優勝争いは大混戦 甲子園の頂点に立つのは!?=第81回選抜高校野球見どころ

松倉雄太
 21日に阪神甲子園球場で開幕する第81回選抜高等学校野球大会の組み合わせ抽選会が13日、大阪市の毎日新聞大阪本社・オーバルホールで行われ、出場校の対戦相手が決まった。今大会は通常の32校に戻り、組み合わせ表の端から、順次試合が進められていく。

 12日に行われた、32校の主将が意見交換をするキャプテントークでは、優勝候補として慶応高(神奈川)の名を挙げるチームが多かった。ただ、絶対的な力を持ったチームがいないというのが今大会の特徴と言える。慶応高のほかにチーム力の高さを感じさせるのが、投打にレベルの高い選手が多い鵡川高(北海道)、中京大中京高(愛知)、清峰高(長崎)あたり。大黒柱を擁する福知山成美(京都)と西条高(愛媛)、近年では屈指の打線を誇る天理高(奈良)などがこれに続く存在になってくる。昨年、出場校すべてが初戦を突破した21世紀枠の戦いにも注目したい。球場内の改修工事が終わり、新しくなった甲子園で最初に頂点に立つのはどのチームか。

【Aブロック】金光大阪高の強打者・陽川に注目

 金光大阪高(大阪)と倉敷工高(岡山)の対戦で81回目の選抜は幕を開ける。3回目の甲子園で初勝利を狙う金光大阪高は、4番の陽川の打撃に注目。練習試合解禁日となった8日の大体大浪商高(大阪)戦では第1打席にいきなり本塁打を放った。大舞台で勝負強さを見せられるか。34年ぶりの倉敷工高(岡山)は、当時に続いて開幕戦を引いた。岡山県4位から中国チャンピオンに続いた勢いを、開幕戦で見せつけたい。
 第2試合は出場校で最も高いチーム打率を誇る中京大中京高と、4年前に準優勝した神村学園高(鹿児島)が対戦。神村学園は左右タイプの違う5人の投手をいかに使い分けるか。
 第3試合は東北ナンバーワン右腕・下沖を擁する光星学院高(青森)と、3回目の甲子園となる瀧野がいる今治西高(愛媛)が激突。今治西高の高市主将は開会式で選手宣誓をした後、その日のうちに試合と慌しい日程。これには大野監督も驚きを隠せなかった。
 2日目第1試合は高崎商高(群馬)と地元・報徳学園高(兵庫)の対戦。群馬から31年ぶりにアベック出場となった高崎商高、4日目に前橋商高が控えるだけに先に負ける訳にはいかない。報徳学園は秋の公式戦でわずか2失策と鉄壁の守備が自慢。8日の北大津高戦(滋賀)でチーム第1号を放った和田が控えにいるのが怖い存在だ。

【Bブロック】慶応高など優勝候補が続々登場

 秋の地区大会を制したチームが4校入った。2日目第2試合の清峰高日本文理高(新潟)は地区大会優勝校同士の対戦。清峰高のエース・今村は、8日の佐賀商高戦で7回を投げて14奪三振と早くも存在感を見せつけている。3番・高橋義を中心とする日本文理高が、大会屈指の右腕を相手にどう攻めるか。
 第3試合は福知山成美高国士舘高(東京)の対戦。福知山成美高は、防御率が今大会ナンバーワンの長岡に絶対の自信を持っている。東京チャンピオンの国士舘高としては、伝統の機動力で先に点を取って、長岡を焦らせたい。
 3日目第1試合の開星高(島根)と慶応高も楽しみなカードだ。開星高は中国大会ベスト4ながら、打線は全国でも屈指。慶応高は昨春の選抜で先を見過ぎて初戦敗退を喫した。秋の神宮大会王者ではあるが、まず1勝を目指すと謙虚な姿勢だ。腰痛の癒えた白村としては、開星高の1番・糸原を何としても封じたい。
 第2試合は18年ぶりの箕島高(和歌山)と60年ぶりの大分上野丘高(大分)の対戦。共に派手さはなく、投手を中心とした堅い野球が持ち味の似通ったチームだ。

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著者プロフィール

 1980年12月5日生まれ。小学校時代はリトルリーグでプレーしていたが、中学時代からは野球観戦に没頭。極端な言い方をすれば、野球を観戦するためならば、どこへでも行ってしまう。2004年からスポーツライターとなり、野球雑誌『ホームラン』などに寄稿している。また、2005年からはABCテレビ『速報甲子園への道』のリサーチャーとしても活動中。

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