デスマッチ王者・宮本がまさかのフォール負け=大日本プロレス
イサミ(左)&竹田(右)組が新旧デスマッチ王者組から金星 【t.SAKUMA】
2.13後楽園で開幕し、5.28後楽園まで実に3カ月半に渡って開催される「最侠タッグ」だが、この1カ月間の間に葛西純、マンモス佐々木という優勝候補メンバーが次々と負傷するなどアクシデントが続出。しかし、この日はそんなマイナスムードを払拭する激しい戦いが続出し、動員数では苦戦した会場を大いにヒートアップさせた。
メーンイベントでは宮本裕向、佐々木貴の新旧BJWデスマッチヘビー級王者組と、竹田誠志、木高イサミのデスマッチヤングブラッズが「蛍光灯&ダブルボードデスマッチ」で激突。後楽園大会のメーン初登場となる竹田組が、会場を一体化させる熱を呼び込み、大きな勝利をつかみ取った。
現デスマッチ王者の宮本&過去2回デスマッチ王座を獲得している貴という実力者コンビは、ここまでのリーグ戦で3戦3勝と無傷のまま爆走。一方、Style−Eからデスマッチに挑戦する異色派の竹田と、かつては宮本と「デスマッチ二丁拳銃」を結成していながら、長期欠場などにより、いまや大きく水をあけられてしまったイサミ。キャリアや実績では圧倒的不利な状況をはね返したのは、2人のデスマッチにかける情熱と観客の大きな声援だった。
若手コンビがデスマッチ王者・宮本に完勝
若手のパワーが大爆発! 【t.SAKUMA】
試合は圧倒的な宮本組のペースで進行。竹田は場外で有刺鉄線ボードを使った攻撃を試みるも宮本にあっさりと形勢逆転され、イサミも貴をテーブルに寝かせた状態でのダイビングセントーンを狙おうとして自爆。序盤から早くも流血してしまう。
しかし、貴が狙った蛍光灯ボードへの攻撃を合体ブレーンバスターで切り返したところから徐々に竹田組に流れが傾き、宮本の蛍光灯ムーンサルトプレス、貴の右脚with蛍光灯といったフィニッシュ級の技もお互いのカットですべてクリア。イサミがダウンした貴に蛍光灯ボードをかぶせ、竹田がその上へラダーに上った宮本の体を雪崩式ブレーンバスターで投げ捨てると、観客の声援が竹田組を後押し。その声に応えるかのように、竹田のバックドロップ、イサミのダイビングニードロップwithチェアー、竹田のジャーマンスープレックスと一気にたたみかけて、現デスマッチ王者の宮本から3カウントを奪取した。
会場中に大「竹田」「イサミ」コールを巻き起こした2人は、初メーンという重責を最高の形で果たせたことに、マイクアピールでも押さえきれない感情を爆発させた。
この1勝により決勝進出のチャンスをつかんだ竹田は「この後のリーグ戦、全力で戦って優勝目指します」と早くも優勝宣言をぶちかますと、イサミも「こんなに気持ちいい勝ちは生まれて初めて」と絶叫。ガッチリと抱き合って喜びを分かち合った。
一方、敗れた宮本組だが、すでに3勝を挙げ決勝進出は確定していることから「あとは優勝するしかない」と早くも次の戦いに気持ちを切り替えた。
小林が「焼き鳥愛」で伊東にフォール勝ち
“焼き鳥愛”で小林組が台風の目となるか 【t.SAKUMA】
すでにタッグチームとして経験値を積んできている伊東、石川組に対し、小林とMASADAはこのリーグ戦のために急遽結成されたいわば急造チーム。加えて言葉の壁などもあることから苦戦が予想されていたが、居酒屋「海坊主」のオーナーとして焼き鳥も扱う小林と、額に竹串を突き刺す“焼き鳥攻撃”を得意とするMASADAはいつしか「焼き鳥愛」で通じ合い、深い絆を築き上げていた。
MASADAは序盤から石川の頭に竹串を10本近く打ち込んでの焼き鳥攻撃でダメージを与えると、石川はその竹串を小林の額に突き刺して反撃。さらに伊東も小林にムーンサルトプレス、イスタワー上への合体パワーボム、ドラゴンキッカーなどで一気に勝負をかけるも、ここで小林が逆転の雪崩式フランケンシュタイナー。さらにMASADAが伊東の体をイスの上にパワーボムでたたきつけ、小林のバカチンガーエルボーからMASADAのスカルファッカーバスターへとつなぐと、さらに小林がデビルハンドチョップ、コバドライバーと猛ラッシュ。MASADAが石川をKOする間に、小林がダメ押しのダイビングバカチンガーエルボードロップで伊東を倒した。
貴重な初白星をゲットした小林は「焼き鳥で結ばれているオレたちがこのリーグ戦かき回してやるから覚悟しとけ」と、このタッグリーグ戦の台風の目となることを予告。アクシデント続出のリーグ戦を自分達が盛り上げていくことを誓った。
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