“S”は杉浦!? 謎のマシンが丸藤興行で大暴れ!=ノア

タカハシ
 プロレスリング・ノアの丸藤正道による3回目のプロデュース興行「不知火 為虎添翼 〜添ノ巻 I miss you〜」が23日、東京・ディファ有明で開催され、超満員となる1800人を動員した。

 第一回プロデュース興行では、メーンイベントで丸藤が世界ジュニア・ヘビー級王座の防衛戦をNOSAWA論外相手に行ったが、今回はノア対マシン軍団と銘打たれたカードがメーンイベントを飾ることとなった。対戦相手となるマシン軍団はスーパー・ストロング・マシン&スーパー“S”マシンの2人と発表されており、“S”の正体もまた興味のひとつであった。戦前はこの日に引退記念試合を行うミスター・デンジャーこと松永光弘と「同じリングに上がりたくない」と公言していた現GHCヘビー級王者の杉浦貴説や、青義軍つながりで新日本プロレスの永田裕志、あるいは単に性癖が“S”な選手が名乗りを挙げただけ、とするさまざまな憶測が飛び交っていた。

“S”マシンが青木にオリンピック予選スラムを炸裂

 そのマシン軍団はグレイシー・トレインならぬマシン・トレインで、サンタ仕様のマシンマスクのスーパー・ストロング・マシンを先頭に青義軍Tシャツ姿の4人のマシンで登場した。先発のマシンからタッチを受けた“S”は、マシンとおそろいのグリーンのマスクに黒のシンプルなロングタイツ姿で、「ギガガガ」と機械音を発しながら独特なストンピングや強烈なタックルでノアチームを圧倒していく。

 しかし、ノアチームも青木のミサイルキックを起点に反撃に転じ、丸藤が“S”に不知火を決めると青木も“S”相手に「お前は杉浦だろう!」とエルボーを食らわせ、コーナーに控えるマシンには「お前は平田だ!」とマスクマン相手に掟破りの発言を連発していく。
 しかし、これが“S”の怒りを買ったため、思わずオリンピック予選スラムを繰り出そうとするが、かつてのザ・グレート・ゼブラのように、得意技から正体が割れるのを恐れたのか、慌てて魔神風車固めに切り替えようとしたが、これを青木が逃れたため、またまた本能の赴くままにオリンピック予選スラムを炸裂させてしまい、「今のナシ!」とアピールした後に魔神風車固めで3カウントを奪った。
 試合後にはマシン自ら“S”の正体を探るが、マイクを持った“S”は「丸藤、青木がショッパイ試合をしてすいません!」とかわし、最後は再びマシントレインで控え室に戻っていった。

松永は引退記念試合で齋藤に完敗

 セミファイナルでは、松永の引退記念試合が中京高等学校(現・中京大学附属中京高等学校)、中京大学と同期だった齋藤彰俊を対戦相手に行なわれた。
 サーベルは持参しないものの、鬼気迫る表情で静かに入場してきた松永は、互いのルーツである空手の蹴り合いを彰俊相手に仕掛けていく。観客も静まりかえって見守る中、最初にダウンを奪った彰俊は「立て、松永!」と激を飛ばして松永に奮起を促す。それに応えるように松永も正拳などで反撃するが、彰俊は滞空時間の長いブレーンバスターで松永の動きを止める。ここで松永はついに凶器攻撃を繰り出し始めるが、彰俊はそれをレフェリーにアピールする事なくすべて受けきってみせる。

 一度は凶器を手放してしまったものの、次にフォークを取り出した松永だったが、ジャーマンスープレックス2連発から最後は彰俊の強烈なスイクル・デス1発で完ぺきな3カウントを奪われた。
 試合後にマイクを取った彰俊はノアマットでこの試合が実現できた事への感謝の言葉を述べ、松永も「デスマッチでもう一回……はないです。ありがとうございました」とファンに感謝した。

小橋が剛碗ラリアットで菊地に勝利

 第2試合では「BURNING 3WAY」として小橋建太、本田多聞、菊地毅による3WAYマッチが行なわれた。バーニングの名の通り開始早々から熱い気持ちをぶつけ合う小橋、菊地に対し傍観者のように試合を見守ろうとする本多と、ある意味予想通りに試合は展開していく。しかし、そんな本多を2人が見逃すはずもなく、熱い戦いの輪に引き込もうとするが、試合形式の妙もあり、どこかユーモラスな空気を感じさせるものとなった。
 それでも小橋が本多をコーナーに詰めてのマシンガンチョップや本多、小橋による合体ブレーンバスター“摩周”などで観客を沸かせ、最後は小橋のショートレンジ剛碗ラリアットからの体固めで菊地から3カウントを奪った。

 ある意味“禁断の対決”と言える鈴木鼓太郎対ムシキング・テリーの一戦は、開始からスピーディーな展開で観客を沸かせていたが、試合途中に第1試合での金丸との誤爆から鼓太郎との乱闘になった小川良成が試合に介入し、ここでペースはテリーのものとなる。しかし、ここからの流れでアクシデントが発生。鼓太郎の左ヒザの負傷から試合はレフェリーストップという不完全燃焼の結果となってしまった。

 また、今回は「I miss you」というサブタイトルが付けられたが、これは今年亡くなられた三沢光晴さん、ハーリー・レイス氏の夫人であるBJさん、メキシコマットのスペル・エストレージャであるアビスモ・ネグロさんへの想いを込めてのもの。会場ロビーには3人の顔写真をタペストリー風にした祭壇も用意されていた。

■丸藤正道プロデュース興行「不知火 為虎添翼 〜添ノ巻 I miss you〜」
12月23日(水)東京・ディファ有明 試合開始15:00

<メーンイベント 「ノアvsマシン軍」タッグマッチ 60分1本勝負>
丸藤正道、●青木篤志
(13分28秒、魔神風車固め)
スーパー・ストロング・マシン(新日本プロレス)、○スーパー“S”マシン

<セミファイナル 松永光弘引退記念試合 時間無制限1本勝負>
○齋藤彰俊
(10分24秒、スイクルデス→片エビ固め)
●松永光弘

<第5試合 「Who are you?」シングルマッチ 30分1本勝負>
●鈴木鼓太郎
(8分40秒、レフェリーストップ)
○ムシキング・テリー

<第4試合 「ヘビー級バトルロイヤル+1」(11人参加) 時間無制限>
○森嶋 猛
(9分23秒、森嶋のバックドロップからの体固めで平柳が敗退)
●平柳玄藩
※参加選手(脱落順):川畑輝鎮、田上 明、佐野巧真、泉田純至、力皇 猛、モハメド ヨネ(同時)、潮崎 豪、谷口周平、志賀賢太郎、平柳玄藩

<第3試合 「師弟対決」 シングルマッチ 30分1本勝負>
○秋山 準
(12分22秒、エクスプロイダー→体固め)
●橋 誠

<第2試合 「BURNING 3WAY」 時間無制限1本勝負>
○小橋建太、本田多聞、●菊地 毅
(12分11秒、ショートレンジ剛腕ラリアット→体固め)

<第1試合 「オープニングマッチ」タッグマッチ 30分1本勝負>
小川良成、●金丸義信
(12分33秒、小川のラリアット誤爆→エビ固め)
石森太二、○リッキー・マルビン
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