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コラム〜水上の若きサムライたち〜

イースタンヤングにチャレンジ! 上田龍星(前編)

上田龍星(うえだ りゅうせい)選手

2018年6月1日更新 文:黒須田守(BOATBoy) 写真:池上一摩(BOATBoy)

順風満帆な大型ルーキー

大阪支部の大型新人
大阪支部の大型新人

 6月は、若者たちの祭典・ヤングダービーの勝負駆け月間である。ヤングダービーは9月に開催されるプレミアムG1。出場資格は9月1日時点で30歳未満であること。レースタイトル通り、20代のヤングの大きな目標となるビッグレースである。その選考期間は前年7月1日から当該年6月30日で、この1年間の勝率上位者が出場権を得られる。5月下旬の時点で、出場のための勝率ボーダーラインは5.80前後。この数値に達していない選手は、6月の1カ月はなんとしても勝率をアップさせたいと気合が入る。また、届いている選手も、惨敗を繰り返せばあっという間に勝率を急降下させてもおかしくないので、特にボーダーライン近辺の選手は、必死に逃げ込みをはかる1カ月となる。ヤングダービー出場が手の届く位置にいる若手にとっては、胃の痛む1カ月となるだろう。
 そのヤングダービーのトライアル的なレースが、6月28日から7月3日まで開催される2つのレース。G3イースタンヤングとG3ウエスタンヤングである。イースタンヤングはボートレース津で、ウエスタンヤングはボートレース下関で行なわれる。ウエスタンのほうはナイター開催だ。この2つのレースは、ヤングダービー出場資格のある20代の選手が東西に分かれて戦うもので、まさにヤングダービーの前哨戦的ポジション。それもただの前哨戦ではなく、「優勝者はヤングダービーへの優先出場権」を得られる一戦である。すなわち、勝率がボーダーラインに届かない選手でも、イースタンもしくはウエスタンのヤング戦を優勝すればヤングダービー出場の切符を手にできるのだ。まさにヤングダービーへのラストチャンス。今年で5回目の開催となるが、イースタンのほうは昨年一昨年と、勝率が足りなかった選手が優勝一発でヤングダービーへの出場権を手にしている。
 先月の当欄で取り上げた和田拓也はウエスタンヤングに出場する。今回はイースタンヤングに出場する選手を取り上げよう。大阪支部の上田龍星。大阪なのにイースタン、というのは少し違和感があるだろうが、全国18支部を東から数えれば大阪支部は9番目にあたるので、東に分類されているのだ。5月末の時点で、上田の選考勝率は5.21。勝率でヤングダービーに出場するのはかなり厳しいと言わざるをえない。イースタンヤングは、上田にとってまさに渾身の勝負駆けとなるレースである。

初勝利も初優出も早かった
初勝利も初優出も早かった

 上田龍星は、2014年秋に第117期生としてやまと学校(現ボートレーサー養成所)に入所。上田は小さなころからBMXに参戦しており、若くしてプロにもなっている。それもあって、養成所には特別試験枠で合格していた。特別試験枠は、指定された他ジャンルの競技で飛び抜けて優秀な成績を収めていた者が受けることができる、別枠の試験。養成所入所時点で、エリート候補とも言えた。
 養成所時代も、その高いポテンシャルは注目をあつめた。成績は吉田裕平に次ぐ第2位。15年11月の住之江でのデビュー戦でもおおいに期待され、有望な新人と耳目を集めた。デビュー戦は6着とプロの洗礼を浴びた格好だが、6戦目に3着に入って初めて舟券絡みを果たすと、7戦目で初1着。いわゆるデビュー節で水神祭をやってのけたのだから、噂にたがわぬ大型ルーキーといえた。
 それからも上田は、評判通りの走りを見せる。2勝目は初勝利から1カ月も経たぬうちに訪れ、12月にも1勝を上積み。デビューから2カ月足らずで3勝とは、最近の新人ではほとんど見られないほどの活躍と言える。年が明けての2月には、初の予選突破。デビュー期に準優に進む選手も、近年では数えるほどである。このデビュー期に、上田は3.47の勝率を残している。これもまた、ここ何年かの新人としては破格である。上田はこれでB1級に昇級するが、117期でいきなりB1昇級を果たしたのは上田ただ一人だった。
 デビュー2期目も順調だった。1期目は4勝だったものが、一気に14勝にまで増加した。圧巻は、16年7月の大村ルーキーシリーズだ。今をときめく羽野直也らも出場していたこのシリーズで、上田はデビュー初優出を果たす。予選道中は1着を獲れなかったが、準優勝戦では6コースからのまくり差しで1着。デビューからわずか8カ月で優勝戦に駒を進めたのだから、素晴らしいスピード出世と言えた。この期の勝率は5.17。A級には届かなかったが、この数字はとてつもなく優秀なものである。
 順風満帆に、デビュー1年目を過ごした上田。確実にその名前はファンの間に浸透していった。しかし、やはりプロの道は平坦ではない。上田はこの後、苦難に立ち向かうことを強いられることになる。
 (後編に続く・・・)6/15(金)更新予定

上田龍星
上田龍星 (うえだ りゅうせい)選手プロフィール

登録番号4908。117期。支部・大阪。出身・大阪。1995年7月15日生まれ。O型。

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