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コラム〜水上の若きサムライたち〜

新たなる東都のエースへ! 宮之原輝紀(前編)

宮之原輝紀(みやのはら こうき)選手

2019年2月1日更新 文:黒須田守(BOATBoy) 写真:池上一摩(BOATBoy)

養成所成績トップ!

21歳の新星!
21歳の新星!

 ボートレースに限らず、競技の世界では若き力が次々と台頭し、それまで権勢を誇っていたトップレーサーがピークを過ぎる時期を迎えて、世代交代が進んでいく。最近はトレーニング方法や理論の進化によって、年齢を重ねても第一線で活躍するアスリートが増えているが、それでも時代が塗り替えられていくのは競技の世界の宿命。もちろんボートレースもそうして時代は移り変わってきた。
 1990年代前半までのボートレースには、40歳を超えてからピークを迎えるレーサーが数多くいたものだ。それがモンキーターンの登場でスピード化が進んだことで、ピークはもっと手前に来るようになった。90年代後半には、それまでボートレースのど真ん中でビッグレースを賑わしてきた40代以上の選手を20代の選手がスピードで次々と打倒していくという急速な世代交代も起きている。
 今のボートレースはそれほど急激に勢力図が変わっていってはいないけれども、それでもニューパワーの台頭は進んでいる。ここ数年のグランプリ覇者を見ても、2011年と13年が池田浩二、12年と15年が山崎智也、16年が瓜生正義と登番3000番台の選手が力を発揮していながら14年に茅原悠紀、17年に桐生順平、18年に峰竜太と4000番台の“ニュージェネレーション”と呼ばれる選手たちが確実にボート界の中心を担うようになってきている。時代の変わり目に差し掛かりつつある、それがボートレースの今、と言えるかもしれない。
 ただし、支部別で見てみると、そうした流れにやや遅れをとっている支部がある。東京支部だ。他の支部を見れば、山崎智也が変わらず一線を張っていながら毒島誠がSGを勝ちまくっている群馬や、松井繁をはじめ重厚な強豪がいまだにビッグ戦線の主役を張る一方で石野貴之が一気にボートレースの顔になっている大阪など、どの支部にも強いベテランがいるのと同時に新世代のトップレーサーが次々と誕生している。そんななかで、東京支部を見渡せば、状況としては少々寂しいというしかない。
 昨年、東京支部から久しぶりにグランプリ出場レーサーが出た。濱野谷憲吾だ。今年マスターズチャンピオンにも出場する、もう20年も「東都のエース」と呼ばれている東京支部の大黒柱だ。しかし、その下がなかなか続かない。登番4000番台では、15年に長田頼宗がグランプリシリーズでSG初優勝を果たしてはいるが、彼にしてもグランプリ出場はまだなく、A1級の選手は多く抱えていながら、突出してくる選手がいないというのが現状である。筆者も東京在住、この状況が寂しくてたまらない。
 ただし、決して悲観的な状況ではなくなっているのも確かである。ビッグレースでの実績はまだまだこれからだが、近い将来、確実にSGやG1を賑わすであろう期待のルーキーが東京支部から誕生したのだ。ひとりは栗城匠、もうひとりは宮之原輝紀。118期の同期生である二人は、まさに東京支部の明るい未来だ。今回の当欄の主役は宮之原輝紀。昨年は平和島のフレッシュルーキーに選ばれ、今年は関東地区のトップルーキーに昇格して、いまが旬の若武者だ。

表情には若々しさがいっぱい
表情には若々しさがいっぱい

 宮之原輝紀は先述の通り118期生としてボートレーサー養成所に入所している。父は平和島の腕利き整備士で、子供の頃からボートレースは身近にあった。その父は、息子がレーサーを目指し、養成所に入所したことで退職。息子にバトンを渡している。父の思いも背負った宮之原は、養成所の訓練で早くもそのポテンシャルを発揮した。厳しい訓練にも耐え、リーグ戦勝率は8.12で第1位。修了記念競走ではもちろん優勝戦に進出して、1号艇にすわっている。その優勝戦、宮之原は1コースを選択しなかった。なんと、大外6コースに出たのである。まだ本栖湖に養成所があった頃、これはある種、当たり前のことであった。デビューしてからしばらくは6コース一本で戦うのが、新人の不文律。スローコースからのレースはデビューしてから覚えるもので、だから養成所では外コースの取り合いさえ起こっていた。もちろん修了記念優勝は、訓練生の目標であり、宮之原もそれは同様だった。しかし、その目標は“最初の”目標であって、本当の目標はもっともっと遠い先にある。そんな思いを胸に秘め、敢然と優勝戦で外に出た宮之原。さすがにコースは遠く優勝は逃したものの、大物感を漂わせてプロの世界へと巣立ったのであった。
 デビューは16年5月の平和島。デビュー節で舟券絡みはなかったものの、8戦して4着が5回と非凡さを見せつけている。その後も舟券絡みは何度もあって、初勝利は2カ月後の戸田。近年では早い部類だと言ってよい。デビュー期の勝率は3.39で、これも近年の新人ではかなり立派な数字だ。宮之原はデビュー早々から、未来を感じさせる走りを見せたのである。
 (後編に続く・・・)2/15(金)更新予定

宮之原輝紀
宮之原輝紀 (みやのはら こうき)選手プロフィール

登録番号4939。118期。支部・東京。出身・東京。1997年11月26日生まれ。O型。

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