シュバインシュタイガー「もちろんドイツが本命」=2010年W杯欧州予選

小林幸帆

クリンスマンのバイエルン監督就任はいいことだと思った

シュバインシュタイガーは8月のベルギー戦でキャプテンマークを巻いてプレーした 【Getty Images】

――かつてドイツ代表を率いたクリンスマンがバイエルンの監督に就任しましたが、1月の就任決定をどう受け止めましたか?

 僕やドイツ代表の選手は彼の仕事のやり方も考え方も知っているから、いいことだと思ったよ。もちろん代表監督とクラブの監督は違うけれど、僕らドイツ代表選手の中での反応はポジティブなものだった。選手として欧州のいくつものクラブでプレーしていたから多くのことを学べるし、彼は選手のこともよく知っているんだ。それに選手のモチベーションを上げるものうまいしね。
 でも、クラブの監督としてのスタートというのは、そう簡単なものではない。だから、そのプロセスにはしばらく時間がかかるだろうけれど、あらゆることがきっとよくなっていくはずだ。

――ドイツ代表のクリンスマン監督と、バイエルンのクリンスマン監督とでは、何か違いはありますか?

 クラブの方がやることが多くなっているね。代表監督の時はレーブ(当時はアシスタントコーチ)と役割を分担していたけれど、今は自分1人で片付けなくてはいけないことが多い。それ以外はあまり変わらないかな……。でも、今は毎日のように顔を合わせているね、代表の時はそうではなかったけど(笑)。

いつの日かまた、キャプテンマークを

――これまでのキャリアの中で、素晴らしかったと言える瞬間は?

 この前のユーロだね。決勝に行けたし、常にスタジアムには家族や友達が来て、僕を応援してくれた。(クロアチア戦での)レッドカードなどで、多くの人が僕のことを計算から外してしまったけれど、底からはい上がって自分の力を見せつけることができた。それは、ものすごく大きな意味を持つものだったんだ。優勝候補と言われたもののクロアチアに負けたことで、めちゃくちゃな言われようをした。そういう中で再び立ち上がるというのは簡単なことではないけれど、僕らはやってのけたんだ。

――あなたはユーロ2004から代表の一員となり、今では主力となっているだけではなく、8月のベルギー戦ではついにキャプテンになりました。代表における立場や役割といったものに変化はありますか?

 変わったね。(ユーロ2004)当時はポドルスキとともに若い新入りだったけど、それからの4年間で多くのことを学んだ。ユーロ、コンフェデレーションズカップ、W杯、そしてこの前のユーロ……と多くのことを学んだし、自分にもたらしてくれるものも大きかった。僕は常にうまくなりたいと思っているし、そうであると思っている。

 すでに代表キャップも60くらいになっていて(※ロシア戦で60)、チームの中では古株になるんだ。代表チームではもっと責任を持つことを期待されていて、自分ではそれをこなしていると思っている。そしてキャプテンマークを巻くというのは、気分のいいものだね。自分にとっては特別なことだったし、すごくうれしかった。バラックもキャプテンとしてとてもうまくチームを率いているけれど、いつの日かまた、キャプテンマークを巻く喜びが味わえるといいね。

――2010年のW杯予選ではロシアなどと同組に入りましたが、このグループをどう見ていますか?

 とてもやりにくいグループだね。ロシアという強いチームがいるし、グループ首位だけがストレートで出場権を得るから、周りが言うような簡単なグループではないと思う。3度もリードされて3−3まで追いついた(9月の)フィンランドでの試合も大変だったし、ウェールズとは去年(11月に)戦って0−0という結果だった。相手を見くびることはできない。もちろんドイツが本命だと思うけど、グループにはロシアという難しい相手がいるからね。

<了>

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著者プロフィール

1975年生まれ。東京都出身。京都大学総合人間学部卒。在学中に留学先のドイツでハイティーン女子から火がついた「スキージャンプブーム」に遭遇。そこに乗っかり、現地観戦の楽しみとドイツ語を覚える。1年半の会社員生活を経て2004 年に再渡独し、まずはサッカーのちにジャンプの取材を始める。2010年に帰国後は、スキーの取材を続けながら通訳翻訳者として修業中。

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