中邑が“帝王”高山を破りIWGP王座V4に成功=新日本プロレス

高木裕美

棚橋がイケメンエース対決に快勝

新エース対決は棚橋が勝利、GHC王座へも色気を見せた 【前島康人】

 イケメンエース対決となった棚橋弘至vs.潮崎豪は、20分近くに及ぶ激闘の末に昨年度のプロレス大賞MVP男・棚橋が快勝した。

 現在は共に無冠とはいえ、昨年はそれぞれがチャンピオンとして団体を牽引してきた者同士、そのさわやかな風貌に反し、激しい打撃戦となった。
 昨年は三沢さん亡き後のノアを支えてきた潮崎は、師匠・小橋建太譲りの逆水平チョップ、袈裟斬りチョップ、豪腕ラリアットを惜しみなく繰り出し、何度となくあわやという場面を作り出すも、「今もっとも調子に乗っている男」の勢いは止められず。潮崎の仕掛ける打撃の数々にひるむことなく強烈なエルボー連打で応戦した棚橋が、スリングブレイド、ファルコンアローからのハイフライフロー2連弾で勝利した。

 若くてイケメンな潮崎について「一発目のチョップをもらった時、耳がキーンと来た」と、そのすさまじい威力と今後の大いなる可能性について熱く語った棚橋は、「この先100年、棚橋の調子は続きますよ」と予告した上で、「2010年もオレの年にします。今日が始まりの夜、ビギンズ・ナイトです」と仮面ライダーWの映画タイトルになぞらえて、今年もタイトル獲得に向けて積極的に動き出すことをアピールした。

真壁がノア制圧へヨネを粉砕

試合前からテロ行為の応酬となった一戦は、真壁(左)が5分あまりでヨネに圧勝 【前島康人】

 互いの団体に乱入するテロ行為が繰り返されていた真壁刀義vs.モハメド ヨネの因縁対決は、ヨネの奇襲攻撃で開戦。花道でチェーンを巻いてのクォーラルボンバーを決めるなど、ヨネが一気呵成に攻めるも、真壁はチェーンを一度も使うことなく、スパイダージャーマン、トップロープからのダイビングキングコングニードロップとたたみかけ、わずか6分弱で決着をつけた。

 現在、ノアのGHCタッグ王者(パートナーは力皇猛)であるヨネから完璧な勝利を奪った真壁は、「こちとらシングルでブイブイ言わせてんだよ」と胸を張ると、「おめぇらみてぇな図体ばっかでかくて、腰の引けてる単なる力持ちのお兄ちゃん達に現実判らせてやる」と、9日から開幕するノアの「グローバル・タッグリーグ戦」でもタッグパートナーの本間朋晃と共に大暴れすることを予告した。

NO LIMITがIWGPタッグ初戴冠

裕次郎&内藤のNO LIMITが漁夫の利を得てIWGPタッグ王座を奪取 【前島康人】

 3WAYハードコアマッチルールで争われたIWGPタッグ選手権試合では、メキシコCMLLから帰国した裕次郎、内藤哲也のNO LIMITが新王者に君臨した。

 同王座は昨年1.4でブラザー・レイ、ブラザー・ディーボンのチーム3Dに奪われて以来、1年に渡ってアメリカTNAマットに流出。11.8両国国技館大会では「G1タッグリーグ」で優勝したジャイアント・バーナード、カール・アンダーソンのバッド・インテンションズがチーム3Dに挑戦したが、両者リングアウトによって王座奪回に失敗していた。

 約1年の海外遠征でヘビー級戦士へと大きく成長したNO LIMITだが、3WAY戦ではスーパーヘビー級外国人同士の争いにまったく歯が立たず。肉弾戦でも凶器攻撃でもやられっぱなし。しかし、チーム3Dの必殺技3Dを食らってすでに虫の息となっていたアンダーソンを合体技のリミットレス・エクスプロージョンで沈め、「漁夫の利」で3カウントを奪取した。
 内容はどうであれ、ベルトという結果を残した裕次郎は「オレたちが一番クレバーだったから勝った」と勝ち誇ると、王者の特権としてメキシコで行われた髪切りマッチで苦杯を喫したCMLLのテハノJr、テリブレ組へのリベンジ戦を新日本マットで実現させるよう会社に訴えた。

Apollo55がJrタッグV4に成功

CMLLの難敵を撃破したApollo55、次の標的は邪道・外道だ 【前島康人】

 IWGPジュニアタッグ選手権試合では、田口隆祐、プリンス・デヴィットのApollo55がCMLLからの刺客ウルティモ・ゲレーロ、アベルノ組を合体技のブラックホール・ヴァケーションで退け、4度目の防衛に成功。本場のルチャならではのスピードや、雪崩式リバースタイガードライバーなどの猛攻に苦しめられながらも、息の合った連係でベルトを守り抜いた。

 タッグ結成からちょうど1年を迎えたApollo55は、「CMLLのトップレスラーに勝てて嬉しい」と喜びを語ると、タッグ王者としてのさらなる進化を遂げるため、過去に2度敗北を喫している邪道、外道組を次期挑戦者に指名。「決着をつけたい」とレスリングマスターコンビのズルさを実力で上回ることで、ベルトを守り抜くことを誓い合った。

2/2ページ

著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント