シシャモ打線の鵡川高が北海道を制覇=2008年秋季北海道大会リポート

松倉雄太

西藤、森ら個性溢れる選手が引っ張る鵡川高

 1回戦から登場し、5試合を勝ち抜いた鵡川高が5年ぶりに全道を制覇、センバツ出場を確実にした。
 ことしの鵡川高はエースの西藤、主将の森、4番の柳田と個性溢れる選手が引っ張る。5試合中3試合がコールド勝ちと高い得点力も自慢だ。2回戦で北海高、準決勝で駒大岩見沢高と昨夏の甲子園出場校を撃破。特に駒大岩見沢高戦では、初回に先制したものの、エースの西藤が打たれて2回までで6失点と苦しい展開。だが、ここから西藤、柳田、森のクリーンアップがそれぞれ本塁打を放ち、終わってみればコールド勝ち。鵡川高のシシャモ打線が駒大岩見沢高のヒグマ打線を圧倒した。
 決勝の北海学園札幌高戦では西藤がエースとして奮起した。変化球は1人につき1球と佐藤監督から指令を受けていたが、全球直球で勝負。わずか95球で完投し、佐藤監督を驚かせた。控えの石井も本格派の好投手で、全道大会では西藤が崩れた後をきちんと立て直し、10イニング無失点と安定した投球を見せた。
 チームとしての課題は波のある試合運び。調子付かせれば手のつけられなくなるチームだが、脆さも露呈した。この波を春までに小さくすることができるか。

北海学園札幌高は21世紀枠での出場狙う

 33年ぶりの全道制覇を逃した北海学園札幌高は21世紀枠の候補になった。背番号10ながら全4試合を完投した鍵政は191センチの長身右腕。準々決勝で北照高を完封。準決勝の函館大有斗高戦では延長11回を粘りのピッチングで2失点に抑え、サヨナラ勝ちを呼び込んだ。四死球は1試合平均約1個と抜群のコントロールも鍵政の武器。決勝で初回に2失点したのが悔やまれるが、一冬を越えた成長が楽しみな投手だ。センバツ切符が届くかどうか。

 4季連続の甲子園を狙った駒大岩見沢高は、準決勝で敗れて望みがなくなった。夏の甲子園に出場し、チームづくりが遅れた上に、全道大会直前には国体に出場する厳しい日程。その中でも4強まで残ったのは夏の遺産か。甲子園のマウンドを経験したエース・小川を中心に、夏の北北海道大会では再び注目を集めるだろう。

<了>
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著者プロフィール

 1980年12月5日生まれ。小学校時代はリトルリーグでプレーしていたが、中学時代からは野球観戦に没頭。極端な言い方をすれば、野球を観戦するためならば、どこへでも行ってしまう。2004年からスポーツライターとなり、野球雑誌『ホームラン』などに寄稿している。また、2005年からはABCテレビ『速報甲子園への道』のリサーチャーとしても活動中。

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