五輪戦士たちの穴を埋める若鷹は誰だ!?
新外国人野手の補強はならず
しかし、新たな外国人選手は必要だったのだろうか。個人的には吉川の登録に賛成したい。プロ11年目。昨季オフに巨人を戦力外になりホークスに拾われた。1軍での実績は06年に放った2安打のみだが、ここまでウエスタン・リーグトップの8本塁打を放っている長打力は魅力だ。また、今季は若手選手の台頭が例年より目立っている。長谷川勇也や中西健太はその代表格だ。王貞治監督は球宴前までの戦いを「(故障者の続出で)苦しい戦いだった。だが、だからこそ若い選手たちが出てきた。悪いことばかりではなかった」と総括した。外国人選手の加入はチームの活性化につながるかもしれないが、新たな息吹を摘んでしまう危険性もある。今季のチームの流れからすれば、若い力に期待したいところだ。
高卒ルーキー岩嵜の潜在能力に期待
先発ローテ2人の穴は、パウエルやガトームソンら外国人投手で埋める手はあるが、あえて若手投手に期待したい。まず名前を挙げたいのが高卒ルーキーの岩嵜翔だ。岩嵜は7月23日のオリックス戦(ヤフードーム)で電撃デビュー。先発としてマウンドに上がり3回3失点で降板したが、最速は147キロをマーク。さらに強打者のカブレラに対して初球から90キロ台のカーブを投げ込む度胸の良さを見せた。結果だけを見ればほろ苦いデビュー戦だったが、捕手の高谷裕亮は「いつもとは全く違う。アイツはこんなものじゃない。そういえば2軍で最初に投げた試合もこんな感じだった。2度目は大丈夫ですよ」と話していた。25日に出場選手登録を抹消されたが、その後も1軍に帯同する「英才教育」を受けた。王監督も「物おじせずよく投げた」と投球内容を評価しており、2度目の1軍マウンドは遠くないはずだ。
さらに3年目での1軍デビューを狙う大型左腕もいる。身長191センチで「ランディ」の愛称で呼ばれる大田原隆太だ。今春のキャンプで初めてA組入りを果たしながら不調でファーム暮らしを続けていたが、6月過ぎから好調に転じて現在はファームで先発ローテーションの一角を担っている。
「キャンプでは自分のペースを見失ってしまいました。去年はシーズンが進むにつれて調子を落としたけど、ことしは逆。大事な時期に好調でいられることは自信になります」
ちょうど1年前に「星野ジャパン」入りしてプレ五輪に出場した逸材でもある。「杉内さんと和田さんが抜ければ左投手は必要とされますからね」とニヤリと笑った。
川崎の抜けるショートは大激戦
※次回の掲載は8月29日の予定です。
<了>
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