コラム〜水上の若きサムライたち〜

ヤングダービーで気迫を見せつける! 中村晃朋(後編)

中村晃朋(なかむら あきとも)選手

2019年9月15日更新 文:黒須田守(BOATBoy) 写真:池上一摩(BOATBoy)

気合あふれるレースぶり

ウエスタンヤングでついに初優勝
ウエスタンヤングでついに初優勝

 111期生としてデビューして4年半、中村晃朋は初のA級昇級を果たした(A2級)。ここから中村は、さらに成績を伸ばしていく。デビュー11期目には、勝率6.18をマーク。A1級も目前としている。確実に底力は上積みされていった。
 魅力は気迫あふれる攻撃力だ。これに、差し技も身に着けていって、成績はアップしていった。予選突破の頻度も増え、優勝戦にも何度も駒を進めた。デビュー12期目には、半年間で優出5回。2018年のG3ウエスタンヤングでも優出を果たしている。優勝にはなかなか届かなかったものの、キャリアは着々と積み上げられた。そしてこの期には、勝率6.29をマークして、ついにA1級への昇級を決めることになる。
 とはいえ、この年の3月、妹の桃佳はG2レディースオールスターを優勝している。女子戦とはいえ、女子トップクラスが集うビッグレースである。すでに女子期待の若手として頭角をあらわしていた桃佳は、この優勝で一気にトップグループに躍り出た。この年の末には、プレミアムG1クイーンズクライマックスにも駒を進めているのだ。中村が初めてのA1級として戦うのは2019年1月から。外野から「妹に追いついた」的な見方をされるのは仕方なかった。
 デビュー13期目、中村はやや勝率を落として、ギリギリA2級降格となってしまっている。ただ、その勝負駆けは感動的でもあった。地元丸亀での期間最後のレース。中村は1着ならA1級に留まれる見通しだった。中村は、4号艇5コースだったが、1着だけを取りに行くレースを見せた。結果、転覆。勝負駆けは失敗に終わっている。しかし、その決意あふれる走りは、中村晃朋が何者であるかをハッキリと見る者に伝えたと言える。そして迎えた地元丸亀開催のG3ウエスタンヤング。中村はひとつの思いを結実させる。

妹・桃佳と切磋琢磨!
妹・桃佳と切磋琢磨!

 6月27日に開幕したウエスタンヤング。新しい級別で戦うのは7月1日からなので、中村はA1級としてこのシリーズを走っている。初戦を3コースまくり差しで快勝。3走目に6着大敗があったものの、それ以外はオール2連対で予選を快走し、得点率5位で予選を突破した。準優勝戦は2号艇での出走だったが、抜きで見事に1着。優勝戦には3号艇で駒を進めた。
 優勝戦、待機行動は枠なり態勢で進む。中村は3コースになりそうだ。外枠勢がダッシュに舟を引き、3対3になるかと思われたその瞬間、中村も敢然と艇をダッシュに引いた。決意の3カドだ。スタンドが沸く中、中村はコンマ11のトップタイスタート。1マークでは渾身のまくり差しハンドルを入れている。これが決まった! インコースの渡邉和将のふところを捉え、あざやかに突き抜けたのだ。
 なかなか届かなかったシリーズチャンピオンの座。それを地元の、しかも全国的な注目が集まるなかで中村は掴み取った。それも、インパクトの大きい勝ち方で。中村がひとつの壁を突破した瞬間と言っていいだろう。表彰式で、中村は感極まった表情を見せている。瞳は潤んでいた、と思う。決して一気に飛躍を遂げてきたわけではなく、多くの苦労もし、悔しい思いもたくさんして、ようやく手にした初優勝である。ウェットな感情になるのが当然であろう。そして、改めて今後のさらなる飛躍を胸に誓ったはずだ。さまざまな意味で、大きい大きい、デビュー初優勝であった。
 その後も中村は好調で、8月終盤時点で来期適用勝率はA1級復帰ペースである。そうしたなか、三国ヤングダービーを迎えることとなる。昨年は惜しくも準優出を逃した。着をまとめてはいたが、初戦の6着が大きく響いてしまった格好だ。今年はそのリベンジマッチでもある。また、妹の桃佳が産休中。昨年は兄妹同時出場となったが、今年は桃佳の分まで奮闘する一節となるだろう。そして目指すは、まだ妹が果たしていないG1初優勝。これについては兄がお先に果たして、中村晃朋ここにあり、を満天下に示したいところだ。
 ウエスタンヤング覇者として乗り込むヤングダービーだ。その優勝戦で見せたような気合のこもったレースをたくさん見せてくれるはずだ。三国で闘争心をフル稼働させる中村にぜひご注目いただきたい。

中村晃朋
中村晃朋 (なかむら あきとも)選手プロフィール

登録番号4739。111期。支部・香川。出身・香川。1991年11月3日生まれ。A型。

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