コラム〜水上の若きサムライたち〜

さあ、大ブレイクの時! 山崎郡(後編)

山崎郡(やまざき ぐん)選手

2019年7月15日更新 文:黒須田守(BOATBoy) 写真:池上一摩(BOATBoy)

初G2で優出の大快挙

眼光鋭い!
眼光鋭い!

 オートバイレースのレーサーからボートレースの道に飛び込み、着実に成績を伸ばしてきた山崎郡。デビュー7期目にはA2級に昇級したのだが、その7期目の秋、山崎郡はひとつの大仕事を果たす。
 山崎は、16年10月、唐津G2モーターボート大賞で、初めてG2以上のレースに参戦を果たしている。濱野谷憲吾や赤岩善生、田村隆信、吉田拡郎、新田雄史といったSGウィナーや篠崎仁志、中野次郎といった実力者が揃い、また女子のトップどころも参戦する華やかな大会で、ハッキリ言ってこのときの山崎は無名の若手レーサーだった。しかし、初戦で新田雄史の2着と好成績をあげると、6着も1回あったが、それ以外は2着を並べる活躍で、見事に予選突破。準優勝戦に駒を進めている。この準優勝戦が強烈なメンバーで、新田、篠崎、濱野谷、中野というキラ星のようなスターレーサーが揃う一戦。4号艇だった山崎は、予選では1着こそなかったものの好成績を残しつつも、当然のように人気薄となっていた。
 その準優勝戦で、山崎はまくり差しで突き抜け、並み居る強豪を撃破してしまう。G2以上のレースを“記念レース”と呼んだりするが、山崎は記念デビュー戦でいきなり優出を果たしたのである。これがデビュー以来3回目の優出。それがトップレーサー集うG2だったのだから、そのインパクトは大きかった。優勝戦は残念ながら5着に敗れてしまったが、これで山崎郡の名前は一気に全国に広まったと言ってよい。
 A1級として戦うことになったデビュー8期目にはG1にも出場。初G1となった下関周年記念でもG1初1着をあげるとともに予選突破。さらに17年2月には多摩川のルーキーシリーズでデビュー初優勝も決めている。山崎は着々と、スターへの階段を上っていった。

笑顔は柔らかい好青年
笑顔は柔らかい好青年

 その後の山崎は、大きな爆発を見せたわけではないけれども、安定した活躍でA1級をキープし続けている。ヤングダービーには17年の蒲郡で初出場。予選で妨害失格を喫してしまったため賞典除外で予選落ちとなってしまったが、節間2勝をあげて同世代では力上位であると見せつけた。その1カ月後には、G1桐生周年記念で見事に優出。同支部の大先輩である松井繁の差しに屈してしまったが、3着に入って偉大なる王者の背中を追いかけた。昨年のヤングダービーは事故率過多の規定によって出場を逃しているが、周年記念などのG1には何度も出場し、確実にキャリアを積み上げてきた。この7月からももちろんA1級として走るわけだが、級別審査の勝率は6.81とキャリアハイ。7点台が目前となっている。記憶に新しいところでは、6月のボートレースレディースvsルーキーズバトルに出場、ルーキーズチームをおおいに牽引して優勝戦に進出。敗れはしたものの、格上の存在感をしっかりと示していた。
 どういうわけか、17年2月の初優勝から2年半、優出はするものの優勝とは縁遠くなっている。もちろん2度目の優勝は時間の問題ではあるだろうが、山崎としてもそろそろ呪縛を解き放ちたいところだろう。また、同支部の若手からは、先のSGグランドチャンピオンで平成生まれ初のSG優出を果たした木下翔太、今年の下関ダイヤモンドカップでG1初制覇を果たした上條暢嵩がおり、切磋琢磨を続けていくためには非常に好環境にある。とはいえ、大きなレースの実績では先を越された感もあり、山崎にとっては近いうちに追いつきたいところ。つまり、さまざまな経験をしながら成長を続ける山崎には今、さらなる飛躍のために力が入る季節が到来しているのだ。
 この夏はルーキーシリーズへの出場が多くなりそうだが、ここではもちろん優勝候補最右翼の一人となる。2度目の優勝を果たすと同時に、来るべき時にむけて牙を研ぐ夏にしたいところだ。そして9月、ヤングダービーで奮闘する山崎に会えるはずだ。ちなみに今年でヤングダービーは卒業となる。最後の若武者決戦でブレイクする山崎郡に期待しよう。

山崎郡
山崎郡 (やまざき ぐん)選手プロフィール

登録番号4760。112期。支部・大阪。出身・大阪。1989年12月8日生まれ。A型。

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