ZERO1田中が棚橋を急襲 G1へ殴り込み=新日本プロレス

高木裕美

王者・棚橋を急襲したZERO1田中がG1参戦をアピール 【スポーツナビ】

 新日本プロレス「NEW JAPAN SOUL」開幕戦となる5日の後楽園ホール大会では、超満員となる2000人を動員した。
 世界ヘビー級王者・田中将斗(ZERO1)がIWGPヘビー級王者・棚橋弘至を急襲。真夏の祭典「G1クライマックス」(8.7広島サンプラザ開幕)出場へ殴り込みをかけた。

 事件が起きたのはセミファイナル。棚橋はIWGPJr.ヘビー級王者のタイガーマスクとチャンピオンタッグを結成し、井上亘&金本浩二組と対戦。20日の札幌・月寒アルファコートドーム大会でのIWGPJr.ヘビー級王座戦に向け、王者・タイガーと挑戦者・金本の前哨対決が熱を帯びる中、棚橋も井上のスピアーをリープフロッグでかわし、スリングブレイド。フィニッシュはハイフライフローで仕留め、札幌で迎えるプロレスリング・ノアの杉浦貴との初防衛戦に向け絶好調ぶりをアピールした。

 6.20大阪府立体育会館でIWGP王者に返り咲いた棚橋の凱旋を笑顔で祝福する観客にもみくちゃにされながら、花道を笑顔で引き揚げようとした棚橋だが、突如リング上に邪道、外道が現れ、棚橋を呼び止めると、「オレたちのダチに、おまえを3分あればぶちのめすってヤツがいる」と挑発。リング上に戻った棚橋は「100年に1人の逸材、完璧な4タイムスチャンピオンのオレに言ってるのか」と、自らの鍛え上げられた筋肉を誇示して余裕を見せ付けるが、そこに現れたのが邪道、外道の「コンプリートプレイヤーズ」の盟友である田中。田中は棚橋の背後から忍び寄ると、いきなり奇襲のエルボー。思わず尻餅をついた棚橋に必殺技のスライディングDを食らわせ、IWGP王者を完全KOした。

 してやったりの外道は「田中をG1に送り込んでやってもいいんだぞ」と宣戦布告。この日の休憩中にG1出場選手12人が発表されたが、現在未定となっている2つの他団体枠の1つに田中をブチ込み、新日本のトップ戦線をかき回すことを予告してみせた。
 一方、セコンドの肩を借り、王者とは思えないボロボロになった姿で花道を引き上げた棚橋は「ざけんなこのヤロー! やってやるぞ、このヤロー」と絶叫。いつもの“チャラ男”モードをかなぐり捨ててリベンジを誓った。

田口&プリンス組がモーターシティ・マシンガンズ撃破

TNAに流出していた至宝IWGPジュニアタッグを奪回したapollo55 【スポーツナビ】

 メーンイベントで行われたIWGPJr.タッグ選手権試合では、apollo55(田口隆祐、プリンス・デヴィット)が2度目の挑戦にして王者組のモーターシティ・マシンガンズ(クリス・セイビン、アレックス・シェリー)に勝利。1.4東京ドームでTNAに流出したベルトを半年ぶりに新日本に奪還した。
 apollo55は4.5両国国技館で王者組に挑戦。あと一歩まで迫ったものの、デヴィットが王者組の合体技メイド・イン・デトロイトに力尽きた。あれから3カ月。ユニオーネ(ミラノコレクションA.T.&タイチ)との挑戦者決定戦を制して再び王座挑戦のチャンスをつかんだapollo55は、超満員の観客の圧倒的な声援を受けてリングに上がった。

