三沢さん追悼興行に超満員6400人=ノア

高木裕美

金丸&鼓太郎が邪道&外道に快勝

邪道(左から2人目)がジョー樋口氏(同3人目)から認定書を取り上げる暴挙を働くが、金丸組がGHCジュニアタッグ王座防衛に成功 【スポーツナビ】

 GHCジュニア・ヘビー級タッグ選手権試合では王者組の金丸義信&鈴木鼓太郎組が新日本プロレスの邪道&外道を倒しV5に成功した。
 金丸と邪道&外道の初遭遇は11年前の98年。当時、全日本所属だった金丸とFMW所属だった邪道&外道がタッグで対戦したのをきっかけに、金丸は「甲州街道」(山梨県出身のため)と名づけられてチーム・ノーリスペクト入りするも、その後は敵対関係に陥った。
 00年にはWEWタッグ、02年にはIWGPジュニアタッグ王座をかけて抗争を展開し、いずれも金丸&パートナー組が勝利。しかし、今年8.30後楽園ホールで行われた邪道&外道のデビュー20周年記念大会に金丸が平柳玄藩と乗り込んで敗れたことから、今回のタイトルマッチでの“リベンジ戦”が決定した。

 ラフファイトを得意とする挑戦者組は、まずは試合開始前にジョー樋口タイトル管理委員長の持つ認定証を破り捨てるという暴挙を働き、一気に会場中の観客を敵に回すと、その後も乱入や凶器攻撃といった反則技を駆使し、金丸を顔面大流血に追い込むが、「三沢さんの追悼興行で負けられない」と奮起する王者組にトドメをさせず。邪道のクロスフェースオブJADO、外道のスーパーフライも飛び出したが、逃げられたりブロックされたりで決定打とはならず、逆に外道が金丸のディープインパクト、タッチアウトという必殺技攻勢に沈んだ。

 またしても邪道&外道の王座戴冠を阻止した金丸だが、「今回は鼓太郎に8月の平柳の尻ぬぐいをしてもらっただけ。まだまだ戦いは終わらない」と今後も抗争継続を決意。一方、鼓太郎は「次はシングルも視野に入れたい」と、10.15後楽園で開幕する次期シリーズで行われるジュニアヘビー級リーグ戦に意識を向けた。

“帝王”高山が「ノーフィアー」ぶりを証明

高山(左)vs.杉浦は実力伯仲の接戦に。高山がエベレストジャーマンで辛勝 【スポーツナビ】

 前三冠ヘビー級王者の高山善廣と、杉浦貴による注目の一騎打ちは、10分弱という短い時間ながら密度の濃い戦いが繰り広げられた末に、高山がエベレストジャーマンで圧勝。しかし、7月に新日本のIWGPヘビー級王座初挑戦を果たし、8月の「G1クライマックス」でもベスト4入りするなど、いまやジュニアヘビー級の枠を完全に飛び越えて活躍する杉浦の実力に帝王も舌を巻いた。

 07年4.28武道館では一緒にタッグを組んで秋山&力皇組のGHCタッグ王座にも挑戦したことがある両者だが、シングルでの対戦は昨年12.23クリスマス興行のみ。この時はわずか2分32秒、高山が丸め込みで3カウントを奪っている。

 体格でハンディを背負う杉浦は、ゴングと同時に高山にビッグブーツ一閃。この一撃で火がついた両者は、エルボー、ヒザ蹴り、顔面パンチなど、激しい打撃戦を展開。杉浦がオリンピック予選スラムで高山を脳天から真っ逆さまに突き落とす場面もあったものの、高山がバックドロップ、ヒザ蹴り、エベレストジャーマンとたたみかけて粘る高山を突き放した。

 試合後、高山は「スギを格下とは思ってなかったけど、三冠からも転落して、スギにも負けたらと思うと怖かった。ノーフィアーなのにね」と、素直にかつてのタッグパートナーの成長ぶりを認めた。

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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