ファーガソン監督「キトの中で遠藤ほどの選手はいなかった」=クラブW杯

スポーツナビ

キトの中で遠藤くらいのクオリティーの選手はいなかった

リガ・デ・キトを下し、クラブW杯を制覇したマンチェスター・U 【写真は共同】

(ビディッチの退場は)最初は大変だった。急に10人になったことで、選手にも疲労があった。それでも選手たちは前後半通じて試合に勝とうとした。そこが非常に重要だったと思う。彼らのパフォーマンスには満足している。

――ルーニーは非常に良かったが

 彼はゴールデンボール(大会MVP)を受賞したので、それは疑いの余地はない。ゴールを決めただけではなく、特に前半は多くのチャンスを作った。クロスを入れてGKに止められていたが、非常にいいパフォーマンスだった。彼の能力が出ていたと思う。

――3失点したのは時差ぼけのせいだとファン・デル・サールが言っていたが

 寝不足なんて言っていたのか? そんなことは彼の責任だし、そういうことは言うべきではない。長旅というのは仕方ない。ファン・デル・サールとは話をしたが、昨夜はようやく眠れたと言っていた。時差ぼけというのは、自分たちで調整してうまくやっているのだが、最初の試合(ガンバ大阪との準決勝)の最後の20分間は、わたしたちにとって非常にオープンなゲームになった。しかし今夜は、本当にうまくいったし、1人足りなかったのだから皆で頑張っていかなければならなかった。

――前回の試合で3失点したが、今日の試合に向けて守備面で確認したことは?

 特にない。ひとつだけ変えたのは、ネビルを出したことだが、3日間でいろいろなことが回復できたと思う。しかしながら、ガンバ大阪についてはたたえなければならない。非常に質のいいチームだ。特に遠藤。キトの中で遠藤くらいのクオリティーの選手はいなかった。ガンバ大阪の選手たちの質の高さについては、たたえられるべきだと思う。

――これだけ攻めていて、しっかりコントロールしていても、カウンター一発で負けてしまうこともある。そういう悪いイメージを試合中に考えたことはあったか?

 わたしとしては、忍耐強く規律を持って失点しないことを心掛けた。そうすることで、ルーニーやロナウドが、何か特別な仕事をしてくれることを期待していた。それから、ロスタイムに非常に大きなチャンスがあると思っていたので、そこで(選手の)交代をした。1点入れたあとは、しっかりと1−0を守って勝っていこうと。そこでネビルを入れて、さらにフレッチャーを入れた。フレッチャーを入れると試合内容が変わる。イマジネーションもあるし、非常にエンターテインメント性の強い、楽しい試合になる。新しい、攻撃的なアプローチをすることで、年齢とともにますます(彼自身も)成熟する。

ルーニーは素晴らしいエネルギーがある

――このトーナメントに勝つことは、どんな意味があるのか?

 わたしにとって、いい契機になると思う。もちろん、ストーク・シティとの試合も待っている。大変な試合になるだろう。だが、この大会で勝利したことで、われわれのチームにとってさらにはずみとなるだろう。われわれにとって、新たなスタートの土台となるだろう。

――チームのために飛んできたサポーター、そして日本のファンへのメッセージは?

(サポーターは)マンチェスター・ユナイテッドに対して、毎日応援してくれているような気持ちがしている。朝から晩まで、ずっとクラブをサポートしてくれている。世界中にもファンがいるし、1999年に初来日したときも本当に大歓迎してくれた。長い長い、ユナイテッドのファンの歴史がある。大変ありがたく思っている。たくさんのお金を使って、イングランドから来てくれたサポーターにも感謝している。

――ビディッチの退場によって、逆にチームの方向性が明確になったように見えた。C・ロナウドをワントップにして、ルーニーを左に置いた意図はどのようなものだったのか?

 ルーニーは素晴らしいエネルギーがある。それは攻撃で、中盤で、守備で、それらのプレーをしつこくできる。ビディッチの退場は残念だったが、わたしができることはすべてやったつもりだ。もちろん、わたしたちにとって、とにかく1点を挙げることが大きな問題だった。もちろん退場にはがっかりしたが、前半と比べてとにかくサッカーをもっともっと見せないといけないと思っていたし、頭を使ってできていたと思う。

――マンUが優勝候補だったが、厳しい試合を1−0で勝って優勝したことの意味についてどう思うか? それから、このクラブW杯という大会の意義を感じたか?

 われわれが10人で勝ったのはチームワークの結果だったと思う。そして、この大会は本当に素晴らしいものだったというのが、わたしの印象だ。われわれは、欧州チャンピオンズリーグに勝ったからこの大会に来ることができた。そのことに大きな意味がある。そして、かつては一発勝負だったが、トーナメントになった今でも、南米のチームと戦うことが予想される。われわれは今日、勝てて本当に良かったと思っている。ただし、決勝に出たからには勝たなければならない、そういう試合運びをしなければならない。前半はたくさんのチャンスがあったのに、それが生かせないとなると、ひとつのカウンターで負けてしまうかもしれない。南米の考え方というのは、欧州のそれとは違ってディフェンスができる。そこに気をつけないといけなかった。

――ビディッチの退場は、今後どのような影響が考えられるか?

 欧州カップ(CLのこと)では、出場停止になると聞いている。これはまだ分からないので、戻ってから考える。腕を少し動かして(相手に)当たり、退場になったことについては、少しがっかりした。今回、レフェリーはこちらの言い分を聞き入れてくれなかったことについて失望している。FIFA(国際サッカー連盟)やUEFA(欧州サッカー連盟)に確認しなければならないが、少なくとも1試合は出場停止になるだろうが、まだ分からない。

<了>
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

スポーツナビ編集部による執筆・編集・構成の記事。コラムやインタビューなどの深い読み物や、“今知りたい”スポーツの最新情報をお届けします。

スポーツナビからのお知らせ

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント