卓球界の萌芽 スーパー中学生の誕生=卓球全日本選手権 第5日
中学生ペアとしては初となる3位入賞を果たした谷岡(右)、鈴木ペア 【スポーツナビ】
英才教育で頭角を現した中学2年生
準決勝では、0−3(8−11、4−11、4−11)とストレート負けとなったが、中学生ペアとしては初の4強入りを果たし、さらに3位入賞した。
平成6(1994)年生まれの2人は、エリートアカデミー1期生。エリートアカデミーとは、日本オリンピック委員会が2016年の五輪をはじめ、国際大会で力を発揮できる有望なジュニア選手を育てるために、2008年の春に設立したものだ。高知県出身の谷岡と静岡県出身の鈴木は、現在ナショナルトレーニングセンターに寄宿し、日々練習を積んでいる。同部屋の2人は、「けんかもするけどすぐ終わる」というくらいの仲良し。2人とも将来の目標は、「五輪で金メダル」と、目標に向けての準備は着々と整えている様子だ。
今季のジュニアの世界大会で優勝をした2人だが、全日本では初めてダブルスを組んだ。試合後には「まさかベスト4まで残っていられると思っていなかった」と口をそろえる。
「エリートアカデミーの1期生として、全日本に出られたので、思い切ってやろうと思いました」(谷岡)、「初めての全日本だったんですけど、試合以外の練習とか、ほかの試合を見ているときも恥ずかしくない行動を取ろうと思いました」(鈴木)と、中学生といえども、代表になるための自覚がかいま見えた。
スーパー中学生の持ち味は切れ味のするどい両ハンド
この日、会場を沸かせたスーパー中学生・丹羽 【益田佑一】
小学6年生のときには、18歳以下が対象のジュニアナショナルチームに小学生としては史上初めての代表入りを果たしている丹羽。今大会、一般の部では初めて出場となったが、1試合を除いてはここまでストレート勝ちで勝ち上がってきており、関係者はもちろん卓球ファンにもその実力を存分にアピールした。
現役最後の試合を終えた“卓球界のパイオニア”松下 【スポーツナビ】
全日本を最後に卓球界を去る者、そしてこの全日本から得た経験をもとに世界に羽ばたく者――。五輪で初のメダル獲得を目指す、頼もしい子どもたちの成長に期待したい。
<了>
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