マツケン兄弟&大矢、それぞれの戦い=卓球世界選手権第3日 男子シングルス

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06年の世界ジュニアチャンピオンである松平健太。今回は格上選手を破りシングルス3回戦に進出した 【Photo:北村大樹/アフロスポーツ】

 昨夏の北京五輪では、“日本のエース”水谷隼(明大)、“職人”岸川聖也(スヴェンソン)、“パワーファイター”韓陽(東京アート)が、卓球男子日本代表として世界の強豪たちと戦った。
 年が変わり2009年、彼ら3人の後を追いかけ、メキメキと力をつけてきた若武者たちが、横浜の地でそれぞれの個性を爆発させ、会場を沸かせた。
 世界選手権第3日、男子シングルス決勝トーナメントには、松平健太(青森山田高)、松平賢二(青森大)、大矢英俊(東京アート)が登場。結果は松平健が3回戦に駒を進めたが、松平賢と大矢は惜しくも2回戦で涙をのんだ。

格上相手におくすることなく戦った松平健

 世界ランク12位のオ・サンウン(韓国)を前に、ゲームカウント2−3と劣勢に立たされた松平健。しかし、「戦術面にすごい気をつけてやりました。あとはただ思い切るだけです」と格上選手に対し、おくすることなく向かって行った。相手のフォアを狙うことで得点が取れると分かると、徹底してフォアサイドを狙い、最後まで粘った。続く2ゲームを連取し、大逆転劇を演じたのだ。
 試合後、「(世界ランク12位の選手との戦いは)チャンスだと思いました。勝ったら、世界ランキングがすごく上がるし、負けても下がらないし、すごくいい機会だと思っていました」とずぶとい神経の持ち主であることを垣間見た。

 松平健の大舞台の強さは、今に始まったことではない。06年の世界ジュニア選手権(エジプト・カイロ)では、男子シングルスで世界チャンピオンとなった。これは日本人選手として27年ぶりの世界タイトルだった。(ちなみに、その前の世界チャンピオンは1979年の小野誠治)
 世界ジュニアチャンピオンの称号を得た松平健は、07年の世界選手権クロアチア・ザグレブ大会に参加。この時も、シングルス1回戦で当時世界ランク22位だったコルベル(チェコ)を破る番狂わせを起こしていた。
 現在世界ランク101位の松平健は、18歳以下のカテゴリーでは08年1月以来、世界1位を守り続けている。

 2度目となる世界選手権個人戦は、「(3回戦では)ただ思い切ってやるだけです。ベスト16以上を目指したい」と力強く語った松平健。その卓越したテクニックと持ち前の勝負強さで、さらなる快進撃に期待がかかる。

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