コラム〜水上の若きサムライたち〜

2020年前期、初のA1級昇級! 川原祐明(前編)

川原祐明(かわはら ひろあき)選手

2020年1月1日更新 文:黒須田守(BOATBoy) 写真:池上一摩(BOATBoy)

後れを取っていた養成所時代

養成所では低勝率に甘んじる
養成所では低勝率に甘んじる

 この1月1日から「2020年前期」がスタートした。ボートレースでは、1期半年間で1月1日~6月30日が前期、7月1日~12月31日が後期。この期間、定められた“身分”でレースを走る。“身分”とはすなわち級別のこと。前期の場合、前年5月1日~10月31日の成績により級別が決定する。後期は前年11月1日~4月30日で、これらの期間は「級別審査期間」と呼ばれる。実際に前期後期が始まるより2カ月前にその期の級別が決まるわけで、これはあっせん決定などのシステムによる。今期=2020年前期は始まったばかりだが、2020年後期の級別審査期間はすでにスタートしており、選手たちは今期の多くを後期の級別を賭けて戦っているともいえるわけだ。
 選手の級別は勝率によって決定され、上位20%がA1級、次の20%がA2級、次の50%がB1級で、それ以外がB2級となっている。ようするに成績の順番に上位級別になるわけだが、この級別は単なる成績順というだけでは済まない。まず、A級とB級ではあっせん数が違う。レースを走れる回数が変わってくるのだ。すなわち、ざっくり言って稼ぎが変わってくる。もちろんA級のほうが多く、より多くの賞金を得たいのならばA級を目指さなければならない。
 A1級とA2級にも違いはある。周年記念などのG1は原則としてA1級だけがあっせんされるのだ。SGでも、ボートレースオールスター、グランドチャンピオン、ボートレースメモリアル、ボートレースダービーはA1級でなければ出られない。収入の面で言うなら、高い賞金額のレースに出るにはA1級にならなければならないわけだ。これについては、当欄で取り上げるような若手選手にとっては、未来の自分を描くためにも大きなことだ。デビューしたルーキーたちは、誰もがトップレーサーを目指す。トップレーサーとは、まさにSGやG1でバリバリ活躍する選手たちだ。その仲間入りするためにはSGやG1を数多く経験する必要があるし、またそれらを優勝することが若手選手の目標でもあろう。だからまずはA1級に昇級したいと若手は考える。夢をかなえるための一里塚とでも言えるのが、A1級昇級である。
 この1月からの2020年前期も、初めてA1級に昇った若手選手が何人かあらわれた。彼らはさらなるステップアップを誓って、この新年を走る。そのうちのひとりが、ここで紹介する川原祐明だ。令和2年は、川原にとって新たな領域を目指して戦う、重要な1年になるだろう。

デビュー初勝利は早かった!
デビュー初勝利は早かった!

 川原祐明は2013年秋に第115期生としてやまと学校(現ボートレーサー養成所)に入所。訓練生時代は、決して優等生ではなかった。やまとリーグの勝率は4.46で、優出はもちろん準優出も0回。準優出がないまま卒業したのは、同期ではほかに2人だけだった。115期生は、すでにG1を制している仲谷颯仁や関浩哉らを擁しているが、仲谷のリーグ勝率は7.89、優出は7回でうち優勝3回。関浩哉もリーグ勝率6.44で、リーグ優勝こそなかったが、卒業記念競走では優勝戦を走っている。川原は彼らに比べて、訓練時代はかなり遅れをとっていたと言うしかない。
 しかし、14年11月に地元丸亀でデビューしてからは、決して優秀だった同期に劣ってはいなかった。初勝利は15年2月の児島で、通算31走目で水神祭をあげている。先に名前をあげた仲谷は28走目、関は33走目だから、初勝利までに要した時間ではまるでヒケをとっていない。デビュー期の勝率も2.53をマークして、現在の規定ならば1期でB2級を脱してB1級に昇級できる数字を残した。訓練時代に仰ぎ見ていた同期生たちを一気に追い抜いていくことが確信されるような、新人時代であった。
 それからの川原は、しばらく成績を伸ばすことができずにいた。勝率2点台はデビューから3期つづき、4期目にようやく3.61をマーク。5期目はすぐに4点台へと勝率を伸ばすが、4点台を脱するのにまた時間がかかった。初の予選突破もデビューから2年3カ月を要している。もっとも、その2カ月後には初優出を果たし、準Vを果たしているのだが。
 川原のエンジンに火がついたのは、デビュー8期目のことだ。同期の仲谷はその約1年前に、プレミアムG1のヤングダービーで優出。7期目に福岡地区選手権でG1初制覇を果たしている。この8期目中に行なわれたヤングダービーには仲谷、関、野中一平の115期生が出場を決めていた(しかも関は優勝!)。彼らの活躍にも刺激を受けたか、川原の成績がここで上昇する。勝率5.50をマークして、ついに初のA2級昇級を果たすのである。
 (後編に続く・・・)1/15(水)更新予定

川原祐明
川原祐明 (かわはら ひろあき)選手プロフィール

登録番号4852。115期。支部・香川。出身・愛媛。1994年12月24日生まれ。AB型。

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