日本バスケ界の顔となったビッグマン、竹内公輔・譲次インタビュー=JBLプレーオフ決勝

小永吉陽子

レギュラーシーズンとプレーオフともにMVPを獲得した竹内公輔(右)。アイシンの2年連続2冠は、この人の活躍なくしてはありえなかった 【写真は共同】

 アイシンの2連覇で幕を閉じた日本バスケットボールリーグ(JBL)2008−2009。プレーオフファイナルの中心にいたのは、いまや日本の顔となったビッグマン、竹内公輔(アイシン)、譲次(日立)兄弟だった。共にルーキーシーズンの昨年から2年連続でベスト5を受賞し、さらに兄・公輔は、今季のレギュラーシーズンとプレーオフの両方でMVPを獲得した。外国人選手の同時出場枠を1名以内とする「オン・ザ・コート・ワン」のルールが施行された今シーズン、強力なインサイドである公輔、譲次を擁するチームがファイナルに進出し、両者の出来がそのまま勝敗のカギを握ったのだ。

試合終了後、キーパーソンとなった竹内兄弟に話を聞いた。

竹内公「自分が攻める!」と意識が変わった

――優勝した感想を聞かせてください

 今日(4戦目)で優勝を決めることができてうれしい。試合は常にうちのペースで、全員で勝ち取った優勝。気迫もこっちが上回っていると思ったし、僕自身、このファイナルは落ち着いてプレーできました。

――譲次選手とマッチアップして心がけていることは?

 口では意識していないと言っていますが、体は意識して、お互いに「コイツにはやられない」という気持ちでやっていると思います。今日はポストで「ボールくれ!」と心の中で叫んでいましたね(笑)。
 気をつけたのは、僕が生きなくても周りが生かせられるように動いたり、仕事であるリバウンドだけは負けないこと。やっぱり、譲次はリーグで一番負けたくない相手。

――1勝1敗で迎えた3戦目に公輔選手がフル回転(18得点、16リバウンド)したことでアイシン本来のバスケットを取り戻しました。3戦目の活躍は「自分がやらなくては」という意識からですか?

 2戦目に自分が6点しか取れず、譲次にもやられ、しまいには負けて悔しかったので、3戦目は自分から攻めていこうと決めていました。ファイナルを通して3戦目が一番いいパフォーマンスができました。譲次はリバウンドに強いので、ボックスアウトをしながら「コイツにだけは取らせないぞ」という気持ちでした。

――ファイナルMVPを受賞した感想は?

 うちには僕以外にもいい選手がいっぱいいるのに、僕を選んでもらえた。素直にうれしいし、選んでくれた人に感謝したいです。

――レギュラーシーズンもMVPを受賞。1年を通して自分の成長をどう感じていますか?

 レギュラーシーズンは自分でもビックリするくらいいろいろなランキングに顔を出せて、非常にいいシーズンだったと思います(ブロックショット1位、得点2位、リバウンド2位、フィールドゴール成功率4位、フリースロー成功率5位、3ポイント成功率6位、ダンクシュート3位)。プレータイムもチームで一番長かったし、それだけコーチに信頼されていたのかなと思いました。

――「オン・ザ・コート・ワン」ルールは、自分の成長に生かせたと思いますか?

 どうですかね。半分半分じゃないですか。外国人選手とマッチアップする機会が減ったのがマイナス部分ですけど、外国人選手が僕についたら、去年みたいに僕が攻める機会は少なくなるので。だからプラスの面もあり、マイナスの面もあり。どちらが正しいかは分からないです。ただ、オン・ザ・コート・ワンになって、攻めの部分で変わったと思います。どんどん得点を狙おうと思ったし、去年より攻める機会が格段に上がった中でフィールドゴールのパーセンテージがアップしました(54.85→56.46%)。去年は実質、(帰化した桜木ジェイアール含め)3人の外国人選手が出ていたので、彼らにオフェンスを任せていました。自分はリバウンドとブロックショットをやっていればいいかな、くらいの気持ちでした。でも、やっぱりそれじゃダメで、自分が攻めていかなきゃいけないと意識が変わったのが今シーズンでした。

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著者プロフィール

スポーツライター。『月刊バスケットボール』『HOOP』編集部を経て、2002年よりフリーランスの記者となる。日本代表・トップリーグ・高校生・中学生などオールジャンルにわたってバスケットボールの現場を駆け回り、取材、執筆、本作りまでを手掛ける。

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