強さ、そういったことについては特別に頑張らないといけないと指示は出していました。
――青森山田の左サイドバック中島が積極的に前に出てきたが、両サイドの攻撃をどのようにケアしたのか? また、選手交代ではどんなことを意識したか?
まず、青森山田の両サイド、特に6番の選手(中島)はスピードがあってボール扱いもうまいんですが、その前にいるうちの平塚は十分に対応できるスピード、キャリアを持っていますから、両サイド、鈴木と平塚が頑張れば、わたしたちのペースでゲームを進められるという話はしました。青森山田の両サイドか、うちの両サイドが勝負になるのかなと思っていました。
交代なんですけど、右サイドの井上がけがしてしまったんですが、実は一番頼りにしているサイドバックでして、彼のサイドから今までほとんど崩されたことがないんです。彼があのポジションに入ったことで、今大会もここまで来れたのかなと思っていますから、あのポジションを交代しなければならないときは、あそこから崩されるのかなと思っていましたが、交代で入った選手がよくやってくれました。トップについては、加部は今後期待できる選手ですから、経験させたいと。鈴木については疲れ気味かなと、交代の選手でも対応できるだろうということで、短い時間ですけども(交代の羽東に)やらせました。
4回目で初めて優勝させてもらいました
彼の場合はけがをしていて、医師の方からこの時間なら大丈夫じゃないかという判断の下でやっています。わたしたちも十分なウオーミングアップをさせて、ゲームに臨ませています。ということで、あの時間帯で交代出場させています。
――監督として4度目の決勝の舞台で優勝となったが、この試合ではピッチサイドで声を出していたように見受けられた。気持ちが盛り上がったのか?
4回目で初めて優勝させてもらいました。何回やっても厳しいゲームばかりで結果はついてこなかったわけなんですが、やっと先取点が取れました。ピッチの中の選手がわれわれが思っている動き方をしてくれれば黙って座っていようと思ったんですが、少しでもずれがあると厳しいかなと。そのずれを修正しないと、こういうビッグゲームではそこから破綻をきたすので、そういう意味では一個ずつ修正させようという気持ちでピッチサイドから声を出したんですが、実際には通じていないと思います。
――前半から無謀なくらいシュートを打っていたが、それは何かを意図していたのか?
青森山田の前線の13番(野間)、14番(成田)、10番(柴崎)の選手が高い位置に残っているんです。ですが、わたしたちが攻撃したときにシュートまでもっていくと全体を下げることができる。ですので、少々遠くてもいいから最終的にシュートで終わろうと。厳しくなった場合は、苦しくてもシュートで終わろうということで、最初はやらせました。何回かシュートを打つということは、自分たちのリズムを作ることですから、そういった意味ではその中から碓井の点も生まれたと思います。