【PHOENIX Hope】難病と戦っている方に遠隔で試合会場の雰囲気や選手との交流を楽しんでいただく「OriHimeプロジェクト」レポート

三遠ネオフェニックス
チーム・協会

【©San-En NeoPhoenix】

三遠ネオフェニックスは、「三遠地域を笑顔で活力ある街に!」という経営理念の実現のために、社会・地域課題の解決に向けたアクションとしてSDGs、B.LEAGUE Hopeと連動した【PHOENIX Hope】を行っております。 このたび、そのPHOENIX Hopeの枠組みの中で、また新たなプロジェクトをスタートさせました。

【※「OriHime」は株式会社オリィ研究所の登録商標です。】

株式会社オリィ研究所が開発する分身ロボット「OriHime」を活用した、距離や障がいを乗り越えた活動を実施する【OriHimeプロジェクト】です。
OriHimeを活用することで、距離や身体的問題によって行きたいところに行けない人のもう一つの身体、分身としてコミュニケーションが可能となることから、難病と戦う方々、障がい者の方々などと社会をつなぐ架け橋となり、可能性や夢に挑戦する機会の提供や、活動支援の輪を広げる啓発などを実施してまいります。

今回、遠隔地からOriHimeを通じたプロバスケットボール観戦や選手との交流を提供すべく、その第一歩としまして、2021年2月28日(日)B.LEAGUE 2020-21 B1リーグ戦 第24節と、2021年3月3日(水)B.LEAGUE 2020-21 B1リーグ戦 第25節におきまして、難病と戦う方にOriHimeのパイロット(ご自宅などからOriHimeを操縦される方をパイロットと呼びます)になっていただき、スタッフがサポートとして会場内外を歩き、ホームゲーム会場を楽しんでいただく取り組みを実施しましたので、その様子をどうぞご覧ください。

◆2021年2月28日(日)OriHimeパイロット「やまもと よりこ」さん

サポートスタッフがOriHimeパイロットの代わりに、三遠ネオフェニックスのホームゲーム会場を案内しました。 【©San-En NeoPhoenix】

OriHimeパイロットの画面はこのようになっています。 画面には当事業の仕掛人でもある株式会社フェニックス 事業本部長の工藤がパイロットのやまもとさんとホームゲーム会場入り口前でコミュニケーションを取っています。 パイロットは画面右側にある様々なリアクションボタンを押すことで、現地に居るOriHimeを通じて自分の感情を表現します。 【©San-En NeoPhoenix】

工藤のアテンドに従ってサーモグラフィによる検温や入場口を通過します。 この日のゲームスポンサー「物語コーポレーション」様がご用意してくださった「クーポン付きオリジナルハリセン」も受け取りました。 いよいよアリーナ内に入ります。 【©San-En NeoPhoenix】

会場内に入ったパイロットのやまもとさんは、ご自宅からOriHimeを操作しご自身の見たい場所を見て、様々なリアクションボタンを押してくれます。 この時OriHimeは首を動かしたり、手を上げたり、実際にやまもとさんの代わりに行動で感情を表現してくれていました。 【©San-En NeoPhoenix】

まずはご自身の席に座ってみました。今回は、プラチナシート1列目(アウェー側・ゴールエンド)にて観戦です。ゴールエンド最前列のお席です! 【©San-En NeoPhoenix】

今回OriHimeプロジェクトをスタートさせるにあたってご尽力いただいた、まるごとロケッツ/日本フリーイノベーション協会の樗木(ちしゃき)さんが、お席の隣でサポートしてくれています。 そのコート間近のお席からの景色や選手やコートの近さに、やまもとさんは終始喜んでくださいました。 【©San-En NeoPhoenix】

試合のハーフタイムには、この日負傷により欠場していたオフコートキャプテンの岡田慎吾選手がやまもとさんとお話ししながらコート内へ連れて行ってくれました! 【©San-En NeoPhoenix】

コート内では合間を縫って津屋選手が手を振ってくれたり、他の選手も話しかけたりするなど特別なコミュニケーションをとってくれました。 【©San-En NeoPhoenix】

試合終了後には、退場する選手たちを通路から慰労してくれました。 最後に、両耳が難聴という自身も障がいを持つ津屋選手とコミュニケーションの時間を設けることができました。 【©San-En NeoPhoenix】

そして奇しくもこの2月28日は「世界希少・難治性疾患の日」です。 治療法が確立していない長期にわたり治療療養を必要とする難病・長期療養児が全国に約25万人います。スポーツのチカラで、難病児・長期療養児と社会を繋がる活動を応援します。 ※この右手を広げるポーズが「世界希少・難治性疾患の日」を啓発するポーズです。 【©San-En NeoPhoenix】

■OriHimeパイロット「やまもと よりこ」さんからのお手紙

※後日、やまもとよりこさんから感想を頂戴しましたので、掲載させていただきます。

病気になりもうすぐ8年
割とすぐ外出は車椅子になってしまったので生活はほぼ自宅か病院。話すのは家族かケアに携わってくださる方という生活です。
バスケットボールを会場で見るのは初めての経験。
会場へ行く、それはチケットを取ること以外にも、交通手段、一緒に行ってくれる人、バリアフリー状況、自分の体調、当日のお天気と沢山の確認しなければならない事があり、「贅沢な事だよなー」と諦めていた事のひとつでした。
さていよいよ観戦の日!!
OriHime越しに、初めてコートを見た感想は「近い!!!」です。
ウォーミングアップする選手の方がすぐそこに見えます!
そして何よりも会場の雰囲気!!!
音楽やアナウンス、みなさんの声、応援の練習の仕方のレクチャー
私も一緒に練習!
OriHimeでキョロキョロ、こっそり周りを見て、真似してました(笑)
試合が始まると、思わず声が出ます!!
会場の歓声に心が躍ります!!!緊張の場面では手に力が入ります!!
OriHime越しの画面から目が離せません。
そして、なんとハーフタイムにはコートの中にまで連れて行っていただき、もう興奮で声も出ないし、心臓バクバク、頭真っ白!!
夢のようでした!!

