●●ユーロ（欧州選手権）２００８の開幕まであと２週間と迫った今、カリム・ベンゼマは、フランス代表がヨーロッパのタイトルを狙えると信じている。フランス・リーグ１の７連覇を達成したリヨンの背番号１０は、今季３４試合に出場、２０得点を挙げ、得点王と年間最優秀選手に輝いた。そしてチャンピオンズリーグ（ＣＬ）では、決勝トーナメント行きのかかったレンジャーズ戦でチームを勝利に導く２ゴール。ベスト１６でも、後に優勝したマンチェスター・ユナイテッドを危機に追いやる先制点を奪った。今季、欧州中で最もブレークしたといえる２０歳の若武者は、初のユーロ挑戦にもまったく物怖じしていない。その溢れる才能と揺るぎない自信が、彼の輝かしい未来を予感させる●●

――カリム・ベンゼマ、あなたはフランス代表がユーロ２００８の優勝候補の一角であると思いますか？

　ああ、フランス代表は世界最高のチームのひとつだ。ビッグトーナメントでは当然、勝利を、そして優勝を目指す。フランスは偉大なチームであり、素晴らしい受賞暦を持つだけでなく、遠くまで勝ち進むための能力を持ったチームなんだ。

――でもフランスのグループは、４組の中で一番厳しいものと見なされています

　確かにそうだ。でも少なくとも、僕らはそのことを前もって知っているから、心構えはできている。そして、３つのビッグ・マッチが保証されているとも言える。イタリアは、世界チャンピオンだ。オランダは印象的な攻撃力を持ち、その潜在能力はとても高い。またルーマニアも、非常に堅固なチームだ。なにせ彼らは、予選でオランダをしのぎ、グループ１位で本大会行きを決めたんだからね。
　プレッシャーはいっぱいだけど、実を言うと、僕はそういうのが大好きなんだよ。僕がサッカー選手という仕事をやっているのは、こういう高いレベルの試合をプレーするためなんだ。

――あなたはグループリーグでイタリア代表、そしてきっとリヨンのチームメートであるファビオ・グロッソと再会することになります。フランス対イタリアの試合について、２人でもう何か話をしましたか？

　それについては、もう彼と何度も話したよ。僕自身はまだ、一度もイタリア代表と対戦したことはないんだけれど、何が自分を待ち受けているかは分かっている。イタリア代表との対戦は、伝統的に接戦となり、激しく、また非常に戦術的な試合になる。この２チームが顔を合わせるとき、多くのゴールが出ることは決してない。でも最も重要なのはルーマニア戦、６月９日の僕らの最初の試合にうまく対処することだと思う。初戦の成績は、その後に続く試合に影響を与えるものだからね。

――あなたはフランス代表を優勝候補の一角と認めましたが、そのほかにタイトルを勝ち取れる力を持っているのは、どの代表だと思いますか？

　戦いは非常に競ったものとなるだろう。フランスに加え、イタリアにも優勝のチャンスがあると思う。イタリア代表は現世界チャンピオンだし、大きな大会に慣れている。さらに彼らは、非常に偉大な選手たちを擁している。イタリアは、すごく守備が堅固で安定した力を誇るチームだ。そのほかには、ポルトガル代表も突き進む可能性を持っている。クリスティアーノ・ロナウドは並外れた選手だし、ポルトガル代表は非常に技術力の高いチームだからね。そしてまた、スペインもいる。でもスペインは、頻繁に優勝候補の一角に名前を挙げられているにもかかわらず、決して最後の方まで勝ち進まないよね。