主砲・松中も認める2年目の若鷹
2番打者ながらライトスタンド上段のパンチ力
2番打者ながらパンチ力もある。4月29日の埼玉西武戦(西武ドーム)でプロ初本塁打をマーク。ライトスタンド上段まで届く特大弾だった。1軍に昇格するキッカケも長打だった。2軍戦で放った8安打の内訳を見ると、本塁打1、三塁打3、二塁打4とすべてが長打だった。持ち味は「強く鋭いライナー性の打球を打つこと」という。さらに、ここ最近は「リラックスした感じで振る。その方が飛ぶことに気付きました」と新たな打撃をつかもうとしている。
離脱した多村の言葉を胸に
ここまでチームは連敗中。しかも初回に先制点を許しており、追加点は与えたくない。そして、この日は本拠地デビュー戦。必死になる材料がそろい過ぎていた。捕れると思った瞬間、すぐそこに気配を感じた。センターの多村仁もボール目掛けて突っ込んできた。
「多村さんの声は聞こえました。ただ、その時には遅かった。避け切れませんでした」
そのまま2人は激突。長谷川はかすり傷ですんだが、多村は右足腓骨(ひこつ)を骨折し、前半戦の復帰が難しいほどの重傷を負った。長谷川は担架で運ばれる多村をぼう然と見つめていた。
長谷川自身もルーキーイヤーの昨季は故障のためシーズンの大半を棒に振っている。「野球を始めてからこんなにつらい思いをしたことはなかった」というほど苦しんだ。だからこそ、余計に胸が痛んだ。
「ベンチに戻ってから、すぐに多村さんのところに謝りに行きました。多村さんからは『気にしなくていい。気持ちを切り替えて、これからもどんどん(ボールを)捕りに行けよ! そしてオレの分まで打てよ』と声を掛けてもらいました」
ここまで44打数10安打、2割2分7厘と打率は低いものの、5月に入ってからは8得点を挙げるなど、まずまずの結果を残している長谷川。しかし、立場はこれから厳しくなるだろう。同じ外野手の大村直之が7日までの東北楽天3連戦で4打数3安打と調子を取り戻し、スタメン出場をうかがっている。また、昨季2番打者を務めた本多雄一も2軍戦で5試合連続スタメン出場しており1軍復帰は間近だ。
長谷川の本当の戦いはこれから始まる。
<了>
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