コラム〜水上の若きサムライたち〜

112期やまとチャンプ! 馬場剛(前編)

馬場剛(ばば つよし)選手

2017年4月1日更新 文:黒須田守(BOATBoy) 写真:池上一摩(BOATBoy)

東京支部のエリート候補

112期で1位の成績
112期で1位の成績

 ボートレーサーの養成所である「やまと学校」が、この4月から「ボートレーサー養成所」に改称された。名称の変更だけではなく、これまでは養成費を訓練生が支払わなければならなかったものがすべて無償になるという、ボートレーサーを志す者には嬉しい変更もあった。第121期生からが「養成所」出身のレーサーとなり、デビュー後にどのような活躍を見せてくれるか、おおいに楽しみだ。
 ところで、訓練期間は現在は1年間で、その1年間の集大成を披露する場として「卒業記念競走」が卒業式の同日に設けられている。優勝戦に出場できるのは、その期の成績上位者。すなわち、卒業記念の優勝者は各期の有望株ということになり、実際に歴代優勝者にはデビュー後に大活躍した選手の名前を見つけることができる。卒業記念は第36期生から設けられるようになったが、初代チャンプである高山秀則は、その後グランプリをも制覇した大物レーサー。SGウイナーをあげていけば、三角哲男、太田和美、勝野竜司、池田浩二、田村隆信、新田雄史らが卒業記念の優勝者だ。女子も5人優勝していて、史上最強レディースとの呼び声も高い横西奏恵も第76期の優勝者だ。今年3月には、最後のやまと学校卒業期となる第120期の卒業記念競走が行なわれており、優勝したのは馬野耀。大阪支部に所属し、松井繁らの薫陶を受けながら、強い先輩たちに続くべく、奮闘することだろう。
 今回取り上げるのは、歴代卒業記念チャンプのひとりだ。第112期の卒業記念優勝者である馬場剛。彼は東京支部所属で、東都を支える存在となることをおおいに期待されている存在である。肩書を背負ってボートレーサーの第一歩目を踏み出した馬場は、デビューから4年、懸命な戦いを繰り広げている。

大きな期待を背負ってデビュー
大きな期待を背負ってデビュー

 馬場剛は2012年4月にやまと学校に入所。訓練時代は、その高いポテンシャルから、一目置かれる存在だった。訓練生で戦われる「やまとリーグ戦」では7.56の高勝率を残し、これは112期トップの成績だった。卒業に際しての教官のコメントは「操縦センスに長け、吸収力が高い。強気な性格もレーサー向きである。もう少し社交性を高め、本物のプロとなってほしい。将来は楽しみな存在」。高い期待がうかがえる言葉が並んでいる。新人は最下級であるB2級としてデビューするが、訓練時の成績が良好だった何名かは「B1級並みのあっせん」という扱いを受けることができる。B2級のあっせん数はおおむね1カ月に1節となっているが、B1級はおおむね1カ月に2節。他の新人より多くレースを走ることができ、稼ぎにしても経験にしても先行できる。馬場ももちろん、この特典を受ける有望株だった。
 卒業記念優勝戦は、イン逃げでの勝利だった。112期のトップツーと目されていたのは松尾充で、やまとリーグ戦でも馬場に次ぐ成績を残していた。その松尾が素晴らしいスタートを決めて渾身のまくりで攻めてきたところを、インから何をも恐れることなく全速ターンで旋回して押し切ったのだ。同じ東京支部の今泉友吾が差して迫ったものの、これも押さえてVゴール。馬場は、訓練での成績トップ→卒業記念優勝という、まさにエリートとしてプロデビューを飾ることとなった。
 馬場のデビュー戦となったのは、13年5月2日。地元の平和島だった。地元の関係者も、ファンもおおいにそのデビューを注目したデビュー戦。新人離れしたスタート力も噂になっており、デビュー戦の対戦相手はすべてB級選手だったから、初陣での初勝利を期待する向きも少なくなかった。ゴールデンウィーク開催ということもあって、シリーズそのものへの注目度も高い。馬場は、大きな大きな期待を背負って、プロとしての第一歩を記すことになったのである。
 しかし……プロの水は決して甘くはなかった……。
 (後編に続く・・・)4/15(土)更新予定

馬場剛
馬場剛 (ばば つよし)選手プロフィール

登録番号4769。112期。支部・東京。出身・東京。1992年7月6日生まれ。AB型。

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