こうやってOriHimeで観戦させていただくまで、生の会場の雰囲気がこんなにも魅力的だとわかっていませんでした。
みんな会場へ行ったらいい!!
絶対、バスケ好きになる!!!
試合も本当に面白かったし、次も絶対にまた観たくなります!

このような貴重な機会を作ってくださった皆様に心からお礼申し上げます。
とても素敵な時間をプレゼントしていただきました。
ありがとうございました。


やまもと よりこ

◆2021年3月3日(水)OriHimeパイロット「古川 結莉奈(ふるかわ ゆりな)」さん

この日のOriHimeのパイロットは、神奈川県にお住いの古川 結莉奈さん。 先天性ミオパチーという生まれつきの筋肉の病気で、自分の力で身体を動かすことがほとんどできません。気管切開、人工呼吸器、胃瘻をしています。身体を起こすと呼吸が苦しくなるため、ほとんどの時間をベッドに横になって過ごしています。 【©San-En NeoPhoenix】

今回の私たち三遠ネオフェニックスの「OriHimeプロジェクト」が立ち上がったきっかけとなってくれたのが結莉奈さんです。 仕掛け人である工藤が、【ゆりなちゃんの「先生」になろう!プロジェクト】を知り、お母さまとお話しをさせていただき、ぜひ結莉奈さんをBリーグの会場に連れていきたい!となったことが事の始まりでした。結莉奈さんは自分の分身となるOriHimeにお気に入りのお洋服を着させ「ユリヒメ」でこの日を満喫してくれました。 この日のサポートは工藤が自ら務め、結莉奈さんとコミュニケーションを取りながら会場を案内しました。 【©San-En NeoPhoenix】

前回2月のやまもとさんとの取り組みもあったため、ご来場いただいているブースターの皆さんも「ユリヒメ」に手を振ってくれます。 【©San-En NeoPhoenix】

結莉奈さんはご自宅からタブレットを上手に使い、OriHimeを通して感情を表現してくれます。 【©San-En NeoPhoenix】

試合開始前は会場内を案内させていただき、試合前の選手入場時は特別に花道で選手にエールを送ります。 【©San-En NeoPhoenix】

そして、この日のハーフタイムでは負傷によりリハビリ中の北原秀明選手が、結莉奈さんをコートの中へ連れていってくれました。 【©San-En NeoPhoenix】

フィリピンのスター選手 サーディ・ラベナ選手も笑顔で手を振ってくれてコミュニケーションを取ってくれました。 鈴木達也選手はOriHimeに興味津々です。 【©San-En NeoPhoenix】

そして試合終了後には「ユリヒメ」は再び花道にて選手たちを慰労してくれました。 試合終了後には、前回に続き津屋一球選手が結莉奈さんとコミュニケーションを取ってくれました。 【©San-En NeoPhoenix】

結莉奈さんは津屋選手との時間があることを事前に知っていたので、「津屋選手に手話を教えたい!」と考えてくれて、一生懸命に手話を覚えてくれたそうです! 【©San-En NeoPhoenix】

結莉奈さんが教えてくれた手話を使ってみたり、結莉奈さんも初めてプロバスケットボール選手との会話に終始テンションがとっても高く喜んでくれていたとお母さまに教えていただきました。 【©San-En NeoPhoenix】

またこういった機会を設け、これからも古川結莉奈さんの成長を少しでもサポートできればと思います。 【©San-En NeoPhoenix】

※参考
ポランの広場|福祉情報工学と市民活動
2019.09.25 【必読】重度障害児の親のキモチ〜古川綾子さんの場合〜
https://www.poran.net/ito/archives/15979

古川結莉奈さんのお母様 古川綾子さんがFacebookアカウントで結莉奈さんの日々の活動を発信してくださっております。
https://www.facebook.com/ayako.udagawafurukawa

◆今後の「OriHimeプロジェクト」に関して

【※「OriHime」は株式会社オリィ研究所の登録商標です。】

私たち三遠ネオフェニックスでは、このPHOENIXhope「OriHimeプロジェクト」を、人々の社会参加を妨げている課題を克服するためのツールとして活用してまいります。

今回はプロジェクトを立ち上げるにあたってご縁のあった「やまもと よりこ」さんと「古川 結莉奈」さんに参加していただきました。
今後は、私たち三遠ネオフェニックスが活動する三遠地域を中心に、「距離や身体的問題によって行きたいところに行けない人」にご参加いただきたいと思います。
皆さまのお近くにいらっしゃいましたら、ぜひ教えてください。

また、この三遠ネオフェニックスが取り組むSDGs活動であるPHOENIXhope「OriHimeプロジェクト」に賛同・支援してくださるスポンサー企業さま【SDGsパートナー】も募集しております。

ぜひお気軽に下記連絡先までお問合せください。
皆さんと一緒に社会をより良く、より豊かに、していきたいと考えております。
引き続き何卒よろしくお願い申し上げます。


「OriHimeプロジェクト」「SDGsパートナー」に関するお問い合わせ

sponsor@neophoenix.jp

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著者プロフィール

男子プロバスケットボールリーグB.LEAGUE1部に所属する三遠ネオフェニックスです。 愛知県豊橋市をホームタウンとし、愛知県東部の東三河地域と静岡県西部の遠州地域の2つの県の垣根を越えて三遠地域の【100年さきの笑顔のために】という理念のもと活動しております。

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