全米プロに挑む石川遼、三度目の正直なるか!?=ゴルフ
全米プロでは、マスターズ、全英オープンでの経験を生かして、初の予選突破となるか 【写真/宮本 卓】
その経験によって一回りも二回りも成長した。そして、現地時間13日に開幕する今季最後のメジャー・全米プロゴルフ選手権(〜16日/ヘーゼルティン・ナショナルGC)に挑む。
目標を結果に変えてきた石川
石川が小学校の卒業文集に書いた「将来の自分」。「8年後……、20歳、マスターズ優勝」と書いている 【写真/ケーアイ企画】
「4年後、高校1年生、プロのトーナメントに勝つ」
と、書き記した石川少年。
4年後、15歳の高校1年生となったとき、初めて出場したプロのトーナメント、日本男子ゴルフツアーのマンシングウェアオープンKSBカップで史上最年少優勝を成し遂げた。
さらにその続きには、
「8年後、マスターズ優勝」
と記されている。
16歳でプロに転向して、2年目。17歳となった石川は、マスターズから招待され、夢の舞台に立った。
結果は、残念ながら予選落ちとなったが、帰国後、石川はこう振り返った。
「悔しい。だから、もっとうまくなろうという気持ちになれる。マスターズに出場できたことで、ほかのメジャーも夢ではなくなった。またメジャーの舞台に立ちたいという目標になった。目標になれば、時間を無駄にせずに頑張ることができるんだ」
その気持ちを持続させて、全英オープンの最終予選を兼ねたミズノオープンよみうりクラシックで優勝し、本大会の出場権を自力で獲得。さらにその全英オープンの経験が、7月のサン・クロレラクラシックでの優勝につながった。これらの大舞台が石川遼を成長させ、2つの“国内優勝”として結実したのだ。
全米プロでは攻守の切り替えがカギ
キムとは、マスターズの予選ラウンドで一緒に回った。
「どんなホールでもバーディを狙う気持ちが強かった」
ポスト“タイガー・ウッズ”の1人として注目を集めるキムはマスターズの2日目に、11バーディというそれまでの記録を更新する歴史的なプレーで、予選を通過した。
今大会では、「ドライバーを1ヤードでも飛ばして行きたい」と意気込む石川と、キムとのバーディ合戦にも注目が集まる。
さらに、今回の全米プロのコース、ヘーゼルティン・ナショナルGCは、全長が7674ヤードという長さに加えて、ラフは芝が粘り強く、手ごわいといわれている。
「ラフに入ったときは、(攻めの姿勢から切り替えて)安全に真横に出すことも考えている」。
全英オープンで学んだ「守りのゴルフの大切さ」をここで実践するつもりだ。
今季参戦したメジャー、マスターズと全英オープン。初日はそれぞれ51位タイ、21位タイと善戦をしている。「攻守の切り替え」を2日目までうまくやり遂げることができれば、3度目のメジャー挑戦で目標としている初の予選通過、さらには上位進出も見えてくるだろう。
<了>
プロゴルファー 石川遼 夢をかなえる道 急がば回るな
出版社 発行所=学習研究社
著者=井上兼行
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