アポロ55が防衛V2、IWGP初のタッグ2階級制覇を宣言=新日本プロレス

高木裕美

アポロ55が防衛V2! IWGP史上初となるタッグ2階級制覇をブチ上げた 【t.SAKUMA・前島康人】

 新日本プロレス「Circuit2009 NEW JAPAN GENERATION」開幕第2戦となる13日の東京・後楽園ホール大会では超満員となる2000人を動員した。

 メーンイベントではIWGP Jr.タッグ王者のApollo 55こと田口隆祐、プリンス・デヴィット組が、前王者のモーターシティ・マシンガンズことクリス・セイビン、アレックス・シェリー組を退けV2に成功。試合後は現在TNAのブリティッシュ・インベーション(ダグ・ウィリアムス&ブルータス・マグナム)の元へ流出しているIWGPタッグ王座の奪回に名乗りをあげ、IWGP史上初のタッグ2階級制覇をブチ上げた。

「宇宙規模」のタッグチームへ、ヘビー級タッグ王座奪回だ

アポロ55は会場の空間を利用したスケールの大きな攻撃を連発! 【t.SAKUMA・前島康人】

 両チームは7.5後楽園でベルトをかけて対戦。当時は王者と挑戦者の立場が逆だったが、デヴィットがシェリーを21分34秒、新型プリンスズスロウンで破り王座奪取に成功。今回は2カ月ぶりの再戦となった。
 抜群のチームワークを誇る両チームは、これまで見たことがないような連係&合体技のオンパレードで、ノンストップのハイスピードバトルを展開。鉄柵越えのダイブなど、リング上だけではなく会場の空間を利用したスケールの大きな攻防が繰り広げられる中、20分過ぎに前王者組がついに必殺技のメイド・イン・デトロイトを田口に炸裂。これはデヴィットのカットが間に合うも、なおもセイビンのクレイドルショックが飛び出すが、王者組はこのピンチを乗り切り、逆に合体技のブラックホールバケーション(田口のどどん&デヴィットのプリンスズスロウン)をセイビンにヒット。続けて田口がどどんでトドメをさし、見事返り討ちに成功した。

 リング上で勝利のタグダンスを踊り、喜びを爆発させた田口とデヴィットは、「宇宙規模のタッグチーム」を意味するタッグ名に恥じないよう、スケールの大きな目標を発表した。
 IWGPジュニアタッグ王者として他のチームからの挑戦を受けて立つことを宣言すると、さらには今年1.4東京ドームでTNAのチーム3D(ブラザー・レイ&ブラザー・ディーボン)に奪われ、現在はブリティッシュ・インベーションに移動しているIWGPタッグ王座の奪回を予告。「アポロ55は新日本で一番強いタッグチーム。新日本のベルトは自分たちの手で獲り返すよ」と、史上初のIWGPタッグ2階級同時制覇へ向けアクションを起こした。

夏男・真壁が「お坊ちゃま」中邑組を一蹴

IWGPヘビー級王座前哨戦は真壁が快勝! 中邑を「お坊っちゃま」呼ばわりだ 【t.SAKUMA・前島康人】

 27日の兵庫・神戸ワールド記念ホール大会で行われるIWGPヘビー級王座決定戦の前哨戦では、真壁刀義が中邑真輔組から勝利。8.16両国国技館で行われた「G1クライマックス」決勝戦で中邑を倒して初優勝を達成した勢いそのままに、IWGP王座初戴冠へ走り出した。
 前王者の棚橋弘至が長期欠場のために王座返上したことから、神戸での再戦が決定。今シリーズでは全戦で前哨戦が組まれており、前日の千葉・東金大会でもタッグ激突していた。

 中邑を倒して手に入れたG1の優勝旗&優勝トロフィーを手に登場した真壁は、「夏男」の勢いそのままに中邑組を圧倒。開始早々こそ中邑にスカされたが、タックルで中邑を吹っ飛ばすと、CHAOSのラフファイトにもひるむことなくチャンスをうかがい、いざレフェリー不在となったスキにアイアンフィンガーフロムヘルを持ち出した飯塚高史にチェーンラリアット。さらにダイビングキングコングニードロップで勝利を収めた。

