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武豊「勝った馬が強かった」 ウオッカまさかの秋初戦2着=毎日王冠
スーパーホーネット金星V! 藤岡佑「差せる手応えあった」
毎日王冠でウオッカはまさかの2着……天皇賞・秋へ不安を残す結果となった
毎日王冠でウオッカはまさかの2着……天皇賞・秋へ不安を残す結果となった【スポーツナビ】

 ウオッカ、まさかの敗戦……! JRA秋の伝統の一戦・第138回GI天皇賞・秋(11月2日、東京競馬場2000メートル芝)へ向けた最重要ステップレース、第59回GII毎日王冠が12日に東京競馬場1800メートル芝で開催され、断然の1番人気に支持された武豊騎乗のGI3勝馬・ウオッカ(牝4=角居厩舎)が2着敗戦。秋の盾へ向けて、秋初戦まさかの黒星スタートとなった。

 勝ったのは藤岡佑介騎乗の2番人気スーパーホーネット(牡5=矢作厩舎)。ゴール10メートル手前で差し切る会心の競馬で、アタマ差V。この勝利で一躍、天皇賞・秋の有力候補に名乗りを挙げた。良馬場の勝ちタイムは1分44秒6。なお、3着にはアドマイヤフジ(牡6=橋田厩舎)が入線した。


 また同日、京都競馬場では同じく天皇賞・秋へ向けたステップレース、第43回GII京都大賞典(2400メートル芝)が行われ、天皇賞・春&秋連覇を狙う春の天皇賞馬アドマイヤジュピタ(牡5=友道厩舎)が9着大敗。1番人気のアルナスライン(牡4=松元茂厩舎)も5着に敗れ、4番人気の伏兵トーホウアラン(牡5=藤原英厩舎)が勝利。東西ステップレースでGI馬が敗れる波乱の秋王道路線スタートとなった。

「あと何十メートルかで、脚が鈍ってしまいましたね」

スーパーホーネットの強襲にあい、ウオッカは秋初戦を飾ることはできなかった
スーパーホーネットの強襲にあい、ウオッカは秋初戦を飾ることはできなかった【スポーツナビ】

 歓声と悲鳴と、そして、どよめきと。およそ7万人のファンで埋められたスタンドからは、スタート直後から馬群がゴールを過ぎた後も、この3つの声が入り混じった異様な雰囲気に包まれていた。

 まず、大きな声が上がったのはゲートが開いてから直後のこと。なんと、ウオッカがポンと好スタートからハナへ立ったのだ。末脚自慢のウオッカとしては、まさかの展開。一方、鞍上の武豊はこう振り返っている。

 「特に決めていたわけではないですけど、枠順やメンバーを考えたら、それも作戦の1つと思っていました。スタートも良かったので、馬のリズムを優先しようと」

 事実、ウオッカと武豊は特に折り合いを欠くことなく悠々とペースを刻む。1000メートルの通過が59秒3。馬場状態を考えても、決して速いペースではない。

 「引っ掛からなかったし、いい感じで行けました。直線に入ってもこの馬らしい伸びだったんですけど……」

 最後の直線に向いても、武豊は手綱を持ったまま。絶好の手応えで後続をさらに突き放しにかかる。このまま押し切り態勢かと思われたが、「あと何十メートルかで、脚が鈍ってしまいましたね」。


 ヒタヒタと追走していたスーパーホーネットが残り100メートルを切ったところで馬体を並べ、あと残り数完歩で逆転の差し切り負け。文字通り、もうひと踏ん張りが利かなかった。

 脚色が鈍った要因、この日の敗因が4カ月ぶりの休み明けにあったのかは、「57キロを背負っていたし、何とも言えませんが」と武豊。ただ、ウオッカ自身、ゴール前で鈍ったとはいえ上がり3F33秒8の末脚。それだけに、「きょうは勝った馬が異常に強かった。こっちも差されるような脚じゃなかったですからね」と、今回ばかりはスーパーホーネットの鬼脚に脱帽するしかなった。

 「残念ですけど、次、また頑張ります」と、武豊は本番の天皇賞・秋へ向けて巻き返しコメント。一方、管理する角居調教師も「予定は変わりありません。この後は天皇賞へ向かいます」と出直しを誓った。


 京都では春の天皇賞馬アドマイヤジュピタも敗れ、波乱のスタートとなった秋王道路線。もちろん、ウオッカらGI馬がこのまま黙っているはずはないだろう。だが、本番に不安を残す厳しい秋初戦となってしまった。

「手が届く位置まで来ている」この秋GI獲りへ、堂々宣言

殊勲の騎乗を見せた藤岡佑は馬上でニッコリの笑顔
殊勲の騎乗を見せた藤岡佑は馬上でニッコリの笑顔【スポーツナビ】

 してやったり! 会心の騎乗で相棒を金星Vロードに導いた藤岡佑はゴールの瞬間、右手で大きくガッツポーズ。そして笑顔がはじけた。

 「うれしいですね、ハイ。枠が決まった時から(ウオッカの隣の2番枠)、チャンスがあるなと思っていましたし、ウオッカを見ながらのレースをしようと思っていました」

 ウオッカが逃げる予想外の展開となったが、マークする藤岡佑は「十分予想していたので」と特に驚くこともなく、冷静にウオッカを見ながら5番手の最内から追走。最後の直線に入り、ウオッカが抜群の手応えで末脚を伸ばすが、スーパーホーネットはそれ以上の勢いで差を詰めていった。

 「外にスムーズに出すことができましたし、しびれるくらいの手応え。十分に差せるという手応えでした」

 鞍上の期待に応えてスーパーホーネットが繰り出した末脚は上がり3F33秒3の鬼脚。ゴールまで残り数完歩での逆転という、まさに測ったような差し切り劇だった。


 これで天皇賞・秋の有力候補の1頭として堂々名乗りを挙げたスーパーホーネットと藤岡佑。春はGI安田記念で1番人気に支持されるくらい、マイラーとしては実力ホースと認知されているが、2000メートルでは3歳時に2戦してGII弥生賞の5着が最高。それだけに、このまま天皇賞・秋に向かうのか、秋のマイル王決定戦・GIマイルチャンピオンシップ(11月23日、京都競馬場1600メートル芝)へ駒を進めるのか、その路線が注目される。同馬を管理する矢作調教師が今後のローテーションについて語った。

 「馬の状態と、オーナーと相談してからになりますね。現時点ではハッキリと決まっていません。あくまで馬の状態が第一となりますね」

 どちらに向かうかはまだ未定と強調した矢作調教師だったが、これはスーパーホーネットのコンディション次第であって、距離に関しては「今日のレースの感じなら2000メートルでも」と不安はない。また、それは実際に手綱を握った藤岡佑も「あと200メートル伸びても、止まる感じはしません」と、2000メートル克服に自信を見せている。


 「ウオッカはすごく強いですけど、これでライバルとして認めてもらえるくらい成長していると思っています。GIに手が届く位置まで来ています」

 藤岡佑がキッパリと口にしたこの秋のGI獲り宣言。「安田記念は自分の責任。うまく乗れなかった」と、春は人気を集めながら期待に応えられなかっただけに、胸に期するものは大きいに違いない。22歳の若武者が切れ味自慢の“名刀”スーパーホーネットとともに、秋GI戦線を熱くする。

スポーツナビ

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