黒田博樹、メモリアル・シーズンの幕開け
オープン戦で得た大きな収穫
オープン戦最終登板で好投したドジャースの黒田。女房役、マーティンとの意思疎通の問題もなく、万全の状態で初戦に挑む 【 (C)Getty Images/AFLO】
「ラッセルは幅広い配球をしてくれている。自分にとってもすごく勉強になった部分もあって、試合ごとにいろんな発見もあった。また、ぼく自身がこういうボールが投げたい、というのもラッセルに分かってもらえるようになったと思う。最初はただ投げているだけ、という感覚だったが、徐々にピッチングらしくなってきた」
メジャー1年目の黒田にとって、ラッセル・マーティン捕手の存在は大きいはずだ。まだ25歳と若いマーティンだが、2006年にレギュラーの座をつかむと、07年にはファン投票でオールスターに選ばれるなど、ナショナルリーグを代表する捕手となった。強肩に加え判断力も優れており、リーグ1位となる盗塁阻止率3割3分3厘(ちなみにメジャー1位は城島の4割6分5厘)という成績を残した。また、打率2割9分3厘、本塁打19本、打点87、さらには21盗塁をマークし、ゴールドグラブ賞とシルバースラッガー賞も受賞。チームMVP級の活躍で、08年版ドジャースのポケットスケジュールはマーティンが表紙を飾っていることが証明しているように、まさにドジャースの顔というべき存在だ。
良き女房役、マーティン
「会話だけじゃなくて、意思の疎通というか、マウンドとキャッチャーとの間での意図というか、そういうのが合ってきた」とマーティンとの呼吸が合ってきていることを認めているが、捕手との意思疎通面における懸念材料が少ないのは、余計なストレスも少ないということ。つまり、黒田は比較的早い段階にして、大きな収穫を得たと言っていいだろう。ただし、プロ11年の経験からか、気持ちを引き締めることも忘れない。
「(オープン戦)最後の登板でいいピッチングができたので、気持ちよくシーズンに入っていけると思う。ただ、こんなに簡単に抑えられるとは思っていないので、自分のベストのピッチングができるようしっかりやっていきたい」。