 勢いに乗る真壁は試合後のコメントでも男のフェロモン満開の真壁節を炸裂させ、「絶好調だよ」とニヤリ。「お坊ちゃまがお高いところから何ぬかしてるんだよ。お前のタワごとなんか誰も届きはしないんだよ、オレにも届かなければ客にも届かないんだよ!」と、エリートの中邑をお坊ちゃま呼ばわりして雑草の意地を爆発させた。

邪道、外道がGHCJrタッグ王座挑戦へ

田中(左)とのトリオで快勝を飾った邪道(右)はGHCジュニアタッグ挑戦を受諾 【t.SAKUMA・前島康人】

 前日のプロレスリング・ノア後楽園大会で、GHCジュニアタッグ王者の金丸義信、鈴木鼓太郎組から次期挑戦者に逆指名された邪道・外道が挑戦を受諾した。
 邪道と外道は自分達のデビュー20周年記念興行となった8.30後楽園大会で金丸、平柳玄藩組を迎撃し、23分29秒、邪道がクロスフェースオブJADOで平柳を料理。しかし、収まりのつかない金丸は、V4に成功した直後のインタビューでリング上から「憎たらしいジジイ2人」の邪道、外道を次期挑戦者に指名し、リベンジを願い出た。

 第5試合に田中将斗とのコンプリート・プレイヤーズで出撃した邪道、外道は、試合前の奇襲攻撃でまずはミラノコレクションA.T.の右目を破壊。2対3の状況に持ち込むと、その後も後藤洋央紀組を相手に圧倒的な力の差を見せつけ、復活したミラノを邪道がクロスフェ−スオブJADOで返り討ち。タッグチームとしての力の差を見せ付けた。

 試合後、「世界最高のジュニアタッグ、オレらしかいねぇに決まってんだろう」と金丸組の逆指名を二つ返事で受け入れた邪道は「オレたちを選んだらいきなりベルトを獲られちまうぞ。いいのか?」と逆に疑問を投げかけると、外道も「いきなり指名する相手がグレイテスト・タッグチームだ。頭使え、バカ野郎!」と王者組をコキおろし、金丸組のV5失敗&自分たちの王座奪取を予言した。

TAJIRIが本間を3秒殺

 大日本プロレス時代から因縁を引きずる本間朋晃vs.TAJIRIの一戦は、わずか3秒でTAJIRIがフォール勝ちを収めた。

 96年から98年まで大日本に在籍していたTAJIRIに対し、本間は97年に大日本に入門。接点としてはごくわずかな期間であり、その後はそれぞれまったく別の道を歩んでいた2人が、奇遇にも新日本マットで再会。対戦が決定するや、マスコミを通じて舌戦を繰り広げ、TAJIRIはボイコットまでをも匂わせていた。

 そして迎えた決戦の日。TAJIRIはテーマ曲が鳴っても姿を見せず、本当にボイコットなのかという不穏な空気が漂う中、逆コーナーから姿を現したTAJIRIは本間の背後から奇襲し、グリーンミストを顔面に噴射。さらにバズソーキックでダウンさせ、そのままフォールに入った。これを見たレフェリーが試合開始のゴングを要請した直後にカウントを叩き始めると、あっさりと3つ入って試合終了。わずか3秒、3カウントでの決着となった。

 ピンフォールでは物理上最短タイムで勝利を収めたTAJIRIは、マイクを握ると現在欠場中の前IWGPヘビー級王者・棚橋弘至の名前を連呼。8.13名古屋で自分が棚橋からピンフォールを奪った実績をタテに、新日ファンの神経を逆なでしまくった挙げ句、「棚橋に勝った自分がエース」との理論から、名古屋大会と同じように、棚橋の決めゼリフをマネして「愛してまーす」と絶叫。第2試合で早くも“中締め”してしまった。
 試合後、本間の存在を一蹴したTAJIRIは改めて棚橋という存在、そして棚橋が巻いていたベルトへの未練を明かし、「100キロ未満のクルーザー級でIWGPヘビー級のベルトを巻いてみたい」と野心を吐露。さらに、「ハッスルのファンを増やす」というもうひとつの野望実現をもアピールした。
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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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