春高バレー開幕!

胡 多巻
 今年で39回を数える春の高校バレーこと、バレーボールの全国高校選抜優勝大会。昨年は男子が東亜学園(東京)、女子は大阪国際滝井(大阪)がそれぞれ24年ぶりと13年ぶりという久々の優勝に酔いしれた。今年は高校生バレーボーラーの聖地・代々木第一体育館に場所を戻し(アスベスト除去工事のため2007年1月から8カ月間閉鎖していた)、20日からの7日間、高校生たちが熱き戦いを繰り広げる。

女子:大本命は前回Vの滝井、層厚い東九州龍谷が対抗

春高バレーが20日開幕。V・プレミアリーグ出場経験もある堀口ら、未来のスターたちに注目だ 【Photo:渡辺正和/アフロスポーツ】

 女子の優勝候補大本命は、やはり昨年の優勝校である大阪国際滝井だろう。大砲系の大きな選手はいないが、拾ってつないで速い攻撃に持ち込む細やかなバレーが特徴だ。なかでも、昨年は1年生ながらチームの攻撃の大黒柱として活躍した卜部里菜(2年・センター)や、中学3年時にV・プレミアリーグの岡山に入団内定、試合デビューを飾った堀口夏実(1年・セッター)は要注目だ。堀口はリーグ最高峰の舞台でもおくすることなく、その実力を見せつけ存在感をアピールしており、初の春高の舞台でも動じることなく華麗なトスまわしを見せてくれるだろう。
 その大阪国際滝井にリベンジを果たしたいのは、昨年準優勝に甘んじた東九州龍谷(大分)。多くのVリーガーを輩出し、昨年の優勝メンバーでもある先輩たちも多く実業団に入団しているが、後輩たちもまた層が厚く実力も申し分ない。過去にアジアユース選手権でMVPも獲得している長岡望悠(1年・レフト)をはじめ、全日本ジュニアに8人が選出されている。そのほか、全日本ジュニアにも名を連ねる峯村沙紀(2年・レフト)を擁する強豪・九州文化学園(長崎)や春高出場は4回目ながらも、ここ2年ベスト8に食い込んでいる細田学園(埼玉)の成長ぶりにも期待したい。

男子:連覇狙う東亜、清水&星野の2年生コンビに注目

 一方の男子見どころだが、優勝候補の筆頭はやはり昨年の覇者である東亜学園だろう。昨年は、春高を制したあとも高校総体で15年ぶりの優勝を果たし、その勢いは強さを増している。チームの中心は180cmとそう大きくないものの、速い攻撃に加え、サーブレシーブやブロックも高いレベルを持つ清水大嗣(2年・センター)と、パワフルな攻撃が魅力であり、全日本ユース代表でもある星野秀知(2年・レフト)が注目だ。
 その東亜学園を崩すべく臨む宮城の東北は、2002年以来春高優勝から遠ざかっているものの、それ以降を見ても準優勝が3回、ベスト4が2回と安定した強さを誇る。また秋田の古豪・雄物川も、前回大会ベスト8、昨年の高校総体ベスト4と確実に順位を上げ、今年こそは最終日のセンターコートで戦いたい。
 そして2005、06年と2連覇しているものの、昨年は2回戦負けという屈辱を味わった深谷(埼玉)。深谷は1回戦を勝ち抜いても、次の2回戦では昨年の準優勝校である鎮西(熊本)と当たり、3回戦に上がると順当に行けば先にも挙げた東北と当たる厳しいブロックにおり、果たしてどこまで勝ち抜くことができるのか。

 いくつか注目校を挙げてはみたが、高校生の全国大会ではどんな番狂わせが起こるか全く予想ができない。上位の座を、そして広いセンターコートで栄光をつかむことをどのチームも虎視眈々(こしたんたん)と狙っていることだろう。未来のスターたちの戦いに、大会序盤から目が離せない。

<了>
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著者プロフィール

1973年、東京都出身。フリーカメラマンとしてアマチュアスポーツや、ビーチバレー・バレーボール・ソフトボールの撮影を主に行う。アトランタ五輪以降の夏季五輪に足を運んでいる。

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