大橋未歩アナウンサーが語る、世界卓球見どころ
福原愛、戦術の変化に注目
笑顔の合間に「プロらしさ」を感じさせる福原愛 【スポーツナビ】
福原選手は、小さいころから注目されているので、天才少女という言われ方をしていますね。でもその笑顔の裏で、すごく努力をしていて、自分の気持ちの中に何千、何万という球の数を打ってきたからこそ生まれる経験則があって、だからいろんな球に対応できるんです。
愛ちゃんは、マスコミなど周囲の目と試合と、いつも2度戦っている選手だなと思っています。それに耐えていることがすごいなと思います。彼女のバックハンドが決まっている時は調子がいい証拠なので、そこに注目してもらいたいですね。
――福原選手の強さの秘訣(ひけつ)はどんなところにあると思いますか?
彼女はわりと球質が変わっているんです。ラケットに変質ラバーを使っているので、(相手にとっては)慣れていない球が来るんです。
それから福原選手は「本当にプロだな」と思う瞬間が結構あって、共同会見で絶対に戦術について言いません。食い下がっても「それは戦術のことなので」と、絶対にかわします。
ただ、試合の中で戦術を変えられるようになったとは話していて、前は崩れだしたら早く負けてしまうこともあったと思うのですが、今は最後のゲームまで粘る、戦術を変えて粘る。今回も、粘る姿が見られると思うので、たぶん福原選手を画面で見ている時間も、だいぶ長くなるんじゃないかと思いますね。
水谷隼、アクロバティックなラリーは必見
男子のエース、水谷隼。体全体を使った、バネのあるプレーに注目だ 【スポーツナビ】
人としては、シャイボーイなイメージで、一見すると朴とつな青年に見えるんですが、中身はプロ中のプロ。ドイツでもまれて、中国でもまもれて、お父様もすごく厳格で厳しい方ですし、そういうところで鍛えられた精神力などが出るんだと思います。
――14歳でドイツに行ってるんですよね
すごいですよね。分かりやすい魅力でいうと、ロブショットという卓球台と離れた位置からバーンと打つ時。卓球は球が小さい分スピードも速いのですが、それを飛びながら、本当に届かなさそうなところでも打ち返す。そのアクロバティックな、中国雑技団のようなラリーはもう必見ですね。卓球って地味なイメージがあると思うのですが、そのイメージが変わると思います。
――男子テニスの錦織圭選手の“エア・ケイ”ならぬ“エア・ジュン”ですね
本当にそうですね。水谷選手の脚などをよく見ちゃうんですが、本当に筋骨隆々。打つ時もふくらはぎが筋張っていて、体全体の筋肉を使っているのが分かるので、全身がバネのようです。卓球の概念が変わると思うので、ぜひ見てほしいですね。
――本当に楽しめる大会になりそうですね
大会は8日間ありますので、だまされたと思ってまずは1日見てほしいです。そして、興味を持った方は、テレビか会場でぜひ応援してください!
<了>