 抜群のチームワークで多彩な連係&合体攻撃を繰り出す王者組に対し、挑戦者組はデヴィットがローンバトルを強いられる苦しい展開に。しかし、apollo55は前回のフィニッシュ技となったメイド・イン・デトロイトを徹底的に阻止すると、同時にデスバレーボムを繰り出して王者組の動きを止め、合体技のブラックホールバケーション(田口のどどん&デヴィットのプリンスズスロウン)からデヴィットの新型プリンスズスロウンでシェリーに勝利。熱狂する観客の声援に応えるように、デヴィットは「新日本、イチバーン」と指を天に突き上げた。
 世界最高峰の実力を誇る王者組を倒した田口は「世界規模じゃなくて宇宙規模の防衛戦を」と、チーム名に負けないスケールの大きな防衛ロードを予告した。

後藤がノア侵攻をアピール

ノア出撃をアピールした後藤 【スポーツナビ】

 6.20大阪府立体育会館でノアの杉浦貴に敗れた後藤洋央紀は岡田かずちかと一騎打ち。大阪ではGHCヘビー級王者の潮崎豪を相手に一歩も引かないファイトを繰り広げるなど、急成長を遂げるヤングライオンの攻撃をしっかりと受け止めつつ、ラリアットからの昇天・改でマットに沈めた。
 昨年はG1初出場・初優勝という偉業を達成しながら、杉浦に敗れ、ノア勢のIWGP王座初挑戦につながる“踏み台”にされた後藤は「杉浦に負けて止まってるわけにはいかない。何ならオレと岡田がノアに殴り込みをかけてもいい」と、リベンジに向けノア侵攻を予告した。

ワイルドチャイルドがIWGPタッグ王座獲りへ

王座陥落・中西はワイルド・チャイルドでIWGPタッグ挑戦に意欲 【スポーツナビ】

 何度も紆余曲折を経ながら再始動したワイルド・チャイルド(中西学&大森隆男)が、バッド・インテンションズ(ジャイアント・バーナード&カール・アンダーソン)とのパワー対決に快勝。中西がバーナードの巨体をアルゼンチンバックブリーカーで持ち上げれば、大森も気迫のこもったアックスボンバーを炸裂。中西が大☆ジャーマンでアンダーソンに勝利した。
 IWGPヘビー級王座からわずか1カ月半で転落した中西は「今シリーズ、暴れまくるで」と、大森と共にタッグ戦線を荒らしまわることをアピール。TNAのチーム3D(ブラザー・レイ、ブラザー・ディーボン)の元へ流出したままのIWGPタッグ王座奪還を訴えた。

■新日本プロレス「Circuit2009 NEW JAPAN SOUL」
7月5日(日)東京・後楽園ホール 観衆:2000人(超満員)

<第8試合 IWGP Jr.タッグ選手権試合 60分1本勝負>
[王者組]●アレックス・シェリー、クリス・セイビン
(21分34秒 新型プリンスズスロウン→エビ固め)
[挑戦者組]○プリンス・デヴィット、田口隆祐
※挑戦者組が第24代王者となる

<第7試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
○棚橋弘至、タイガーマスク
(12分54秒 ハイフライフロー→片エビ固め)
●井上亘、金本浩二

<第6試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
○天山広吉、真壁刀義
(11分43秒 レフェリー暴行→反則)
●飯塚高史、中邑真輔

<第5試合 シングルマッチ 30分1本勝負>
○永田裕志
(13分02秒 バックドロップホールド)
●石井智宏

<第4試合 タッグマッチ 20分1本勝負>
○中西学、大森隆男
(7分03秒 大☆中西ジャーマン)
●“ザ・マシンガン”カール・アンダーソン、ジャイアント・バーナード

<第3試合 シングルマッチ 20分1本勝負>
○後藤洋央紀
(7分34秒 昇天・改→片エビ固め)
●岡田かずちか

<第2試合 シングルマッチ 20分1本勝負>
○本間朋晃
(5分44秒 ダイビングヘッドバット→片エビ固め)
●矢野通

<第1試合 タッグマッチ 20分1本勝負>
○ミラノコレクションA.T.、タイチ
(11分33秒 首固め)
●AKIRA、獣神サンダー・ライガー
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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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