コラム〜水上の若きサムライたち〜

2020年前期、初のA1級昇級! 川原祐明(後編)

川原祐明(かわはら ひろあき)選手

2020年1月15日更新 文:黒須田守(BOATBoy) 写真:池上一摩(BOATBoy)

確かなスタート力

ヤングダービーではG1初勝利!
ヤングダービーではG1初勝利!

 養成所での訓練時代は成績で後れをとったものの、デビュー後は8期目で5.50の勝率をマークして、A2級に昇級した川原祐明。9期目も5.75の勝率を残し、A2級をキープしている。
 川原の成績が安定感を見せてきたひとつの要因は、スタートの確かさと言える。デビュー期にコンマ16の平均スタートタイミングをマークし、2期目はコンマ14。好スタートを連発しながら、この2期=1年間でフライングを1本も切っていない。期別の最高タイミングはコンマ12で、かなり踏み込んだスタートも少なくないなか、デビュー5年でフライングは3本のみ。これは立派である。早いスタートを行きながらフライングが少ないというのは、まさしく理想的と言ってもいい。
 そのスタートを武器にしつつ、まくり差しハンドルがキャリアを追うごとに冴えてきている。まくり1着は少ないのだが、スタートで主導権を握って展開を切り裂いていくスタイルは、着実に川原の成績を伸ばすことにつながっていった。そうした活躍もあって、19年2月には、四国地区選手権でG1初出場を果たしてもいる。四国地区は支部が香川と徳島の2支部のみで、A1級の絶対数が少なく、地区選にはA2級もあっせんされることが多いが、19年はそのうちの一人に川原が選ばれたのである。自身3本目のフライングがこのときのものなのではあるが、初のG1でさすがに気が逸ってしまったか。それでも2度の連絡みで舟券には貢献している。
 そうして成績を向上させていった川原は、19年のプレミアムG1ヤングダービーに出場を決める。前年の優勝が同期の関浩哉だったこの一戦、そのときは出場すらかなわなかった川原が、まずは同じ舞台に立つことに成功した瞬間だった。

ついにA1級に到達した!
ついにA1級に到達した!

 ヤングダービーでは2連対率が28%のモーターを引いて、苦戦を強いられるほろ苦い一戦となってしまったが、4走目でG1初1着をマークしている。このとき水神祭が行なわれているが、水面に放り投げられた川原が陸に上がってくるとパンツが半分脱げている“半ケツ”状態(笑)。ユーモアのあるところも見せている。また、2走目の1号艇インコースのレースこそコンマ35というドカ遅れをやらかしてしまったが、それ以外のスタートタイミングはコンマ03、03、12、08、05、13、01とゼロ台連発。この7走に限ると平均コンマ06なのだから驚きだ。結果を見れば残念なものに終わってしまっているけれども、川原の持ち味は十分に発揮されたヤングダービー初陣だったのである。
 ヤングダービーを走ったデビュー10期目、川原の成績はさらに高値で安定していく。終わってみれば、勝率はキャリアハイの6.23。これはA1級のボーダーラインを超えるものだった。初のA1級昇級を決めたのである。やまと学校(現ボートレーサー養成所)では決して優等生ではなく、優秀な同期生に先行されながらも、着実に努力を続けて成長していった川原が、ついに最上級クラスに辿り着いたのだ。諦めることなく己と向き合っていけば、G1にも出られればA1級にもなれる。これは後輩たちやこれからレーサーを目指そうという若者、また現在ボートレーサー養成所で訓練に励む者たちにも勇気を与えるはずだ。
 もちろん、これは単なる通過点である。まずは今後もA1級をキープしていかなければならないし、タイトルも視野に入れていかなければならないだろう。現時点では、G1四国地区選手権に出走が予定されている。19年は勇み足をしてしまった一戦、A1級として雪辱を果たしたいところだ。
 そして、まだ経験のない優勝も近いうちに果たさなければならない。そう、まだ初優勝を味わっていないのだ。A1級となった以上、優勝候補の一角にあげられるシリーズも増える。一日も早く、その美酒を味わってほしい。そのときに行なわれるだろう水神祭で、川原が何を見せてくれるかも楽しみではある。

川原祐明
川原祐明 (かわはら ひろあき)選手プロフィール

登録番号4852。115期。支部・香川。出身・愛媛。1994年12月24日生まれ。AB型。

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