三沢さん追悼興行に超満員17000人が集結=ノア

高木裕美

天龍が三沢さんゆかりの選手とトリオ結成

天龍(右)が久々にノアマット上陸。健介らと激しいファイトを繰り広げた 【t.SAKUMA・前島康人】

 三沢さんの全日時代の先輩であり、兄のように慕われていた天龍源一郎が約4年ぶりにノア参戦。10年間に渡り三沢さんのタッグパートナーであり、かつての天龍同盟の一員であった小川良成、三沢さんの付き人を最も長く務めた鈴木鼓太郎と、追悼興行ならではのチームを結成した。

 対戦相手は新GHCタッグ王者となったばかりの佐々木健介&森嶋猛に中嶋勝彦を加えた今もっとも勢いのあるトリオ。しかし、天龍は逆水平チョップ、グーパンチと還暦目前とは思えない力強いファイトを見せ、健介とのチョップ合戦でも必死に痛みに耐え抜くが、鼓太郎が森嶋のバックドロップに沈んで白星奪取とはならなかった。

 三沢さんの死後、ノーコメントを貫いていた天龍は、この日も多くを語ることはなく控室へ直行。心の内で故人を悼んだ。

秋山とみのるのちぐはぐ初タッグが勝利

秋山(左)とみのるは、やはり水と油か… 【t.SAKUMA・前島康人】

 約2年8カ月ぶりのノア参戦となる鈴木みのるは、秋山準と初タッグを結成して(もう1人は杉浦貴)、力皇猛&モハメド ヨネ&KENTA組と対戦した。

 現在は全日本でGURENTAIを結成しているみのるだが、かつてはノアにレギュラー参戦し、三沢さんとも対戦。しかし、もっとも激しく対立したのが秋山だった。両者は06年3.5武道館ではGHC王座をめぐって対戦。GHC戦史上に残る200発もの壮絶なビンタ合戦を繰り広げ、客席を凍りつかせた。

 あれから3年半経った今も水と油の関係にあるみのると秋山は、同じコーナーに立っていてもやはり混じり合わず。連係攻撃はおろかタッグマッチには欠かせないタッチワークすらも互いに拒否したため、中立の立場である杉浦にタッチが集中したり、対戦相手に触ってタッチ代わりにしたり、勝手にリングに上がって攻撃相手を奪ったりと、互いの自我を爆発させまくったものの、杉浦が力皇をアンクルホールドで仕留めたことで、何とかチームの勝利は手に入れたものの、結局、ほとんどタッグチームとしては成立せず。

 リング上ではみのるが秋山の胸を、バックステージでは秋山がみのるの背中をポンと叩く場面も見られたが、みのるは「これが俺の追悼のカタチだ。そうでなけりゃ秋山となんか組む訳ないだろうが(笑)。殴る以外で触りたくないんだもん」と、あくまで三沢さんのためのみのる流サービスであったことを強調した。

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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