日本人未踏のフィールドへ=高橋健介インタビュー第1回

スポーツナビ

海外チームからのオファーが自信に

高橋がコートに立てば、スペイン1部リーグで初めてプレーする日本人となる 【スポーツナビ】

――今回の移籍以前にも海外のチームからオファーがあったと聞きましたが

 ポルトガル遠征に行ったときにイタリアのチームから声をかけてもらいました。そこが海外移籍を志す上で、一番大きかったですね。自信にもなりましたし、評価してくれる人がいると感じ、本格的に行きたいと思いました。そのまま残ってくれと言われたんですけど、プレデターも交えてしっかりと契約しないといけないからと、いったん帰国してから話すことになったんです。でも、向こうのチームも開幕間近でいつまでに来てほしいと、でもプレデターもリーグ戦の中盤戦のいいところだったのでその日には出せないとなって、まとまらなかったんです。
 その次の年にFリーグができることも分かっていて、Fリーグに1回は出たいという気持ちもあったので、残ることにしました。

――Fリーグを1シーズンやってみての感想は

 観客の違いが一番大きいと思います。ホームでは満員のお客さんが僕らを応援してくれている。関東リーグのときは、みんな“見ている”という感じだったので、そこが変わりましたね。応援というのは代表でしか感じなかったんですが、チームでも味わえるようになりました。ホームで強くなると言われる部分が分かる気がしましたね。
 移動や練習日程も変わりました。それまでは仕事で練習に行けませんというのがOKだったのが、絶対に練習をやるという状況になって、環境がガラっと変わりました。プロに近い経験ができて良かったと思います。

――移籍に至った経緯を教えて下さい

 去年の末に、僕はこの1シーズンが終わったら(海外に)行きたいとシト・リベラ監督に伝えていました。監督は向こうの1部でずっとやっていた人で、評価しているし、やれると思うから紹介してやると。それで、5月に興味を持ってくれたスペインのチームにテストに行きました。

――外国人枠を空けたり、10番をもらったりと待遇もいいですよね。プレッシャーもあるのでは?

 10番はたまたま空いていただけだと思いますが(笑)。テストのときから、このチームは入り込みやすかったんです。僕はドリブルでガッといくわけじゃなく、チーム戦術にうまくはまっていって、前の方で勝負するタイプなんですが、その前に行ったときにいいボールが出てくるんです。練習参加のときも、ワンプレー目で、前で動いてボールが出てきてシュートを打つことができました。それで、1日目にポンポンと点が取れたことも大きかったのかもしれないですね。ほかのチームも回りましたが、セゴビアはイメージが沸きやすく、自分の特徴を出しやすいと感じました。すごくファミリーな感じでいいチームですよ。
 日本を代表して行くという責任を背負っていると思うので、その不安・プレッシャーはありますが、早くやってみたいというワクワク感もありますね。

スペインのフットサルはプレーの選択肢が多い

高橋に与えられた10番には、チームの期待がうかがえる 【スポーツナビ】

――スペインのフットサルと日本のフットサルで違うところは?

 いっぱいありますが、一番思ったのはボールのもらい方の部分です。大きく言えば(スペインは)プレーの選択肢が多い。ボールを出す方法も、ボールをもらう方法も選択肢が多い。「あ、なるほどな」というような、マークにつけないようなもらい方とかがありました。プレーの選択肢が多い、頭がいい選手がすごく多いと思います。
 ブラジル人のようなテクニックを磨いて帰ってこようとは思っていないし、僕の年齢からドリブルがすごくうまくなるとは思わないので、それ以外の部分で、ボールのもらい方やパスを出す部分の選択肢を盗めたらいい。それは日本にとってもいいことじゃないかと思います。

――スペインでの目標は?

 戦術的な部分で、監督が言うことをある程度しっかりとやって、それプラス、前の方で少ないタッチでゴールに結びつけるところが自分の特徴だと思うので、スペインでもそこはやっていきたいですね。ドリブルで仕掛ける得意なポイントもあるんですが、それがスペインのプレースタイルにはまるか分からない。前の方でゴールに結びつける部分は、練習参加のときにやれると分かったので、まずはそっちですね。

 やっぱり点を取りたいけど、正直イメージが沸かないです。まずは試合に出られるようにチームに入っていくことが今見えている目標です。その中で、外国人としているので、点を取る、点にからむことはしないといけない。2ケタは得点を取って帰ってきたいなと思います。

――小暮選手と対戦するかもしれませんね

 そうですね。日本人対決は初めてのことですね。そこまでの余裕があるか分からないですけど。「小暮さんと対戦するぞ」となるには、もうちょっと先ですね。

<第2回に続く>

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