6連覇狙う東洋大に亜大が迫る 青学大、中大もチャンスあり=東都大学野球・秋季リーグ見どころ

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投打のバランスがいい東洋大、打線に破壊力がある亜大

春季リーグ戦を制し、5連覇を達成した東洋大。高橋昭雄監督を6季連続で胴上げできるか 【写真は共同】

 今春、戦後初の5連覇を達成した東洋大は、投打にバランスの取れた盤石の戦力が整った。投手陣は大学日本代表の常連になりつつある乾真大(3年=東洋大姫路高)、藤岡貴裕(2年=桐生第一高)の両左腕が先発、春のMVP・鹿沼圭佑(3年=桐生第一高)、スリークウオーターから140キロ後半の直球を投げ込む内山拓哉(2年=浦和学院高)がリリーフと充実している。
 打っては巧打と一発を兼ね備えた林崎遼(東洋大姫路高)、坂井貴文(春日部共栄高)の3年生コンビが頼もしい。さらに春の首位打者・小島脩平(4年=桐生第一高)、日本代表にも選ばれた正捕手・佐藤貴穂(3年=春日部共栄高)らが上位から下位まで穴のない打線を形成。秋に狙うは、もちろん戦前の専大に並ぶ6連覇だ。

 打倒・東洋大の一番手と目されるのが春3位の亜大。7月の日米大学野球日本代表でも中軸を務めた中田亮二(4年=明徳義塾高)、中原恵司(4年=武蔵工大二高)、さらに春のリーグ戦で最終戦最終打席まで小島と首位打者を争った加嶋健志郎(3年=新田高)らが中心の打線は破壊力十分で、相手投手にとっては脅威となる。
 春の課題だった“エース不在”も怪物ルーキー・東浜巨(1年=沖縄尚学高)の活躍で一気に解決。デビューから4連続完投勝利で4勝を挙げ、ベストナインにも輝いた右腕が、秋も亜大投手陣の中心となりそうだ。

頂点を狙える戦力の青学大、投手力が光る中大

怪物ルーキー・東浜は秋も亜大投手陣の中心となれるか 【写真は共同】

“2強”を追うのは春2位の青学大と同4位の中大だ。 
 青学大は父・和典さん(巨人打撃コーチ)譲りのセンスでヒットを積み重ねた篠塚宣政(2年=桐蔭学園高)がレギュラーに定着。主戦の左腕・垣ヶ原達也(2年=帝京高)も先発として完全に1本立ちし、154キロ右腕・山室公志郎(4年=桐光学園高)も2勝を挙げるなど、春は順位以上に実りのあるシーズンとなった。中軸の長島一成(4年=修徳高)、小池翔大(3年=常総学院高)らの奮闘が優勝争いに食い込めるかどうかのカギになる。

 中大はエース・澤村拓一(3年=佐野日大高)が頼もしい。150キロを超える力のあるストレートを武器に春は3勝。大学日本代表にも選ばれ、さらに自信をつけた。2番手の山崎雄飛(3年=芝浦工大高)も春は防御率0.98と安定した投球を見せただけに、「3戦目をあいつでいければ理想的」と高橋善正監督が春のリーグ戦中に話した渡邊洋平(2年=日大東北高)に期待がかかる。その投手陣を1年生ながら1番に定着した西銘生悟(沖縄尚学高)、春3本塁打の井上晴哉(2年=崇徳高)、大型捕手として注目の鮫島哲新(3年=鹿児島工高)ら打線がどれだけ援護できるか。

打力が課題の国学大、経験が武器の立正大

 国学大は春にチーム打率1割3分9厘と打線に元気がなかった。犠打数32はリーグ1位と堅実な攻撃を見せているだけに、リードオフマン・渡邉貴美男(3年=文星芸大付高)の出塁率アップが得点力向上につながりそうだ。
 投手陣では1年時に日米大学野球MVPに輝いた村松伸哉(3年=光星学院高)がキーマンだ。150キロを超える直球が復活するか。さらに左の技巧派・高木京介(2年=星稜高)、リリーフで活躍した奥村和久(3年=旭川大高)、埜口卓哉(3年=つくば秀英高)と駒がそろっている。

 屈辱の最下位で春を終えた立正大は、出場経験豊富な野手陣がそろう。1番を打つ黒葛原祥(4年=横浜高)、中軸の神野達哉(4年=埼玉栄高)、近藤亮介(4年=大宮西高)らが集大成を見せる。速球派右腕のエース・南昌輝(3年=県和歌山商高)、変則左腕の小石博孝(4年=鶴崎工高)、抑えの切り札・菅井聡(4年=中央学院高)と投手陣は豊富。専大と戦った入れ替え戦では接戦をものにして2連勝と勝負強さも見せただけに、実力を発揮できれば台風の目になる可能性も十分だ。

<了>
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