コラム〜水上の若きサムライたち〜

令和2年新人王最有力候補! 前田篤哉(後編)

前田篤哉(まえだ あつや)選手

2020年3月15日更新 文:黒須田守(BOATBoy) 写真:池上一摩(BOATBoy)

ヤングダービーでG1初出場

ヤングダービーでG1初勝利
ヤングダービーでG1初勝利

 デビュー2年足らずでA2級に昇級し、順風満帆にレーサー人生を歩み出した前田篤哉。現状を先に言うと、その後もしっかりとA2級をキープ。ボートレース常滑のフレッシュルーキーに選出されるなど、期待の若手としての地位を確固たるものとしている。
 とはいえ、A級ともなればさすがに一気に成績を上昇させていくというわけにはいかない。たとえばデビュー4期目の勝率は5.56。その前の期からは0.15アップさせたのみだった。
 それでも、着実な進歩はうかがえた期でもあった。1着回数などもアップしており、優出も4回。19年の正月開催では、平本真之ら地元の強豪先輩を相手に優出を果たしている。この時点でデビュー1年9カ月だから、立派な活躍だった。
 デビュー5期目の勝率は5.77。やはり急上昇というわけではなかったが、それでもデビュー以来勝率ダウンを喫した期は今のところない。また、この期間では大きな成果もあげている。まずは19年6月、プレミアムG1ヤングダービーの前哨戦となるG3イースタンヤングに出場した前田は、予選で3勝をあげる活躍を見せ、準優勝戦に出走。その準優も2コース差しで前年のヤングダービー覇者である関浩哉を破り、優勝戦に駒を進めたのである。G3とはいえ、全国的に注目の集まる一戦で優出したのは大きかった。結果こそ6着大敗だったが、いいステップとなっていた。
 また、9月にはヤングダービーへの出場を果たしている。ヤングダービーの選考基準は前年7月1日から当該年6月30日の勝率上位者(当該年9月1日時点で30歳未満の選手)となっているが、このボーダーラインに届きそうだとわかった前田は気合の勝負駆けに見事に成功。初のG1出場をもぎ取ったのである。
 このヤングダービー、さすがに同世代のトップどころが顔を揃える戦いで苦戦を強いられたが、5日目にはイン逃げでG1初勝利もマーク。着実にその名前を売っていったのである。

今年の目標を力強く語る
今年の目標を力強く語る

 このデビュー5期で、少々残念だったのが19年7月の丸亀ルーキーシリーズだ。前田はこのシリーズ絶好調で、4勝をあげて得点率トップで予選突破を果たしている。準優勝戦も逃げ切って、優勝戦は1号艇。絶好の、初優勝のチャンスを迎えていた。その優勝戦、インコースからコンマ09のスタートをきっちりと決めているが、外枠の先輩たちの攻撃が厳しかった。激しい展開となった1マークで、前田は中田達也のまくり差しを許し、結果6着に大敗してしまったのだ。
 昨年の最優秀新人に選ばれた宮之原輝紀は、同賞の対象である118期以降の選手の中で年間勝率トップ、獲得賞金額トップだった。これが選出理由となっていたのだ。だが、実は年間勝利数は前田が70勝でダントツ、宮之原には16勝差をつけていた。年間勝率も3位。そして、宮之原は昨年優勝回数が0回で、もし前田がこの丸亀で優勝していたら、最優秀新人争いはもっと接戦になっていた可能性があるのだ。もっとも、宮之原はヤングダービー優出、G2優出があったので、その中身も考慮されての選出だったであろう。前田は分が悪かったことに変わりはなかったはずだ。しかし、もし優勝を手にしていればさらに今年への展望は開けていたと考えると、惜しい一戦だったとは言える。ともあれ、対象期間を1年残して新人王争いに加わったのは価値が高かったと言えるわけだが。
 令和2年を迎えて、前田はまず「優勝をしたい」と目標を掲げる。丸亀のリベンジというわけではないだろうが、やはり初優勝は目の前のターゲットであろう。さらに「A1級になりたい」とも口にしていた。この原稿執筆時点で、前田の今期の勝率は6.19。あと一歩でA1級に届く数字だ。級別審査期間は4月30日まで。あと1~2カ月、前田はまさに勝負駆けを戦うことになるわけだ。近況は、主武器となっているまくり差し、差しに加えて、まくりでの1着も増えており、攻め筋は多彩さを増してきている。それをさらに磨いていけば、来期A1級昇級は充分にありうるだろう。
 そうした先に、もちろん見据えるは「新人王」。今年1月、筆者が彼と話した際にその話を切り出すと、彼は力強くうなずいてみせた。120期生のフロントローを走る者として、自分が獲らねばならないという使命感も見えたような気がした。まさに真価が問われる令和2年。さらなる進歩に期待したい。

前田篤哉
前田篤哉 (まえだ あつや)選手プロフィール

登録番号4983。120期。支部・愛知。出身・愛知。1996年11月29日生まれ。O型。

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次号は近日公開予定です。

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