プジョル「バルサの威信と歴史にかけても優勝を」=FIFAクラブワールドカップ UAE 2009

バルセロナに世界一のトロフィーをもたらしたいと話すプジョル 【Getty Images】

 3年前のFIFAクラブワールドカップ(W杯)で、プジョルは主将として世界一に挑み、そして敗れた。あれからチームはロナウジーニョが移籍するなど大きく様変わりしたが、“カタルーニャの魂”といわれるプジョルは、闘志を前面に出したプレーでチームを牽引(けんいん)する存在であり続けている。

 昨季、圧倒的な強さで欧州の頂点に上り詰めたバルセロナは3年前よりも高いレベルにある。美しいパスサッカーは今季も健在で、新加入のスウェーデン代表FWイブラヒモビッチ、そしてスペイン代表にも選ばれたDFピケが定位置を確保したことで、弱点だった高さも克服し、ますますすきのないチームになった。
 頼もしいチームメートを得て臨む2度目のクラブW杯。プジョルがバルセロナの主将として初めて世界一の優勝トロフィーを掲げる日は、間近に迫っている。

今回は同じ過ちを繰り返さないように

――12月9日にクラブW杯がUAEで開幕する。バルセロナはこの大会をどのように位置づけている?

 僕らにとって、この大会は大きなチャレンジになると思う。クラブW杯で優勝することは、世界一のクラブチームだということを意味するからね。それに、110年ものクラブ史の中で、この大会のトロフィーだけはバルサ博物館のガラスケースに飾られていないんだ。今度こそ逃すわけにはいかないよ。バルサの威信と歴史にかけても、今回はクラブW杯で優勝しなければならない。

――クラブW杯はCLと同等の価値があると思っている?

 2つは別物だ。CLは伝統があり、ヨーロッパ大陸では最高峰の大会の象徴と言える。一方のクラブW杯は、フォーマットが新しくなった最近になって権威が上がったと思う(2005年より、欧州王者と南米王者が戦うトヨタカップから各大陸の王者が集う大会に変更した)。僕らにとってはクラブW杯も重要な大会だし、バルサのカレンダーには試合日に赤いマークがつけてあるんだよ。

――バルセロナは日本で行われた06年大会に参加し、大方の予想に反して決勝でインテルナシオナルに敗れたよね

 僕らも負けるとは思っていなかった。この時は、準決勝でメキシコのクラブアメリカに4−0と快勝し、とてもいい試合をした後だったから、なおさら負けることなんて想像していなかったんだ。その後、国内リーグなどでチームが調子を落としたこともあり、ハードスケジュールや長距離移動が批判されたりもした。だから今回はそうした過ちを繰り返さないようにしたいんだ。

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著者プロフィール

アルゼンチン出身。1982年より記者として活動を始め、89年にブエノス・アイレス大学社会科学学部を卒業。99年には、バルセロナ大学でスポーツ社会学の博士号を取得した。著作に“El Negocio Del Futbol(フットボールビジネス)”、“Maradona - Rebelde Con Causa(マラドーナ、理由ある反抗)”、“El Deporte de Informar(情報伝達としてのスポーツ)”がある。ワールドカップは86年のメキシコ大会を皮切りに、以後すべての大会を取材。現在は、フリーのジャーナリストとして『スポーツナビ』のほか、独誌『キッカー』、アルゼンチン紙『ジョルナーダ』、デンマークのサッカー専門誌『ティップスブラーデット』、スウェーデン紙『アフトンブラーデット』、マドリーDPA(ドイツ通信社)、日本の『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿

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