ウオッカ弾けた! 完全復活! ダービー以来1年ぶり美酒=安田記念

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ウオッカ復活V! 昨年のダービー以来約1年ぶりの勝利を安田記念で飾り、アジア最強マイル王に 【スポーツナビ】

 ウオッカ完全復活! 「アジアマイルチャレンジ」シリーズ最終戦でもあるJRA春のマイル王決定戦、第58回GI安田記念(1600メートル芝)が8日、東京競馬場で開催され、岩田康誠との初コンビで臨んだ昨年のダービー馬ウオッカ(牝4=角居厩舎)が、2着馬に3馬身半差をつける会心の競馬で優勝。歴史的勝利を飾ったダービー以来、約1年ぶりの復活勝利を挙げるとともに、アジア最強マイル王の称号を手にした。良馬場の勝ちタイムは1分32秒7。騎乗した岩田、管理する角居勝彦調教師ともに、安田記念は初勝利となる。

 2着には先行2番手から粘った5番人気の香港馬アルマダ(セン7=J.サイズ厩舎)、3着には馬群を割って伸びてきた福永祐一騎乗の9番人気エイシンドーバー(牡6=小崎厩舎)が突っ込んだ。一方、1番人気に支持されたスーパーホーネット(牡5=矢作厩舎)は末脚不発で8着敗戦。マイル部門で現在世界最高の国際レーティング122をマークしている香港のグッドババ(セン6=A.シュッツ厩舎)は17着と大敗した。

待っていた復活V、ウイニングランに万雷の拍手

ファンの大歓声に、左手を上げて応える岩田 【スポーツナビ】

 見よ、これが64年の歴史の壁を突き抜けた第74代ダービー馬の脚! そして、競馬ファンはウオッカの完全復活を待っていた。歓喜のウイニングランで戻ってきた岩田&ウオッカに、正面スタンドからは万雷の拍手が送られる。初騎乗で殊勲の勝利に導いた岩田はこれに応え、3度、4度と大きく左手を上げた。

 「さすが、ダービー馬だなと思いました。ダービーの直線で使った33秒の脚を体験できたのが、すごくうれしいですね。直線の感触は、“バキューン!”でした(笑)」

 “天然系”の岩田らしい表現でウオッカのラストの脚をこう表現すると、ニッコリと満面の笑顔。この“バキューン!”という表現が不思議なほどしっくりくるくらい、ウオッカがこの日爆発させた破壊力は、1頭、図抜けていた。

狙った最内好位、ラストの脚は「すごい体験」

最内を豪快に突き抜け、香港のアルマダに3馬身半差をつけて大勝! 【スポーツナビ】

 レースは、ウオッカがポンと好発を切ると、なんとハナを切る勢いで顔をのぞかせる。場内がどよめく中、すぐに折り合いをつけ、向こう正面は終始3番手の最内ピッタリでジッと我慢。後方一気のイメージを覆す戦法を、岩田はこう振り返った。
 「きのう、きょうのレースに乗った感じで、インは見た目よりも芝が硬かったし、内しか取る気がなかった。3枠5番だったし、あのポジションは早くから決めていましたね。スタートがいい馬だと聞いていたので、馬なりであの位置を取れると思っていました」

 いい位置で、本当に気持ち良く走れたと思います、と課題の折り合いもバッチリ。絶好の手応えのまま直線で追い出されると、解き放たれた弾丸のように最内を一気に突き抜ける。すぐ前を行く国際GI2着のアルマダに抵抗さえ許さず、瞬く間に3馬身置き去りにした。

 「残り200メートルで脚色も鈍らなかったですし、抜け出す時の速さは他の馬ではない体感速度でした。この時点で、もうこの馬以上の脚を使う馬はいないだろうと思いました。これほど気持ちいい風を浴びたのは、アドマイヤムーン以来でしたね。すごい体験をさせてもらいました」

 ラスト1ハロンを切って、勝利を確信した鞍上。激しい2着争いなど別世界のごとく、3馬身半もの差をつけて悠々と完全復活のゴールへと飛び込んだ。この着差は、過去10年の安田記念を振り返っても最大である。

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