格上の三菱電機を苦しめた山形銀行=天皇杯・皇后杯バスケ

舟山緑

コーチは元アトランタ五輪代表

就任2年目。見事な手腕でチームを率いている山田かがりコーチ。今後どれだけチームを育てていくのか。期待は高まる 【(C)JBA】

 山銀に山田コーチが就任したのは2008年春。「私にヘッドコーチが務まるのか、不安だらけだった」と言うが、前任の小嶋裕ニ三ヘッドコーチ(現デンソー・アイリスコーチ)から引き継いで、この2年で見事な結果を出している。1年目は全日本実業団競技大会(9月)、全日本社会人選手権大会(10月)、高松宮杯全日本実業団選手権(2月)の3大会で優勝。2年目の今年度も国体、社会人選手権大会を制して目下2冠中なのだ。
 山田コーチ自身はエリートコースを歩んできた元プレーヤーだ。守山中(愛知)で全中3連覇、名古屋短大付属高(現桜花学園高)で8冠、シャンソン化粧品ではWリーグ9連覇にオールジャパン優勝5回と、いずれも強豪チームでスターターだった。177センチの高さと巧さを買われて高校3年には全日本代表入り。以来、代表歴も長く、1996年のアトランタ五輪7位にも貢献している。
 コーチ経験は、母校の桜花学園高で3年間アシスタント・コーチを務めただけ。「山銀ではコーチは私一人なので、しかる役もなだめる役も全部やっています(笑)。幸い、選手がよくついてきてくれるので、手応えはありますね。今は選手と一緒にチームを作っている最中です」。

来年こそ、この舞台でベスト8へ

 「去年はガチガチだったが、今年は勝ちにこだわってきた。チャレンジャーとしてWリーグの三菱に勝ちたかった」という菅野。渡邊も「ここは格上のチームと戦える貴重な大会。自分たちの力を試せる場なので、来年もこの舞台に立ちたい」と語る。2年連続でWリーグのチームを苦しめた山銀。「次こそは3度目の正直で、絶対にベスト8へ進みたい」と、二人は力強く言い切った。
 この2年の経験で、チーム全員の意識が高まってきた。山田コーチも「オールジャパンでWリーグのチームと戦う経験はすごく大きい」と語る。「いくつもの反省点が見つかったので、そこを修正し、2月の全日本実業団選手権で3冠目に挑むつもりです」(山田コーチ)


<了>

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著者プロフィール

月刊バスケットボールで12年にわたりミニバスから中学、高校、大学、トップリーグ、日本代表まで幅広く取材。その後、フリーランスとなる。現在はWEBを中心にバスケットの取材・執筆を続けている。ほかに教育分野での企画・編集なども手がけている

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