「THE OUTSIDER SPECIAL」直前!吉永啓之輔さんインタビュー
「THE OUTSIDER SPECIAL(15日・両国国技館)」のメーンイベントに出場する吉永さん 【スポーツナビ】
その栄えあるメーンイベントを務めるのが全身に描かれた入れ墨から“格闘彫士”のニックネームを持つ吉永啓之輔さん。OUTSIDERの過去4大会すべてに出場し、修羅場をくぐりぬけてきた吉永さんはOUTSIDER SPECIALで70キロ級最強候補のひとりとされる秀虎さんと対戦する。
現在では自身がプロを目指すとともに格闘技ジムの代表を務める吉永さんだが、若いころには暴走族の総長を務めるなどの経験を持つという。その吉永さんにとってこれまでの格闘技経験で最大級の大舞台となる両国決戦まであとわずか。これまで出場してきたOUTSIDERについてと、OUTSIDER SPECIALに懸ける意気込みを聞いた。
総合格闘技はやり始めてまだ3年くらい
総合格闘技はやり始めてまだ3年くらい 【スポーツナビ】
20歳のころです。
──現在25歳ですので約5年間ですね。最初は地元のジムか何かでトレーニングを?
ジムとは少し違うんですが、施設を借りてグループトレーニングのようなかたちでブラジリアン柔術の練習をしていました。
──ブラジリアン柔術を学ぼうと思ったきっかけは?
ある日おさななじみの先輩と口げんかになり、その先輩が「文句あるなら来い」と言うので「上等だよ」と乗り込んでいったのがそこでした。
──そうでしたか(笑)。そこでは柔術対決を?
いいえ“何でもあり”でした。結果は柔術の技で絞められたりして負けてしまったのですが、これが格闘技にのめり込んでいくきっかけになりましたね。
──その後総合格闘技をやり始めたと。
そうですね。総合格闘技はやり始めてまだ3年くらい、発展途上です。
──他のアマチュアイベントとOUTSIDERではまったく別物ですよね。
出場選手はアマチュア選手が主体ですけど、プロのルールでやっていますし、おもしろいですね。
当日になっちゃうと「もうやるしかない」って感じ
当日になっちゃうと「もうやるしかない」って感じ 【スポーツナビ】
九州の浦野(貴之)くんとの対戦でした。最初の大会でしたし、過去に出場した4大会の中で1番緊張したかもしれませんね。
──入場時には花道で円陣を組むのが恒例となっています。
はい。昔からの仲間や格闘技の仲間たちですね。
──2戦目(OUTSIDER 第二戦・08年7月19日)の相手が中村淳平さん、3戦目(OUTSIDER 第三戦・08年10月19日)の相手が江田雄一さん、4戦目(OUTSIDER 第四戦・08年12月20日)の相手が佐野哲也さんということで、いずれも注目選手との対戦でした。プレッシャーはありませんでしたか?
試合の前日などは緊張がありますけど、当日になっちゃうと「もうやるしかない」って感じですね。
──対戦相手は主催者から電話で通知されるのですか?
そうですね。別にやりたい奴とかいないんで、言われた相手とやるだけですね。
──両国での対戦相手が秀虎さんに決まりました。対戦相手を聞いたときの感想は?
ちょっと体重差があるので、自分と秀虎さんの中間の体重で設定してくれないか交渉中です。
びびっているわけではないんですけど、やるからにはできるだけ公平な条件でやりたいですからね。
同体重でやることは難しいと思うので、中間の体重設定をお願いしたいです。
──ふだんの体重は何キロあるんですか?
71キロくらいです。試合時の体重(70キロ)とほとんど変わらないんですよ。昔からほとんど体形も変わっていません。
食っても増えないし、変に増やしてもスタミナなくなるでしょうし。
──試合が近くなってきましたが現在のコンディションはいかがですか?
コンディションは……よくないですね(笑)。
手首がまだ治っていないんです。OUTSIDER第四戦のときも医者からは「殴っちゃだめだよ」って言われていて、次の日には車のハンドルも回せないほど痛めてしまいました。
でもここ何年かパーフェクトな状態でリングに上がれたことなどないので、何とかなりますよ。
自分のことを「寝業師」とも「ストライカー」とも思っていません
ベストバウト賞を受賞した佐野さんとの試合 【スポーツナビ】
あります。勢いがあって強いんじゃないですかね。
──佐野さんとの試合のようなタフな展開になるのでは。
かもしれませんね。
──理想とする試合展開は一本勝ち?
ケース・バイ・ケースですね。OUTSIDERでは結果的に一本勝ちになっている試合が多いですが、無理やり一本勝ちをしようとは思っていないです。
──吉永さんは「寝業師」の印象が強かったので、佐野さんとの打撃戦には少し驚きました。
皆そう言いますね。
自分としては自分のことを「寝業師」とも「ストライカー」とも思っていません。どっちも中途半端なんです(笑)。
──そうなんですか。「ベストバウト賞」を受賞したを佐野さんとの試合を振り返っての感想を教えてください。
1番大きいのは「自分の調整不足によるスタミナのなさ」ですね。
佐野さんの方が体重が重かったので、自分は体重を落とさないように直前の走りこみなどを控えていたんです。ですので1ラウンドの終盤から息が切れちゃいましたね。
──佐野さんとは試合後に再会して練習をされたそうですね。
そうなんですよ。たまたま都内に用事があって出てきたら「今日佐野くん来るよ」なんて言われて。
ほかにOUTSIDER出場選手で交流があるのは川口(浩史)さんと武井(勇輝)くん。この2人はこの間栃木まで遊びに来て、俺んちに泊まっていきましたよ。
酒飲んでおしゃべりして、俺んちで寝てました(笑)。あ、それとボクシングとグラップリングの練習もしました。
──川口さん、武井さんといえば映画「クローズZEROII」に出演した仲間ですね。映画の撮影はいかがでしたか?
大変でしたね。もっと簡単なものかと想像していたんですけど。三池(崇史)監督が納得するまでやらないとならないんで待ち時間とか半端じゃなく長いんです。大変ですよ、あれは。
出来上がった映像をまだ見ていないんで仕上がりが楽しみですね。
次回作があればアクションシーンなどをやらせてもらえるようになるとうれしいですね。映画の中で寝技を使いたいです。
──映画に出演したり、OUTSIDER出場で活躍の場が広がりましたね。
映画に出るなどはじめての経験でしたし、感謝しています。
自分の場合、入れ墨を背負っているので他の大会では主催者から「ラッシュガードを着て隠してくれ」と言われたりもするんです。でもOUTSIDERは、むしろそういう連中にチャンスがもらえるイベントなのでありがたいと思っています。