新生植田ジャパン、“真の復活”へのスタート=バレーボール
“真の復活”へ向け、全日本男子の戦いが始まる 【Photo:築田純/アフロスポーツ】
昨夏の北京五輪では5戦全敗と結果を出せずに終わったが、新たなチームとしてロンドン五輪出場を目指す日本代表にとって、今年のワールドリーグの位置付けは――。
引き続き日本代表を率いる植田辰哉監督は「オリンピック後、日本のファンの方々へ男子バレーを見せられる最初の機会。いい戦いをお見せできるよう全力を尽くしたい」と語る。
日本の初戦は、13日のロシア戦。そのほか予選ラウンドで対するのはキューバ、ブルガリアと、すべてが名実ともに世界のトップチームである。果たして、新生ニッポンはどんな戦いを見せることができるのか。
練習後に「3分間スピーチ」を実施
今回の代表メンバーには、主将に任命された宇佐美大輔(パナソニック)をはじめ、越川優(サントリー)、石島雄介(堺)ら北京五輪を経験した選手に加え、Vプレミアリーグ優勝の東レで安定したサーブレシーブ力を発揮した米山裕太、NECの得点源として活躍した前田和樹ら代表初選出組も加わっており、短期間で「個」を「チーム」として形成させるにはコミュニケーションを図ることは不可欠だ。
誰をどう使うのか。13日に初戦を迎えるワールドリーグでは、まずはその布陣に注目したい 【スポーツナビ】
まずはセンターからのクイック打数を上げることを重視し、カウンター時にはオポジットと両レフトを絡めた、3枚のエースが配分よく攻撃を仕掛ける。いたって当たり前のように聞こえるが、これまでは、特にカウンター時はオポジットにトスが偏りがちであったことは否めない。両サイドも、サーブレシーブを主とする守備型と、攻撃型に分けられることが多く、スパイク打数に大きく差が生じることもあった。5月の代表招集後、それぞれに与えられた課題を福澤達哉(パナソニック)はこう明かす。
「パイプとか、時間差など真ん中からの攻撃よりも、レフト、ライトからしっかり速いトスを打つ。サイドからの攻撃を重視した結果、だいぶ、攻撃的なバレーになってきた」
3年間の“正念場”の始まり
とはいえ、今年は2012年のロンドン五輪へ向けた1年目であるとともに、8月には来年の世界選手権出場を懸けたアジア予選も開催される。「育成」と同時に、確実な成果も残さなければならないなか、日本男子バレーが構築すべきスタイルは見いだせるのか。
16年ぶりの余韻に浸る時間はとうに終わった。真の復活へ。これから迎える戦いは、すべて正念場であることを忘れてはならない。
<了>
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