日本バスケ界の顔となったビッグマン、竹内公輔・譲次インタビュー=JBLプレーオフ決勝

小永吉陽子

竹内譲、大舞台で決められない甘さを痛感

プレーオフ第2戦では公輔を上回る得点でチームの勝利に貢献した譲次(左)。大舞台でシュートの確立を高められるかが、今後の課題だ 【写真は共同】

――ファイナルを振り返っての感想を聞かせてください

 大舞台の経験で負けている分、僕たちは気迫とか、脚を動かすとか、がむしゃらにやるしかなかったんです。けれど、そういう部分でもアイシンを上回ることができなくて、こういう結果になったのだと思います。3戦目まではインサイドでアタックできたので、今日もアタックしていこうと思ったんですが、序盤からアイシンにリズムをつかまれてしまって、逆に精神的に焦って変なシュートを打ってしまいました。大事な場面で決められず、自分の甘さを痛感しました。結果を出せなかったのは悔しいですが、いいふうに考えれば今後の成長につながると思います。

――公輔選手とのマッチアップが注目されましたが、心がけていることは?

 向こうはファウルをしないようにディフェンスしてきたと思うけど、それでも決めきれなかった自分が甘かったです。公輔とマッチアップするということは、やっぱり自分のプレーが読まれているし、やりづらさからシュートを外してしまったのかもしれません。

――オン・ザ・コート・ワンになり、意識やプレーで何か変わりましたか?

 オン・ザ・コート・ワンになって日本人ビッグマンの出来がカギになると思っていましたが、自分や公輔が(活躍することでチームを)ファイナルの舞台に導けたのは自信になりました。ただ逆に、自分の出来がウエートを占めることに使命感を感じました。日本人ビッグマンが占めるウエートが多いのなら、自分が成長すればするほどチームが強くなるということ。そういった意味では、今シーズンは最初から自分がエースだと思ってやってきましたが、シーズン終盤になって自分のパフォーマンスが落ちてきて、自分がファースト・オプションだという気持ちがだんだんと薄らぎました。その部分がもったいないというか……。ファイナルに入る前に気持ちを切り替えたのですが、完全には切り替えられていませんでした。

――自分がファースト・オプションだという気持ちが薄らいでしまったのは何故ですか?

 シーズン終盤はチーム自体の調子が良かったので、そこまで自分が……。チームメートを信頼しているのはもちろんですけど、チームの調子が良かったから苦しい時に自分がやらないと、という気持ちが薄れていったのかもしれません。「自分が自分が」となりすぎるのは良くないけど、苦しい時こそ「自分が自分が」とならなければいけなかった。でも、それができなかった。(セミファイナルで対戦した)パナソニックとの3戦目、もうあとがない切羽詰まったところで「自分がやらなくては」と切り替えられたんですけど。これからはそういうのを当たり前の状況にしたいです。

――今後の課題は?

 シュートの確率。決勝のような大舞台で露呈されたフィールドゴールの確率の悪さを上げることです。アイシンのジェイアールは大舞台でも決めてくるし、テクニックも持っている。ディフェンスで激しく当たられても、確実に決めていける体のバランス作りを心がけていきたいです。

<了>

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著者プロフィール

スポーツライター。『月刊バスケットボール』『HOOP』編集部を経て、2002年よりフリーランスの記者となる。日本代表・トップリーグ・高校生・中学生などオールジャンルにわたってバスケットボールの現場を駆け回り、取材、執筆、本作りまでを手掛ける。

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