バレー全日本女子、難関の初戦で貴重な白星=五輪最終予選
データバレーの巧者・ポーランドを破り、白星発進の全日本女子 【(C)坂本清】
第2セットはポーランドのミスに救われて逆転
選手は反省点挙げるも決して悪くないスタート
戦評
第1セットは、日本が素晴らしい出足からリードを奪い続けた。序盤、竹下佳江のサーブから始まる攻撃で4点を先取すると、その後も栗原、高橋、木村沙織を中心に得点を重ね、リードを6点差と広げた。しかし、中盤に入るとブロックに捕まる場面が目立つ。ポーランドは、アンナ・ポドレッツがバックアタックの体勢からフェイントを落とすなど(日本)18−17(ポーランド)と1点差に詰め寄った。それでも日本は竹下のフェイントや相手のミスで24−20と4点差に突き放すと、最後は投入直後の櫻井由香がサーブでポーランドの守備を乱し、相手のスパイクミスを呼び込んだ。第1セットは、日本が25−20で先取。
<第2セット>
第2セットは、1〜2点差でリードを奪い合う一進一退の展開。中盤、互いがフェイントを繰り出す展開になると、日本はリベロの佐野優子が好レシーブを見せるなど粘りを見せる。ポーランドはアグニェシュカ・ベドナレクが速攻から打点が高いスパイクを素早く打ち込んで応戦。22−22の同点から日本のサーブミス、エースのマウゴジャータ・グリンカのバックアタックで(日本)22−24(ポーランド)とセットポイントを呼び込んだ。しかし、ポドレッツがサーブをミス。日本は竹下に代えて多治見麻子を投入すると、高さに厚みが加わわった前線で荒木がブロックを決め、24−24のジュースに持ち込んだ。互いに得点を取り合った25−25の展開から、日本は佐野のスーパーレシーブ、荒木のブロックなどでアドバンテージを奪うと、最後は木村のバックアタックで27−25と逆転で2セット連取を果たした。
<第3セット>
第3セットもきん差の攻防となった。序盤、日本は栗原が長身を生かした溜めのあるスパイクを決め、木村が不安定なトスをバックアタックで決め切るなど好プレーが見られるものの、相手の攻撃を止められずに両チームの得点は拮抗した。中盤に入ると、日本は竹下が好レシーブを連発するものの、トスがうまく上がらないために攻め切ることができず、フェイントに頼る形が増える。すると、木村のバックアタックが3枚のブロックに阻まれて13−17と4点のリードを奪われるなど攻撃に余裕がなくなり、次第に流れを失っていく。結局、その後も3連続失点を喫するなど苦しみ、最後はサーブミスで19−25とセットを奪われた。
<第4セット>
第4セットは、日本が勝利をつかみ取るか、ポーランドが流れを変えるかの勝負どころとなった。日本が木村のスパイクで12−9とするまで、双方のリードが3点以上になることはなかった。しかし、そこから日本が一気に流れをつかんだ。竹下のバックトスを高橋がストレートに打ち込んで決めると「2003年の時点から2人と心中するつもり」でチームを作ってきた柳本監督は咆哮(ほうこう)。さらに荒木がブロックを決めて3連続得点とした。その後はシーソーゲームとなったが、ポーランドはミスが目立ち逆転の可能性を生み出せない。最後は、この試合の勝ちセットでは必ず終盤に投入された大村加奈子がブロックを決め、25−17でマッチポイントを物にした。
<了>
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