G大阪の遠藤「また抜きは狙っていた」=クラブW杯

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遠藤のゴールで全体が落ち着いた

アデレードに勝利し、喜ぶG大阪・西野監督(右から2人目)ら=豊田スタジアム 【共同】

西野監督 クラブワールドカップの非常に厳しいステージで1勝できたガンバの選手に、本当に素晴らしいと評価したいです。ACL(AFCチャンピオンズリーグ)の決勝で、(アデレード相手に)かなりガンバのスタイルで戦えて、楽観視していたわけではないですが、十分戦えるという手ごたえの中で試合に入りました。今日はかなりスタートからアデレードがガンバのストロング(ポイント)であるパッシングサッカーを消すために、積極的にプレッシングにきていると感じました。思った以上に苦しんだ序盤でした。

 今日のシステムの中で、いかにアタッキングサード(※ピッチを3分割したときの攻撃エリア)に飛び出したり、ボールが供給されていくかということ、そういったプレッシングをくぐった中でチャンスを取れる。それを遠藤が(ゴールを決めることで)実践してくれた。あれで少し、全体が落ち着いたと思います。多少ボールも動きましたし、後半もピンチ、チャンス、双方ありましたが、追加点が取れればなと(思って)見ていましたが、落ち着いてゲームコントロールをしていたと思います。選手はタフに90分戦ってくれました。数人(佐々木と二川)がダメージを負って戦力ダウンを強いられますが、今日の1勝をしっかりとかみ締めて、またいい準備をして(準決勝が行われる)横浜に入りたいです。

遠藤 非常に厳しい戦いでしたが、勝てて良かったと思いますし、まあ、それ以外は特にないです(笑)。トーナメントなので、どんな内容であれ勝つことを第一に考えていました。それがチームとして達成できたので、非常に満足しています。

――2人(佐々木と二川)のけがだが、彼らが使えなかった場合、当初予定していた戦い方と具体的に何が変わってくるか?

西野監督 2人を大阪に帰しますので、明日朝の診断によりますが、恐らく(ベンチには)入れない状態だと思います。その上で、今は全くプランはできない状態ですね。大阪のバックアップの2人を呼んだ上で、マンチェスター(ユナイテッド戦)というよりも、自分たちの整備をいかにしていくかを考えたいです。今はフラットにして、今日の1勝を皆で感じたいと思います。

また抜きは狙っていた

――アデレードのプレッシャーは厳しかったが、今日はガンバもミスが多かったのでは?

西野監督 ペースを取れなかったのは、予想以上に高い位置から相手のフォアチェックが入ったから。それによって威圧を受けたのは当然だと思います。それにしてももう少し、あれくらいのプレスであれば(ボールを)動かせる力はあると思うんですよね。最終ライン、中盤、前線という3ラインが、前半は少し距離がありすぎたと思いますし、もう少し有効なショートボールを使いながら展開できる、そういう状況を作らせてもらえなかったというのは、あるかもしれないですね。

 リアクションを高めて、それくらいのプレスも打開しなければならないとハーフタイムで言った中で、(後半は)少しテンポが上がったのかなと思います。ミドルゾーンを越えたアタッキングエリアの中ではかなり(ボールを)動かせたので、あそこを抜ける展開というのは、ビルドアップのときにヤット(遠藤)も少しおりてきて(パスを)配るようになって、全体の距離感が少し良くなかったかなと思います。孤立して、サイドでミチ(安田理)や加地が追い込まれてミスをするという。自分たちというよりは、アデレードの最初の20分のプレッシングに少し戸惑ったということだと思います。

――後半の方が前線からもチェックに行けるようになったが、どう整備したのか?

西野監督 まずビルドアップの中で、最終ラインが探しているようではいけないと。中盤がもっと顔を出してボールを引き出して、ビルドアップでもう少し正確にボールを動かす。それができれば、次のエリアではかなりスピードを上げられる。前半もミチあたりがそういうアタッキングサードで仕掛けたりして、ああいうボールの受け方が全体でできれば。最初の圧力を抜けるためのビルドアップのポジショニングの修正と、やっぱりプレスをもう少し厳しくかけて(相手に)ロングフィードさせない。少しコンパクトにして(相手ボールを)取って、早く(前へ)という攻め、ショートカウンターが何本か入るようになってからは、いい攻撃はフィニッシュまで持っていけるようになりました。

――ゴールシーンについて、明神から二川、播戸にボールが渡って、そこからボールが戻ってくるイメージはできていたのか? それからまた抜きは狙っていたのか?

遠藤 明神から二川に渡ったときに播戸が動き出していたので、そこにスペースが空くとは思ったので、ボールが来ると信じて走っていました。あれは最初から最後までイメージ通りかというと、そうではないと思いますが、明神から二川に渡るときはそういうイメージができていたので、途中からイメージ通りでした。また抜きは狙っていました。

――アデレードがACLの決勝から、これほどレベルを上げてきたことに驚いたか?

遠藤 正直、(ACLで)2戦したアデレードではないと思った。コンディションも良さそうだし、運動量もあった。特に前半の最初と後半の最後は迫力を感じたので、あれが本来のアデレードだと思います。

――佐々木の故障で播戸を入れた対応はどうだったのか?

西野監督 攻める姿勢のメッセージですね。押し込まれていたし、その中で誰を選択するか。システムも2トップに切り替えて、そういうリスクチャレンジをあの時間帯では必要だと。そういう状況だったと思います。

<了>
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