コラム〜水上の若きサムライたち〜

個性派若手の未来に注目! 木村仁紀(前編)

木村仁紀(きむら まさき)選手

2019年12月1日更新 文:黒須田守(BOATBoy) 写真:池上一摩(BOATBoy)

養成所では勝率トップ

養成所では勝率トップの好成績
養成所では勝率トップの好成績

 10月31日に2020年前期適用級別審査期間が終了。A1級、A2級、B1級、B2級の4クラスに属する選手が決定した。いうまでもなくA1級が最上級で、選手の誰もが目指す地位。SGレースのなかには、A1級でなければ出場できないものも多く、そうでなくてもA1級にならなければ出場がかなわないのが現実だったりする。当欄で紹介するような若手の選手であれば、一日も早くA1級の選手になりたいと切望するものだ。
 20年前期に、その目標を達成した選手も少なからず存在する。今回の主役である木村仁紀もその一人。20年前期についに初のA1級昇級を果たす。守田俊介のダービー制覇(18年)や馬場貴也の2年連続グランプリ出場、遠藤エミのレディースチャレンジカップ優勝など、明るい話題が多い近況の滋賀支部。日本一の湖であるびわこをホームにする選手の中から、また一人、有望株が名乗りをあげてきたことになる。
 木村は、近年の若手選手としては、珍しい話題性をまとってその名をアピールした。それは「進入」。現代ボートレースは枠なり進入になることが多く、前付けで内側のコースを狙う選手も限られている。進入争いこそボートレースの醍醐味、という声は今でも多いわけだが、現実的には穏やかな進入が圧倒的に多くなっている。そんななか、木村は「ピット離れを飛ばして内寄りコースを奪う」戦法をある時期に駆使し、注目を集めた。個性の強い若手が出てきた、とキャリアの長いボートレースファンは彼とその戦法を歓迎したのだ。年明けからA1級として走る木村がどんなレースを見せるのか。そして、どんなレーサーに成長していくのか。

ポテンシャルは非常に高い
ポテンシャルは非常に高い

 木村仁紀は111期生として2011年秋にやまと学校(現ボートレーサー養成所)に入学。在校成績は高く、やまとリーグ戦における勝率はトップで、優出7回、優勝3回も1位の成績だった。その高い素質は、12年11月にデビューして早々に証明される。デビュー初勝利をあげたのは34走目の常滑で、同期の中でも早いほうだった。デビュー期の勝率は3.09。最近の新人はデビュー期1点台も少なくないのだから、3点オーバーは上々の成績と言える。期待された通りの新人時代だった。
 ただ、それから成績はやや足踏み状態となってしまう。勝率3点台をなかなか脱出できなかったのだ。舟券絡みはそれなりに多かったのだが、大敗も多く、また転覆などの事故が多発した時期もあった。ようやく勝率4点台に乗せられたのはデビュー5期目。3点台脱出に4期を要したわけだ。そして、4点台脱出にも4期かかっている。デビュー当初はポテンシャルを示したものの、それを本格的に発揮するまではやや時間がかかった。木村としては、不本意な時期が長く続いたことだろう。
 デビュー9期目、木村は勝率を一気に5.57まで伸ばす。この期は目に見えて大敗が減少しており、1着回数も増加した。それが成績に結び付いたかたちだ。ただ、実は5点台から脱け出すのにも少々時間を要していたりする。デビュー10期目の勝率は5.52。9期目よりわずかではあるが、下げてしまっているのだ。ただし、確実に進境はあった。この期に、嬉しいデビュー初優勝を飾っているのだ。地元びわこの男女W優勝戦で、木村は予選トップ通過を果たすと、準優勝戦、優勝戦も逃げ切って優勝を果たした。力強い優勝劇だった。
 一気に駆け上がるタイプというわけではなかったが、木村は着々と力を蓄えて、じわじわと階段を上がっていった。一歩一歩、地力を身に着けていったのである。
 (後編に続く・・・)12/15(日)更新予定

木村仁紀
木村仁紀 (きむら まさき)選手プロフィール

登録番号4743。111期。支部・滋賀。出身・京都。1992年9月17日生まれ。O型。

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