清峰高はセンバツ準優勝以上を狙える実力=2008年秋季九州大会リポート
清峰高・今村、全4試合を1人で投げ抜く
3年ぶりに九州大会を制した清峰高(長崎)は九州大会出場の19校の中で唯一昨夏の甲子園を経験したチーム。エースに成長した今村、甲子園で本塁打を放った4番・山嵜など、新チームに多くの選手が残った。特に最速146キロを誇り、甲子園でも躍動した今村が太い柱。九州大会では全4試合を1人で投げ抜き、わずかに3失点。三振も39個奪った。夏の甲子園で東邦高(愛知)に打ち込まれた悔しさをバネに、冷静に相手を見る大人の投球を身につけるなど、成長を見せた。
最も苦しんだ福岡大大濠高(福岡)との準々決勝では、主将の屋久がサヨナラ打。指のケガの影響で県大会後半から外野を守っていたが、神宮大会ではケガも治り、本職の内野に戻った。甲子園経験者を中心に、3年前のセンバツ準優勝以上を目指せる力が備わった。
神村学園高は豊富な投手陣がそろう
打線も大型の選手が多く粘り強い打撃が身上。要となる3番の江口が準々決勝で右ひざを負傷し、準決勝は欠場したが、前半の4点差を8回と9回で逆転し底力を見せた。
連覇を狙った明豊高(大分)は準決勝で清峰高・今村の前に完敗。それでも、コールド負けの危機から9回に2点を返したのは収穫だろう。エースの今宮は昨春の甲子園に1番・投手として出場。新チームでは3番になったが、高い身体能力は相変わらずで、投手としても球威が増し、大きく成長した。左腕の野口、打線の軸である河野、阿部ら経験者が周りを固める。
興南高(沖縄)は1年生6人がレギュラーと若いチームだが、昨夏もレギュラー格だった選手が多く、若さを感じさせない。左腕の島袋はややトルネード気味に腰を回す独特の投球フォームが特徴。変化球を主体に、内外高低の出し入れがうまい。
さらに我喜屋監督が「彼の復活がなくては」と語るのが2年生の石川。1年夏には甲子園のマウンドを踏んだ右腕は、その後肩痛に悩まされマウンドを離れた。九州大会準決勝で久々の登板を果たしたが、実戦不足は否めなかった。春までにどこまで復調できるか。
準々決勝で清峰高を苦しめた福岡大大濠高の左腕・川原と、熊本1位の秀岳館高・梅田の2投手も夏まで覚えておきたい。
<了>
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