日本代表のロドリゴ新監督「目指すはスペクタクルなフットサル」

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目指すはスペクタクルなフットサル

ロドリゴ監督は「スペクタクルなフットサルを目指す」と熱く語った 【スポーツナビ】

――代表チームを率いる上で、何かコンセプトみたいなものはあるか?

ロドリゴ まず、確固たる意志のある、まとまりのあるチームを作る。そして、「どんなフットサルを展開していくのか」については、観衆を楽しませる、スペクタクルなスタイル、つまり攻撃的なフットサルを目指します。フットサルの最大の魅力でもある「ゴールに近い、いつゴールが決まってもおかしくない」という状況の中で、攻撃を通して見に来てくれたお客さんを楽しませたい。守備に関しては、高い位置で積極的にボールを奪いにいく、そして早いタイミングでゴールを奪う。ポールポゼッションを多くして、なおかつゴールを常に狙っていく。これを基本的なコンセプトにしていきたいです。
 0−0、1−1といったスコアのゲームはフットサルの魅力が出ていません。なるべく多くの点が取れるようなチームを作り上げます。“攻撃は最大の防御”と言いますが、守備時でもゴールにつなげるために積極的に仕掛け、常に攻めの姿勢を見せていきます。

 15年間、毎年スペイン代表と試合をするチームがあります。そのチームはずっと同じスタイルで戦い続けて、ある年は0−5、次の年は0−6、さらに1−4、1−5と毎年負け続けているのですが、わたしがそのチームの監督だったら、とても耐え難いものがあります。チームは改善を積み重ねることで成長するわけで、負けないために「なるべく失点をしないようにする、そのためには、やたらめったらにボールを蹴る」としては、本当の進歩は望めません。理想的なフットサルを掲げることが大切であり、最初はうまくいかなくても、振り返ることで1つのコンセプトを確認して、成長していくべきです。

具体的な目標は、アジア最大の敵であるイランを打倒

――今回の日本代表メンバーの選考基準を教えてほしい

ロドリゴ 新しい出発、新しい目的のためにリフレッシュを図ることが基準となっています。とはいえ、2008年のワールドカップ(W杯)を経験した人も選出されています。彼らが得た経験はチーム内で継承され、尊重されるべきです。それ以外の選手には、チーム内に新しい風を吹き込んでもらいたい。代表メンバーの平均年齢は28歳ぐらいで、代表としては成熟期を迎えている。その意味でも若手に期待しています。
 また、まだ確定されていませんが、U−24日本代表についても考えています。それは次の世代を担う若手の成長のためでもあります。2つの代表を並行させて、またはミックスさせることで成長していければと。具体的な目標は、アジア最大の敵であるイランを打倒することです。

 代表選手に関しては、日本サッカー協会から映像を頂いて知っていますし、スペインでプレーする何人かの選手も見ています。それらの情報を合わせて、今回選考しました。わたしのコンセプトの軸になっているのは、小野(大輔)、木暮(賢一郎)、高橋(健介)。スペイン的な戦術を理解している選手を軸にしたいと思います。
 招集に関しては、複数のクラブから選手を呼びたい。1つのクラブからではありません。そこがポイントです。経済的に安定しているクラブ、今一番強いクラブのための代表ではなく、代表は日本のフットサル界の究極の頂点です。その意味ではFリーグだけではなく、地域リーグにもアンテナを広げて、代表の活動を進めていきます。

――テクニカルスタッフに関して詳しく

ロドリゴ スタッフの選考は非常に大切です。わたしはゴレイロ(GK)専門のコーチが不可欠だと考えています。わたしがスペインから持ってきた大きな荷物の中には、スペイン特産のハムではなく、ゴレイロのトレーニングキットが入っています。そして、いつかはテクニカルスタッフを中心に日本で講習会を開けたらいいと思っています。

――大仁副会長にお聞きしたい。ロドリゴ監督の契約期間、ノルマ、そして前監督はブラジル人だったが、スペイン人にした理由は?

大仁 サッポ前監督でスタートした時は、もっと個人のレベルを上げなければいけないということで、それなりの成果があったと思います。次のステップとして、組織としてレベルを上げなければいけないと。それならスペインの監督と考えていました。
 今回の契約期間は来年の6月までです。とりあえず、来年の5月にAFC(アジアサッカー連盟)フットサル選手権がありますが、2012年のW杯までやってもらいます。W杯出場、そして1次リーグ突破がノルマになると思います。

<了>

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